連続小説「コインロッカーベイビーブルース」<きっさん> | mony rainbow blog

連続小説「コインロッカーベイビーブルース」<きっさん>

翌日の施設校庭、、、、


いつもの5人はなぜか浮かない顔で、、、座り込んでいる、、、、



ミッチー「ε=(・д・`*)ハァ…」


きっさん「ε=(・д・`*)ハァ…」



ため息しか出ない二人に、残りの3人は少し間をあけ、座っている、、、



功「やっぱ、、、やっぱ、、、あれかな、、、?二人は、、、辛いんかな、、、兄弟って知って、、、」


おーちゃん「う~ん?やっぱ、、、辛いんちゃう、、、」


フッチー「せやな、、、ツレやと思ってたヤツが実は兄弟って、、、やっぱ、、、凹むんちゃう、、、」


功「でもなんでバレーボールやってんたろ、、、??」


フッチー「せやで!おーちゃん時は唐揚げで、、、とりあえずは食料っていう親の愛やったやん?、、、バレーボールって、、、」


おーちゃん「、、、せやけど、、、きっと何かあるんやで!二人の秘密のヒントはバレーやろ!」


功「バレーってなに??お母さんがバレーボール選手とか?」


おーちゃん「ワールドカップもあるしな、、、」


フッチー「モルテン、、、ミカサ、、、どっちやねん!!」


功「フッチー、、、それは多分関係ないで、、、」




3人の脱線もほどほどに、、、少し離れたきっさん、ミッチーは二人で話し始めた、、、、





きっさん「ミッチー、、、昨日のオヤジの言った事、、、本当やと思うか??」


ミッチー「せやな~たぶん、、、90%はホンマやろな、、、」


きっさん「昨日、あの家出る時俺ら二人あのオヤジに呼び止められたやろ、、、あの話もホンマやと思う??」


ミッチー「、、、うん、、、せやね、、、わからんけど、、、」





~昨夜~、、、、、、





主人「、、、そこの二人待ちなさい、、、」


きっさんミッチー「(メ・ん・)?」


主人「もしも、、、もしもだ、、、君たちがあの3番のボックスの赤ん坊だったとしたら、、、君たちの、、、君たちの、、、お母さんは、、、、もう、、、、」


ミッチー「!!!!」


きっさん「!!!!」


主人「じつはな、、、君たちがあのコインロッカーから救出されて、、、テレビ、ラジオ、新聞などで報道され、たくさんの人たちから応援や激励の手紙が警察にもたくさん届いたんだ、、、じつは、、、じつはその中にな、、とても奇妙な手紙が入ってたんだ、、、差出人はわからない、、、ただ内容がな、、、」


きっさん「、、、なに?」


ミッチー「何が書いてたん?」


主人「その手紙が、、、この手紙だ、、、」


主人はポケットから古い封筒を取り出した


主人「君たちが、、、もしも、、、もしも、、、真実を知りたいと言うなら、、、この手紙は君たちに譲ろう、、、」


きっさんはゆっくりとその手紙を受け取ろうとした、、、


みっちー「ちょ、、、ちょっと待ってきっさん!!」


きっさんは手を止め、ミッチーを見た、、、


ミッチーはうつむき、、、


ミッチー「、、、悪い、、、おっちゃん、、、その手紙、、、読んでくれへん?、、、俺らはココで黙って聞く、、、その手紙はおっちゃんが持っておいて、、、俺ら内容だけ聞く、、、頼む、、、読んでくれへん?」


ミッチーの言葉の意味はきっさんにも主人にも痛いほどわかった、、、人が本当の悲しみを知る時、その真実が自分に耐えられるかどうか不安にかられ、少しでもその真実に逃げ道を作り偽りであろうと思い込ませる為にとった行動だった、、、


主人「、、、わかった、、、そうしよう、、、」


きっさんも頷き、ミッチーの横に立った、、、


主人「、、、では、、、読むぞ、、、



拝啓、、、警察及び関係者の皆様、、、今回の騒動、、、大変申し訳なく思っています。私が2人を捨てた母親です。本当に本当に申し訳ございません。私は幼き頃からバレーボールを始め、ゆくゆくは全日本のエースとして将来を期待され、ここまでやってきました。キツイ練習にも耐え、生活のほとんどをバレーボールに費やしてきた人生でした。いつしかチームの専属コーチと関係を持ち、妊娠、その事がチームにバレ、解雇、職も仲間も失い、挙句の果てに心臓に悪性のガンが見つかりました。私の人生の坂道が下り坂に変わりました。医者は「その体で出産は無理です。1%も成功の確率はありません。流しましょう、、」と言うばかり。私は泣きました。泣いて泣いて、涙が枯れるまで泣きました。自分の人生を恨んでも、お腹の子供たちは大きくなるばかりでした。

