息子、小学三年生(バカな方)。

 

先日もブッ倒れそうになる点数のテストを持って帰ってきました。隠したり恥ずかしがったりしないです。堂々と出してきます。点数が悪いこと、全然気にしていません。

 

 

私は、「子供は自己評価が高くて前向きなほど良し!」と思って育ててましたが、

 

 

「ここはねー、いっこもわかんなかった!けど、ここはホラ、ひとつわかったんだよ!スゴいでしょ!」

 

 

どうよこのポジティブモンスターっぷり

 

 

 

だからちっとも「こりゃマズい」と思わないし勉強しないしそもそも興味がないことは一切覚えないし。

 

…と、そんな我が家の銀河系一可愛い、お空のお城に住む王子様ですが、

 

 

 

現代小学生男児らしく、Youtube、大好きです。

 

 

本当はあまり見せたくない。これは、現代のお母さん共通の認識なのではないでしょうか。もうホント、きりがないし、自分でどんどん好きな動画にジャンプできるのも、なんか集中力なくなりそうで…

 

 

もちろん子供に大人気のヒカキン先生は好きなのですが、最近ではよくわからないゲーム実況とか見ています。

 

 

Youtuberの名前を聞いてもちっとも知らない人ばかりなのですが、息子の笑いのツボに入る方、やはり小学生に大人気みたいです。

 

こういう、

 

「子供にウケるお笑い」

 

 

というのは、古今東西、大人が眉をひそめるたぐいのものである、というのが定説になってると思います。

 

 

古くは、おそ松さん(BL六つ子の現代版ではなく、初代の)の、イヤミ。

 

 

当時の子供は、いや子供だけじゃない、日本国民、すべてが

 

イヤミの「シェー」をしていたのだそうです。

 

 

なかなか高齢母さんの私ですが、さすがに親の世代の話になります。

 

なんせ、やんごとなき方々までも捉える、その訴求力たるや、「ブンブンハローYoutube 」なんて足元にも及びません。

 

 

 

 

証拠写真

 

 

 

別に下ネタでもないし実害ないじゃん、シェー。

 

 

…と、思ったのですが、なんせいつでもどこでもシェー、シェー、ととてもうるさく、幼少期の記念写真、全部シェーで写ってて、なんだかなー、という話を聞きました。確かにウザいな。

 

 

そして私の世代だと、ギリですがドリフ。あと、ひょうきん族。

 

いずれも下ネタ満載、肛門期直撃の、尾籠なものばかりでしたので、そりゃ全国の親御さん、ありゃ嫌だったろうな。

 

 

 

 

 

お気に入りのネタ貼っておきますね。

 

 

…というワケで、子供の流行なんて、親が嫌がるものばっかりなんですよ。これはもうしょうがないことだと思います。

 

 

で、現代は、やっぱりYoutube。

 

 

息子が言うには、クラス全員、「最初はブンブンじゃんけん」できるみたいです。

 

うちの学校、比較的お上品と世間では言われていなくもない、そんな私立です。それでも、そう。

 

そんなこんなで、息子はYoutube、大好き。

 

 

もちろん時間制限はしていますが、毎日、お気に入りの動画を漁っては、一緒に踊ったり歌ったり、忙しいものです。

 

 

そして、当然の帰結として、

 

ぼく、大きくなったらYoutuberになる!

 

 

ああ〜そうなると思った〜

 

 

 

が、所詮小学三年生(バカな方)。

 

そもそも、どういった仕組みでYoutubeが運営されているかも、収益化の仕組みも、

 

 

…いや、視聴が増えるとお金がもらえる、ということすら、わかってるんだかどうか、怪しいレベルで何もわかっておらず。

 

 

「お母さん、ぼくが大きくなったらYoutuberになってね、たくさんの人に動画を見てもらうんだよ」

 

「そうかいそうかい、で、見てもらって、それでどうするの?」

 

「人気が出れば、コラボ動画とかも一緒にやってもらえるでしょ、そうすると、○○さんとか、△△さんとかにも出てもらえるでしょ」

 

「…で、それで人気が出て、それでそれがどうなるのさ」

 

「クラスでもね、○○君はぼくのチャンネル登録してくれるって言ってくれたんだよね」

 

「で、チャンネル登録が増えると、どうしていいことあるの?」

 

「今から楽しみだなあ」

 

 

全然、かみ合っていない。

 

