100年以上続いている企業は世界的にみても、それほど多くない。
しかし、日本には100年以上続いている企業が大小合わせると10万社以上もあるという。著者・野村 進氏は日本の老舗企業19社に綿密な取材を重ね、「なぜ、日本にだけ老舗企業が多いのか?」という疑問に迫る。

野村 進
千年、働いてきました―老舗企業大国ニッポン

 伝統を重んじながらも、時代の潮流を受けて変革を繰り返し、生き延びてきた日本の老舗企業。その背景には、日本人の職人を尊ぶ文化がある。


 特に印象に残った一節――「不義にして富まず」

大手企業に、製品の特許を侵害され倒産しかけても、「不義にして富まず」という家訓を守る経営者。恨みつらみをはかず、誠実に研究を重ね、老舗を立て直したという実話には、胸が熱くなる。


品格のある本物の企業は永続する。


改めて、「本当に強い企業とは何か」を考えさせられる一冊だ。