夏がもうそこまで迫っている6月の朝の太陽は、
柔らかでいて棘を隠し持っている様な日差しを地上へと注いでいた。
遠くでは鶯が囁き、ソレをかき消すかのような鴉の鳴き声が、
梅雨目前の青空を闊歩している。
そんな毎朝の心地よい平穏を、突然の機械音が無情にも切り裂いた。
ピンポーン
空耳かと疑った。
時計を見れば、まだ朝の6時半。
こんな時間にインターフォンが鳴る筈が無い。
ピンポーンピンポーン
突如、非日常に放り出された驚きで硬直する私を嘲笑うかの様に、
何度も電子音が鼓膜を震わす。
ピンポーンピンポーンピンポーンピンポーン
……やり過ごしてしまおうか?
そんな思いが頭を掠めたが、少しも鳴り止まない機械音に促され、
渋々リビングの片隅のインターフォンの前へと足を運んだ。
ピンポーンピンポーンピンポーン
ピンポーンピンポーンピンポーン
未だ、鳴り止まない音。
息を呑み、恐る恐るインターフォンの画面を覗き込む。
そこには、見た事の無い男の顔左半分のドアップが映し出されていた。
……という、恐怖の朝を迎えた先日
脅かすんじゃねぇ


早朝から他人の家のインターフォンを連打すんなよぉぉぉ

ウチにはユウくんなんてガキはいねぇぞゴルァァァ

と、罵倒したい気持ちを抑えながら、
「お部屋、間違ってるよー![]()
」
と、小学校高学年の男の子らしい人物の左半分の顔に優しく対応し、
アジの開きと納豆とサラダと味噌汁という至って普通の朝食を準備し、
キャラ弁とは程遠い極普通の弁当を作るという日常に戻りましたよ
はぁぁぁ………
ストーカーかと思ったじゃねぇか……
ま、夜中じゃなくて良かったけどさぁ

よい子の皆

親しい友達の家のインターフォンを連打して、
カメラに顔を恐ろしく近づけるのはやめましょう

顔半分に驚いた友達のママが優しーい声で対応しながら、
↑の様な罵声を心の中で浴びせているかもしれません

気をつけましょうね

……ってかね、インターフォン、モノクロ画像だし、
顔や髪型がね、呪怨の男の子に似てたんだ……
怖ぇぇぇぇぇぇよ
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