今から約7年ほど前の夏、部活を通じて仲が良かった友人7人と久しぶりにお食事会をしました。
私は、夫の仕事の関係で日本を離れていたので、みんなと会うのは本当に久しぶりで、それぞれの近況もあまり知らないまま出席をしました。
そこで色々話していくうちに、友人一人ががんを患っていることを知りました。
彼女は学生の時から本当に明るくて、楽しい子で、私は彼女から“笑”と言うものを教えてもらいました…。
彼女は長女と言うこともあり面倒見がとてもよく、調和の取れた子で、当時からセルフィッシュだった私は今でもはっきりと覚えていますが、彼女と部室を掃除していた時、私は自分たちの部室の前の廊下だけを掃除すればいいと思ってしていたら、彼女は両隣の部室の前までしっかりと掃除をしていて、
私が「自分たちの前だけでいいんじゃない?」
と言うと、
彼女は「お隣さんだから…」
と一言言ってまたしっかり掃除をする…。
そんな素敵な子で、本当に色々教わりました。
気遣いもできる子で、そのお食事会でもみんなを心配させないためか、抗がん剤の副作用で脱毛してしまったためにつけていたウイッグを「熱いから取っちゃおっかな〜…」と両手でウイッグを取る仕草をしてみんなを笑わせてみたり…、自分が一番大変な時なのに…本当に魅力的な子でした。
でも…
『もうそんな彼女に会うことはできません』
彼女の訃報が突然届いたのは今から2年ほど前の6月某日…。本当に驚きました…。
あのお食事会のあと、グループLINEでみんなで連絡を取るようになり、病状も落ち着いて仕事にも復帰したと聞いていたので、まさか亡くなる2年ほど前に再発をしてまた闘病生活を送っていたとは誰も思わず…。
あまり連絡が入らないのは、忙しい毎日を過ごしているからだろうと友人誰もがそう思っていたと思います。
私は約3年ほど前に乳がんに罹患しました。
彼女の訃報を聞いてから1年ぐらいはずーと、
“なぜ彼女が亡くなり私が生かされているのか…“
答えなんか出ないことをよく考えていました。
同じがんサバイバーとしてお互い励まし合って、一緒に頑張って生きていきたいと思っていたのに…彼女はいません…。
私も彼女に私の病気のことを話して「お互い頑張ろうね」と声をかけあいたいと思っていたのに…彼女はいない…。
心の中で何度も“なんで、なんで…“と思っていました。
そんな時、ある夢を見ました。
その夢は、子供を遊ばせていた公園に大きな木があり、その木の後ろからひょっこりはんのように突然彼女が顔を出すと言う夢でした…。
そこにいた彼女は、いつもの素敵な笑顔の優しい顔をした彼女でした…。
私はなんだか嬉しくなって、そしてホッとしたことを今でもよく覚えています。
治療法があるのに体が耐えられなくて最後は無治療になってしまった彼女…。
家に戻り、どんな思いで過ごしていたかと思うと、今でも胸が張り裂けそうになり、葬儀当日、式場に彼女の遺品や生い立ちからの写真がとても綺麗に、そして丁寧に飾られていたのを見た時には、どんな想いで支度をしていたのかを想って友人たちと話しながら大泣きをしました。
“私がなぜ生かされているのか”、それは分からないけれど…
『彼女の分まで一生懸命生きること』
それを夢で彼女は伝えに来てくれたのかなと今は思っています。
我が家はまだまだ子供に手がかかる時…。
日々生活していると忘れてしまう…、
母として、妻として、1人の女性として…
『色々な時を大切にしながら』
しっかり生きて行こうと思います。
一生忘れられない彼女の命日、それは…
『私の誕生日でもある日…。』
もう彼女と実際に会って話すことはできないけれど、毎年そっと心の中で手を合わせ、心の中で静かに彼女と話すと共に、今年もそうでしたが…、毎年共通の友人たちから私に届くメッセージを通して、みんなと彼女の思い出話を毎年していきたいなと思います。
長文、最後までお読みいただきました方、本当にありがとうございました。。