パズル 第10話 <イサオ>
茶盛「三橋 待ってくれ!落ち着いて私の話を聞いてくれ!あの時は本当に申し訳ないことをしたと今でもずっと悔やんでる。すまん…。今回私も娘を失ってお前たちの母親の気持ちが痛いほど分かったんや。」
三橋「はぁ!?今更何言ってる!5人も人が死んだ後に気付くなんて遅すぎだろ!」
茶盛「続きを聞いてくれ!今更2人に許してもらえるとは思ってない」
茶盛は覚悟を決めて話始めた。
茶盛「2人の目的は私を殺すことだ!私だけをこの場で殺して25年の復讐劇に幕を閉じてくれ!お前等にはまだまだ未来がある。お前の事を好きだった春香のためにも5件の事件の罪を償って未来に向かって生きてって欲しい!さあ私はここを動かん。煮るなり焼くなり好きにしてくれ!」
加元「チャモさん、まだ終わってませんよ。」
茶盛「…」
三橋「エッ!?兄さん “まだ”ってどーいう事だよ!?」
加元「25年前の犯人がまだ挙がってませんよね?」
茶盛「それは…」
加元「チャモさんも薄々感づいてたんでしょ!?なぜ犯人の証拠も手掛かりも1つも出てこないのかって」
茶盛「…」
加元「さっき、あなたを殺すために警察に入ったと言いましたが、1番の理由は、この手で犯人を見つけ出して、そいつをブチ殺したかったからなんですよ。」
三橋「兄さん、犯人の手掛かりを掴めたのか?」
加元「あー、まさか隠ぺい工作の末にお蔵入りになったとはね…」
茶盛「隠ぺい工作!?」
加元「そう、『あの事件』の犯人は元警視総監の息子、数雄(かずお)の犯罪だった。最初は強姦目的で女性を夜道で襲い強姦したあげくナイフで一刺し。恐怖にひきつる女性を脅し綺麗な状態でいとも簡単に殺すと言う快感を忘れられずにいた数雄は、その後次々と黒髪の若い女性をナイフで殺していった。アイツは狂っていたよ。姉さんは数雄の最後の被害者になった。それが旭区女子大生連続殺人事件ってわけ。こんなに派手な事件なら幾らでも犯人は挙がってきそうなもの。それを25年たった今でも出てこない。なぜなら犯人はその事件の後、飛び降り自殺をしているからだ。浪人生だった数雄は受験を苦に自殺したと片付けらたが、実は警察上層部により警察の不祥事を未然に隠すために消された…と言うのが事実かな。ねぇ、佐伯さん。」
茶盛「佐伯?佐伯本部長がなぜここに!?」
加元「チャモさんが倒れて病院にいる時に佐伯本部長を呼びだして、今回の連続殺人事件の真相と引き換えに、全てを明かしてくれましたよ。こっからは佐伯さんが説明して下さい!」
佐伯「そうだ。ここからは世に出ていない情報だが、数雄は若い女性を殺すだけでは物足りずに、殺した後にその女性のダイイングメッセージと思わせるメモを残していた。いわゆる卑劣な愉快犯だ。そのメモにはいくつかの数字が残っており受験生の数雄と思わせるヒントが書いてあった。そのメモから犯人は数雄と気付いた元警視総監がビルの屋上に息子を呼び出し恐らく飛び降りさせた。当初現場で職務質問された挙句に参考人として名前が挙がっていた数雄もすぐに調書から消され、証拠品も幾つか消えた。」
茶盛「…」
佐伯「数雄は事件の後、犯行現場にいつも現れた。現場のその後が気になって仕方なかったんだろう。それに目をつけて現場で数雄に職務質問した刑事が茶盛だった」
茶盛「…」
佐伯「茶盛は刑事の勘で犯人がすぐに元警視総監の息子の数雄と気付き、上層部に報告をあげた。それを口止めされたのと同時に本部に呼ばれ巡査部長に昇進した。きっとその時汚い金も一緒に握らされただろう。」
三橋「エッ!?茶盛 貴様~。犯人を分かっていながら自分の将来と引き換えにミスミス取り逃がしたのか?」
茶盛「落ち着け!話し合おうじゃないか。私はそんなつもりはなかった。どうしても上層部からの圧力には勝てなかったんだよ。2人の姉さんには悪いことをしたと思ってる、だから…だから…、」