私には夢がありました。全日本、、、オリンピックでの金メダル、、、、違います、自分の子供達とバレーボールをすることです。私の人生、ずっとバレーボールに費やしてきました。だから、、、だから、、、最後も自分の夢の為に死んでやろうと思いました。私は決めました。一人、単独出産です。

動けるうちに出産に必要な道具を揃え、山小屋を借り、一人出産を待ちました。片足をベットにくくりつけ、舌を噛まないようにタオルで口を縛り、子供を取り出す為のゴム手袋を付け、熱湯の準備も欠かしませんでした。

激しい痛みと気を失いそうになりながら、頭の中では医者に言われた言葉を考えていました。1%、、、1%、、、この世界に0%の確率なんてあるもんか!!命に変えても産んでみせる!!やって出来ないことなどない!!そう思わせてくれたのは、、、この子たちの泣き声でした、、、生まれた時の泣き声でした、、、。私はやりました。自ら可能性を作り出したのです。まだ死ねない!!私はベットにくくりつけた足を外し、その足で赤子2人を抱き、山を降りました。どれくらい歩いたでしょう、、、もう一歩も動けなくなり、記憶を失いかけ、そこに見えたのがコインロッカーでした、、、私は祈りました。一か八か、私が生み出した可能性に本当に意味があるのなら、、、この子達をお救い下さい。この子達に母親として何も出来ないのなら、せめて生きる矢印だけでも残してやりたい、その為に私の人生だったバレーボールを、、、、。どうか、、、どうかお願いします!親として最低な私から生まれた最高の可能性をどうぞ守ってあげて下さい、、、この子達に夢を与えてあげてください、、親として恥ずかしいですがどうぞこの子達を救ってあげてください。


もし、、私がまだ生きていたら、、、もう一度抱きしめたい、、、必ず会いに行きます、、それまで、、それまで、、、



、、、文章がここで途切れている。




きっさん、ミッチーは鼻から鼻水を出しながら泣いている。


しゅじん「どうだ、、、これが、、、お前らの、、、母さんだ」


主人も涙を浮かべている


きっさん「おっちゃん、、、お、、、お、、、オカンわ??」


主人「私も別にこの手紙をもらって何もしなかったワケじゃない、、消印から調べに調べて、ある病院からこの手紙は出されている事がわかった、、、、私はその病院に向かったよ、、、その頃はまだお母さんは生きていてね、、、リビングで見なかったかい??写真を、、、」


きっさんミッチー「!!!!!!」


主人「そう、、お前たちを抱いているのが母さんだ、、、嬉しそうに笑ってな、、、あの日は本当に幸せな一日だったよ、、、」


ミッチー「じゃあ、、、オカンわ、、、」


主人「ああ、、、奇しくもその次の日だ、、、「夢は願えば叶う」そう言って、、笑って亡くなったよ、、、」



きっさんミッチー「わああああああああああああ」



二人はひざまずき、、深夜にも関わらず、、大声で泣いた、、、


二人は、、、大声で、、、、泣いた、、、、




~施設校庭~


きっさん「あの時、、ミッチーがなぜあの手紙をもらわんかったか、、、」


ミッチー「、、、、、、」


きっさん「やっぱ、、、、やっぱ、、、そやな、、、(笑)」


ミッチー「(笑)たぶん、、、あのおっさん、、、、、、嘘やで(笑)」


きっさん「せやな(笑)、、、たぶんあの手紙白紙やで(笑)」


ミッチー「せやせや、アドリブでよ~あれだけ言えるわ~(笑)」


きっさん「ほんまやで~(笑)こっちも合わせるん必死やし(笑)」


きっさんミッチー「わはははははははははははは」


二人は笑い転げてる、、、



離れた場所の3人、、、



功「なんか笑ってるし!!」


おーちゃん「急に変わるかね!あの二人!」


フッチー「ほんま、よ~わからんわ~あのふたり!」


功、おーちゃん「フッチーが言ったらあかんわ~(笑)」



フッチー「(笑)、、、いや、、、まだ泣いてるやん、、、あの二人、、、(笑)」



フッチーには泣きながら笑うきっさんとミッチーがちゃんと見えていた、、、



きっさんミッチー「わはははははははは、、キツいわあのおっさん(笑)(涙)」




施設内

事務員「え??、、、、お母さんが、、、、ココにきてる??!!!すぐに子供達を呼んできて!!!」




つづく