 

一応は、カンタンな収益化の仕組みとか、そんな甘いもんじゃないよとか、いろいろ説明はしたのですが…

 

 

そもそも、「生きていくのにお金がかかる」ということ自体、よくわかってるんだか、いないんだか、そのあたりも怪しいレベルでトンチキな答えしか返ってきませんでした。

 

 

そんなアホアホ息子ですが、

 

「ねえ、お母さん、ぼく、大きくなったらYoutuberになってもいいかな」

 

「Youtubeだけでお金を稼いで生きていくのは難しいから、普通に仕事をして、趣味でやるぶんには全然構わないんじゃないかな」

 

と、言ってあります。

 

 

趣味なら全然いいよ。なんなら成人して、独立してるんなら何やってもいいよ。人様に迷惑さえかけなきゃ、好きにすりゃいいよ。

 

 

と、そう思っています。

 

が、もしこれが

 

「お母さん、ぼくは、好きなことをして生きていく。仕事は、Youtuber一本にして、会社は辞める」

 

 

 

とか言い出した場合…

 

 

 

私は、心を込めて、全力で殴り倒す

 

 

と、そう決めてもいるのです。

 

 

夢を追い続ける。

 

 

字面はカッチョいいですが、人生、そんな甘いもんじゃねえよ。

 

夢を見るのも、夢を追うのも良いことだ、と、心から思います。

 

 

が、中途半端な甘い妄想をしっかりと折ってやるのもまた、親の努め。

 

と、これまた心から思うのです。

 

 

 

 

主人、とある趣味をずっと続けています。音楽とか、釣りとか、スキーとか、レースとか、モデラーとか、そのテの趣味です。

 

 

学生時代からなかなかの腕前で、けっこう評判もよく、プロの方との交流もあったようです。

 

 

そして大学時代、とあるプロ的なところから、お誘いを受けたそうなのですが…

 

 

いやいや滅相もございません、会社員になります。

 

と、会社員になったという経緯があります。

 

 

 

当然、ある程度は腕前が無ければ誘われないでしょうし、中にはせっかくそこまでの腕があって、ごくごく普通の会社員になるなんて、もったいない!そう思われる方も多いかもしれません。

 

 

実際、当時、似たような境遇から、そのままプロ的な所へ進んだ方もいたそうなのですが、

 

現在、いわゆる普通の会社員ほど、安定した収入を得られている方は少ないようです。

 

 

 

youtuberもそうですが、音楽、芸術、エンタメといったもの、完全に実力勝負、とても厳しい世界です。そんな生易しいものではありません。

 

 

 

 

…と、言って夢を諦めさせるのは、実はとても難しいのかもしれません。

 

 

実力勝負、なら、まだいいのです。

 

本当のところは、実力勝負、ですら、ない。

 

 

 

私の友人知人にもいます。自称、プロ。

 

 

エンタメ、それだけでお金を稼いでいれば、いや稼いでなくても、自分がそう名乗れば、その瞬間に「プロ」だったりするものも多い世界です。

 

 

お笑い芸人なんて、最たる例ですよね。その瞬間、自称すれば、アナタも私もハイ、芸人。

 

 

「暇つぶし」が、アマチュア。

 

「穀潰し」が、プロ

 

 

というのは私が大好きだった某投稿系雑誌のネタですが、これ、ホントに言い得て妙だと思います。

 

 

 

しかしですね、お笑い芸人もそうですけど、歌手とか、いわゆるエンタメ関係の方、本当に「実力勝負」だと思います??

 

 

 

全然、歌うまくないのに、なぜだか人気の歌手、全然かっこ良くないのに、なぜか売れているアイドル、面白くないのに、よく見かける芸人。

 

 

どれもこれも、心当たり、ありますよね。

 

 

いやいや、あんたの好みじゃないだけで、売れてる人、どんな人でも魅力があるのではないか?