バーーーン。
加元が拳銃の引き金を引いた。静かな夜のHEPに銃声が響きわたる。
ゲボッ 茶盛が倒れた・・・・・・。
加元「言い訳なんか聞きたくない!お前はこれで終わりだ!貴志ダイナマイトを下すんだ。」
一ノ瀬は安堵の余り腰を抜かして地面にへたり込んでいた。
ファンファンファン・・・ピーポー・・・ファンファン・・・カンカンー・・・ウーー・
ピーポーピーポー・・・カンカンカン・・・ウー・・・ファンファン・・・ピーポーピー・・
パトカー、消防車、救急車合わせて25台がHEPを取り囲み、事件の幕が閉じた。
HEP前には各署から警官が配置されていたが、銃声を聞いた大群の人だかりができていた。
野次馬の中には少年たちが天を仰いで見ていた。
きっさん「何やアレ?俺らの強盗企画よりももっとすごい事件でもあったんかな?」
おーちゃん「こんな大事な時期に巻き込まれたらやっかいやなー。皆顔隠しておけよ。」
フッチー「俺らも大きい事して1回くらいパトカーに乗ってみたいなぁ。」
イサオ「俺ら子供やから何か事件起こしてもこんな大事にはならんよな?ミッチー」
ミッチー「知らんわ。おなか減ったし、はよ帰ろ。」
おーちゃん「カ・ラ・ア・ゲ」 他4人「やっぱり!」
≪事件後しばらく経ってからのある日≫
~白木商事~
営業部長「簿木 郁夫殿、最優秀賞おめでとう!ここに表彰します。」
パチパチパチパチ
営業部長「皆さんも簿木君を見習って、アポ取りしてる案件は月末に持ち込まず前倒しで契約を取って来て下さい。はい、それでは朝礼を終わります。今週も一週間頑張りましょー!」
社内全体「頑張りましょー!!」
さぁ、今週も営業営業。まずは、クライアントからのメールのチェック…と。
しかし、あの事件は一体なんやったんやろなー…?!
結局、僕は三日間起きかけてはクロロフォルムをかがされて眠らされてたみたいだった。
今考えても謎だらけ。
あの事件は、裁判所にて
三橋は四人殺しで無期懲役に。
加元は、茶盛殺しで懲役3年 執行猶予5年の判決が下された。
俺の名前に単に漢数字が入ってるせいで、利用されただけやったんかなぁ。
後で分かった話だが、茶盛の奥さんのまさ子は加元・三橋の母親の妹だった。
茶盛が事件の手掛かりが掴めず、懺悔を込めて足しげく母親の元に通い詰め、門前払いをくらう中、声をかけてきたのがまさ子だった。そしていつしか茶盛は妹のまさ子と恋仲に落ちたのだった。
当人達は知る由もなかったが、皮肉な物で三橋と春香はいとこ同士と言う事だ。
しかし「殺してしまうくらい好きになってみたい、、、、」
僕は酔っ払って新入社員送迎会の日にそんな言葉を発してたんや。
恥ずかしいー、僕って意外とキザなんかな。
そやなー、そんな恋愛久しくしてねー。あーどっかに可愛い娘おらんかなー。
一ノ瀬に気だるさは残りつつも前の様な平穏な日々が戻って来た。
イーマイベイベー♪イーマイベイベー♪イーマイベイベー♪
会社先輩「おい、一ノ瀬何してるねん!早く来いよー。あのお店はぺっぴんさん揃いやねんから、お前もきっとテンション上がるぞー!!」
一ノ瀬「はい。すんません。すぐに日報書き上げてすぐに向かいます。」
…あーもう、付き合いでキャバクラに行かなアカンのかー。サラリーマンは辛いねー。
うん!?キャバクラ "ナンバーズ"!?
なんかどっかで聞いた事があるよーな、ないよーな。
うわー長い黒髪の超可愛い娘が隣に着いたー!
(あれ?どこかで見た事があるような・・・・!?)
会社先輩「一ノ瀬、お前めっちゃえーやんけ~、この店で人気No.1の娘やん。ついてるな~。めっちゃラッキーやで。今日、来て良かったな~。」
ありがとうございます。(へへへ ラッキー♪)
「はじめまして。ハ・ル・カです。宜しくお願いします。」
おわり