連続小説「ハーメルン」<きっさん>
ハーメルンの笛吹き男、、、
1284年ハーメルンに「鼠狩り」をなのる色とりどりの布で作った衣装をまとった男がやって来て、報酬と引き換えに街を荒らしまわる鼠の駆除を持ち掛けた。ハーメルンの人々は男に退治の報酬を約束した。すると男は笛をとり、笛の音で鼠の群を惹きつけるとヴェーザー川におびき寄せ、鼠を残さず溺死させた。鼠退治に成功したにもかかわらず、ハーメルンの人々は約束を破り、笛吹き男への報酬を出し渋った。
怒った笛吹き男はハーメルンの街を後にしたが6月26日の朝(一説によれば昼間)に再び戻って来た。住民が教会にいる間に、笛吹き男は再び笛を鳴らし、ハーメルンの子供達を街から連れ去った。130人の少年少女が笛吹き男の後に続き、洞窟の中に誘い入れられた。そして洞窟は内側から封印され、笛吹き男も洞窟に入った子供達も二度と戻っては来なかった。物語の異説によっては、足が不自由な為、他の子供達よりも遅れた2人の子供、盲目、聾唖者(聴覚障害者)の2人の子供だけが残されたと伝えられている。
なお、ハーメルンの新門にあるラテン語の碑文には、この笛吹き男の正体はマグス(魔法使い)であったときざまれている。
この物語はただの物語ではない、、
先日、中国で子供ばかりを狙う謎の連続誘拐事件が起きている、、
誘拐をまぬがれた子供達が口々にもらしていたのは「ハーメルンの楽団がきたんだ、、、」だったそうだ、、、
この事件は未解決で時効を迎えたが、、果たして子供達の行方と子供達の言葉は何を意味していたのかは、もう知る由もない、、、
そして、、、
それは、、、
この日本でも、、、
~大阪~
夏、、、生ぬるい風と排気ガス、コンクリートから出される熱の塊はこの街に住む人々の体を弱らせ、、、街の雑音が神経をとがらせて、ひたいから落ちる汗はみるみる蒸発の一歩を辿る、、、
ここはある中学校、、、都会にある、いたって代わり映えのしない、良くも悪くもない、当たり前の中学校である、、
そして僕はこの学校の教師、、名前は「のぼる」、、
名前もありきたりだが、良くも悪くもない教師だ、、
そして物語はそんなありきたりの、、当たり前の、、中学校から始まる、、、
最近、子供達の様子がおかしい、、
まぁ、子供なんてどの時代もマトモなヤツなどいやしないのだが、、明らかに何か変だ、授業中も手紙のやり取りはザラで、うわさ話、、初めは子供のただの遊びと無視をしていたのだが、、噂の真相を確かめようと子供達に話しかけても「もうすぐわかるよ」と誰もが口をそろえて微笑むばかり、、、
いったいどういう事だ、、
みんながみんな口を閉ざし、微笑む姿はまるで操られた人形のようじゃないか、、、僕の嫌な予感がますます大きくなる中、、
ついにある事件が起こる、、、
ある日、僕はテストの採点の為、かなり遅い時間まで学校に残っていた。
宿直室もあるのだが、自分の布団でしかあまり眠れない僕は丑三つ時を確認して学校を出ようとした、、その時、ふと、窓の外を見た、、するとグラウンドに何か小さな明かりが見える。暗がりであまりよくは見えないが、明かりの数は増えていき、そこには十数人の人影も見えた。「なんだ、、アレは、、部外者が学校に入ってるのか、、」僕は改めて目を細め、よくよくグラウンドを見た。
そこには派手な衣装で身を飾り、老若男女それぞれがそれぞれに楽器らしき物を奏で、見た目は異国のチンドン屋か何かと思うような出で立ちで踊り、歌い、それはそれは満面の笑みで楽しそうなパフォーマンスをしている。「、、、サーカス団??」僕はそう呟いた瞬間、、、後頭部に激痛が走った。、、僕は後ろから誰かに殴られたのだ、、「痛!!」っと思う間のなく、僕の意識はなくなり、、、気がつけば朝を迎えていた。
僕は朝日に起こされ、後頭部の痛みもほどほどに、体を起こし、昨夜の事を思い出していた、、、。「夢、、だったのかな、、??」
記憶を辿るが、あまりちゃんとした記憶もない、、後頭部の痛みも殴られたのか、倒れて頭を打ったのか、それも定かではない、、。僕は諦めてとりあえずは家路についた。
軽くシャワーを浴び、まだまだ平日の真ん中で休む訳にもいかず、、僕は今一度、学校へと急いだ、、、。
職員室に入るやいなや、何かザワザワしている、、、。教師同士が集まって何か話している。
「教頭先生、、何かあったんですか??」僕は声をかけた。
「おー!来てたのか!君のクラスの生徒の田中君、、昨日から家に帰ってないらしい、、。お母さんから学校から帰ってきていないと今朝連絡があった、、。君は何か聞いてないかね??」
「田中が、、、??さぁ、、??」
もともと影の薄い田中は俺に何かを話すとは思えない、、どこか友達の家にでも泊まっているのだろうと、僕はあまり心配もせず、甘やかした親のから騒ぎだと、、教室にむかった、、。
しかし、、
この時の僕はこの事件の恐ろしさをまだ知らず、これが始まりだという事も、、まだ何も気にはしていなかった、、
教室に入ると子供達がニヤニヤしている、、相変わらず気持ちの悪い子供達だ、、しかし子供達のヒソヒソ話が気になる、、
「田中のヤツ行ったんだって、、」
「田中、、成功したみたいだな、、」
「羨ましいな、、田中、、」
子供達は何か知ってる、、、そしてそれは僕にも知られてはいけない事なのか、、、
放課後、僕は田中の荷物を家族に渡そうと、、そして事のいきさつを親に聞きに行こうと田中の机をあさった、、。
すると、、机の奥から小さな紙切れが出てきた。
子供達が回し読みをしている紙切れだ、、
キレイに折ってあるのですぐわかった、、。
僕はその小さく折った手紙を開けた、、
「 ハーメルン
が
くる 」
空は大きな雨雲が立ち込め、、あたりは暗くなり、雨音と共に近づく恐怖を僕は感じ始めている
続く
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