保守って何なのか、考えてみた。5~保守とは何か | 門前小僧、習わぬ今日を読む

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反グローバリズム、反新自由主義、反緊縮財政。
アイコン,ロゴ画面はイラストレーターtakaさんより。
takaさんの詳細情報はブログ画面にて。

その時代、その時代の必要性、社会的風潮に応じて、秩序は変化していきます。秩序は価値観によって決定されます。

 

秩序、すなわち価値観の在り様、変化の過程を制御するのが保守という概念であり、その時代、その地域における秩序・価値観を保守する、すなわち旧来の秩序(価値観)から新しい秩序(価値観)への急激な変化に対する抵抗力というのが、保守の本質であるようです。

 

秩序の急激な変化は社会に混乱をもたらします。

社会や国家を人体に喩えれば、体調を崩すようなもので、これに対抗する免疫力のような役割を、保守主義は担います。

すなわち、新しく体内に生まれた細胞(新秩序)あるいは外からやってきた細胞(外秩序)が急速に国家(社会)という体内で増殖すると、生命維持に必要な機能をも破壊しかねないので、その力を弱めながら、ゆっくりと国家(社会)という全体の細胞に取り込み、社会(国家)が健康を害さないようゆっくりと変化させていく。

 

つまり保守主義とは、

国体(国家や社会)を秩序の急激な変化による破綻から守るために働く防衛機制

ということができそうです。

 

すなわち保守主義とは、価値観が秩序として成立し、実社会に影響を与える前の段階で、批判や反感といった形で価値観の過剰な増殖を抑制し、すり合わせ、旧来の価値観に咀嚼させる役割を担います。

 

つまり、保守主義は、変化の拒絶が前提ではありません。あくまで変化を受け入れることも前提に含まれます。

 

そこにあるのは、速度の問題だけです。

 

また、保守というのは秩序のある場所や領域、すなわち人間が社会生活を営む領域には必ず存在し、日本にも、アメリカにも、中国にも、北朝鮮にも、あるいは国境に拘らないグローバリストにすら存在し、それぞれに保守という免疫能力が存在するということです。