ずいぶん前の話で恐縮だが、今から2年前「よくわかるソーシャル・ネットワーキング」山崎秀夫・山田政弘(ソフトバンクパブリッシング)を読んだ。
本書はおそらく日本初の「ソーシャル・ネットワーキング」について総合的に書かれたものだと思う。
ソーシャル・ネットワーキングが日本に本格的に導入されたのが2004年。私もサービス開始早々から始めた。その後の「GREE」や「mixi」の盛況ぶりを見ると、ブログの急速な拡大に追随するコミュニケーション・ツールとしての期待が感じられる。
ところで、このソーシャル・ネットワーキングのそもそもの定義は、「ネット発の人脈作りによる新しい社交のありかた」である。
誹謗中傷が多かった匿名性の掲示板の性格を排除し、原則として他の会員からの紹介による閉じたネットの中で穏やかなコミュニティを育てる。
特に私が興味を持ったのは、ソーシャル・ネットワーキングの歴史と背景について社会学的な観点から書かれた箇所だった。
1.スタンレー・ミルグラム「六次の隔たり理論」
自分を起点として友人や知人をつなげていけば、世界中の誰とでも6人の知人を介して繋がる事ができる(自分の知人から必要な人物の知人をたどっていける)。
2.マーク・グラノベター「弱い絆の強さ理論」
社会は多くの強い絆で結合する仲間集団と、その仲間集団どうしをつなぐ弱い絆で成り立っている。新しいアイデアは外の世界(弱い絆)からもたらされる。仲間集団では発想が固定している(新鮮なアイデアは異質の世界や仲間からヒントが得られる)。
3.「ハブやコネクターの複雑系理論」
個々の参加者が自然にハブとコネクターに相当する人を中心に組織化し、コミュニティを形成する(自然に情報は集約され、「形式知」のみならず「暗黙知」を得るためにも効果的である)。
#昨日、たまたま関東経済産業局局長の高橋武秀氏の産業クラスターに関する講演を聞いたときに、この「弱い絆の強さ」について、紹介されていたので、あらためてここで書き留めておこうと思いました。
#東大の工学系研究科助教授の大澤幸生氏の「チャンス発見とその技術」の講義があまりに面白く、おもわずファンメールを送ってしまったら、ちゃんと返信がきました。>ありがとうございました。
この「チャンス発見」の件のついては、またゆっくり書こうと思います。