 

こんな意見もあるかと思います。

 

では見方を変えるとして、

 

とてもカワイクて、歌もチョー上手くて、大々的に売り出されたのに、結局は鳴かず飛ばず、という歌手。

 

 

これは、誰しも心当たりあるのではないでしょうか。

 

 

 

今はどんな世界もレベルが上がってきています。こんな可愛い子がどうして?と思うほどかわいい、一昔前だったら、トップアイドルでもおかしくない容姿の子がアダルト産業にいたりもします。

 

 

では、その、いわゆる「トップアイドル」、グループとかありますよね、そのグループ全員が、「AV出るとは思えないほど可愛い子」よりも、絶対的にカワイイ子でしょうか。そんな事ないはずです。

 

 

たまたまアイドルグループに入った子、AVに出ている子、エンタメ界で生きていきたい、という最初の志は同じだったかもしれません。そして紆余曲折あった末に、今の地位にいるハズです。

 

 

 

 

(AVを貶める意図はありません。当然、中にはAVという仕事に惹かれて、あえてこの世界を選んだ子もいるのでしょう。しかし、みんなが早送りするであろう、つまんねえインタビューとかで、『芸能人になりたくてこの世界に入りました。憧れは飯島愛です』とか言ってるのを見ていると、とても悲しい気持ちになったりもします。毎年、莫大な本数の出ているAVの中で、飯島愛の地位に上り詰めたのは、飯島愛だけです。天文学的確率です。いっそ最初からAKBとか狙った方が、ずっと効率よいのでは、とすら思ってしまいます。自己責任とは言いますが、情報脆弱者を狙い撃ちしているような後味の悪さを感じるのです。)

 

 

 

売れた人、現在、華やかに活躍している人、その人達には、私たちの知らない努力や、ドラマ、運の良さや運命的な出会いがあったのでしょう。

 

 

しかし、その裏にいる、夢破れたたくさんの人もまた、それなりにカワイくて、努力もしてて、何なら実力もあったはずなのです。

 

 

 

 

ええと相変わらず私の話は長いのですが、要するにどういうことを言いたいかというと、

 

 

 

 

「エンタメ芸術関係の仕事は、実力勝負ではなく、それ以外の、運とか、潮流とか、時代とか、読み切れないパラメーターが作用し合っている世界である」

 

 

 

「『生きていくために収入を得る』という、確実性が求められるのが、仕事。エンタメ芸術系にそれを選ぶのは、あまりに博打要素が強すぎるのではないか」

 

 

 

と思うワケです。

 

 

「親に反対されたけど、夢を諦めずに頑張ったら、成果が出た」

 

こんな美談が世の中にには溢れています。

 

が、美談の数の、何倍も、悲劇の物語があることを忘れてはいけないと思うのです。

 

 

 

 

うちの息子、何の取り柄もないアホアホ男子ですが、ひとつだけ、大きな得意分野があります。

 

 

それが、絵画、造詣、音楽、ダンスといったエンタメ系のものなのですが、

 

 

親の目から見ても、なかなかどうして、けっこうやるじゃん、と思うものです。

 

 

 

ママ友の皆さんからは、

 

 

「息子くんは天才だ、その道に進めないともったいない!」など、過剰なお褒めの言葉をいただいたりします。

 

 

が、この程度の天才は、ゴロゴロしているはずです。そして、たとえ実力が「天才レベル」であるとして、しかし、それがそのまま「職業」になることとは、まったくの別の問題なのです。

 

 

…と、いうような趣旨の説明をしているのですが、これがなかなか通じません。

 

 

 

 

「私はね、息子が夢を追うよ!なんて言い出したら問答無用で殴るね!」

 

ある日、そんな話をしたところ、

 

 

「子供の夢を応援しないなんて虐待だ」

「どうして自分の子供を信じてあげないのだ」

「やってみないとわからないじゃないか」

 

と、かなり、キツ目に批判されたことがあります。

 

 

「…じゃあですね、お宅の娘さんが、『私はアイドルになりたい!』って、30歳過ぎても地下アイドルやってるような、そんな風になっても、それでも応援し続けるんですか?」

 

と、聞いたところ…

 

 

 

なんと、応援するんだって!!

 

ええ〜価値観違い過ぎる〜

 

 

 

…が、ここで気づいてしまいました。

 

 

このお宅、お金持ち。不動産も多数所有しており、安定した不労収入のある方でした。

 

 

そうなんですよ、

お金さえあれば、別にいっくらでも、夢を追えばいいと思いますよ。

 

 

 

だがな息子、残念だが我が家は普通の会社員だ。

 

君も会社員を目指すのだ。

 

 

 

夢を応援するのが親の努めであると同時に、たわけた夢を折ってやるのもまた、親の努めだと思います私は。

 

 

 

 

結論:お金は大体のことを解決してくれる。

 

いいんかこの結論。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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