パズル 第9話 <きっさん> | mony rainbow blog

パズル 第9話 <きっさん>



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オギャーオギャー


オギャーオギャー


おーよしよしいい子やねー。ねんね、ねんね、、



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オギャーオギャー


オギャーオギャー


はいはいはい。男の子は泣かないんよ。



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この恨み

晴らすまではね。







~梅田~


とりあえず梅田に出た。なぜなら僕が情報としてわかっていることは茶盛春香という女性と観覧車だけ、つまりはこのHEPの観覧車を調べるしかないわけだ、、、大阪に観覧車は数あれど、なぜHEPの観覧車にしたかというと、27日の新入社員歓迎会が梅田だったからだ。他に特に理由がある訳でもない、ただそれだけだ。

それしか頼る事柄がないのだ、、、


頼む、、、


何か与えてくれ、、、


足早に観覧車の方向に向かった。



いつもは若者達で賑わうこの場所も、なぜか今日はやたらと少ない、、、


観覧車の階まで登っては来たが、、、、誰もいない、、、、従業員ですらいない。


窓の外の空は薄暗く、昼間とは思えないくらいの暗がりで、今にも一雨きそうな感じだった。



「お待ちしてましたよ、、、、一ノ瀬さん」



止まっている観覧車の中から誰かが声をあげた。




三橋、、、、三橋だ。



あれ?でも、何か違う、、、今までの三橋ではない異常な気配を感じた。

ゆっくり観覧車をおり一歩づつ近づいてくる。



三橋「貴方なら来てくれると思ってましたよ、、、、この場所に、、、アイツ等とは違ってね」


一ノ瀬「アイツ等?」


三橋「そう、、、二階堂、、、四宮と違ってね(笑)アイツ等にも同じチャンスはやった、、、だが警察にタレコミやがった、、、、馬鹿な犬達だ、、、(笑)」


一ノ瀬「お、、、お前が、、、、全部、、、やったのか?」


三橋「はははははははははは(笑)な~に、いらなくなったらしいからね、、、殺してあげただけだよ。」


一ノ瀬「お前、、、正気か?」


三橋「二階堂の部屋には四宮の女、、四宮の部屋には二階堂の女、、、アイツ等も失う怖さわかったろ?ふん、、、大事にしなかった結末だよ(笑)お前らが望んだ通りにしてやったまでよ、、、」


一ノ瀬「お前、、、、狂っているのか?」


三橋「はははははははははは(笑)狂ってる?俺が?狂っているのはお前らだろ?(笑)お前が酔って俺に絡んできたんだよ、、、あの居酒屋でな、、、、」


一ノ瀬「!!!(新入社員歓迎会)」


三橋「殺してしまうくらい好きになってみたい、、、、ってな~(笑)」


一ノ瀬「それだけで?、、、、それだけで殺したのか?」


三橋「うるさい!(怒)それだけだあ??俺の前で、、、俺の前で、、、殺してしまうくらい好きになってみたいだと!!(怒)ふざけた事抜かすな!!殺した事もないお前に何がわかる!!」


三橋の声は誰もいないフロアーに響きわたり、、、、、その時!!




「そこまでだ!!!」



張り詰めた空気の中、2人しかいないと思ったフロアーに警察がびっしりと取り囲んできた。あまりの出来事に何が起こっているのかすらわからない、、、



茶盛「そこまでだ!三橋!お前の話は全部聞かせていただいたよ。」



大勢の警察を睨みつけ、鼻で笑う三橋、、、



三橋「ふん(笑)、、、、お前も待ってたんだよ、、、茶盛」


茶盛はすべてを理解したように数秒うつむき、そして表を向き、三橋に軽く頷いた、、、


三橋「俺はな、、、俺はこの日が来るのをずっと待ってたんだ」


茶盛「、、、25年前の事か、、、、?」


三橋「ああ、、、そうだよ、、、お前が、、お前が姉さんの捜査に出ていれば、、、こんな事には、、、」


茶盛は目をつむりうつむいた、、、


茶盛「やはり、、、あの母親の子か、、、、」


三橋「姉さんを亡くしてすぐ俺たちは生まれた、、、すでに母さんは狂っていたよ、毎日のように姉さんの話ばかりして、、、どん底の貧乏を味わい、石を投げられ、いじめられ、恨むは茶盛、姉さんの敵をとっておくれって、、、物心ついた頃にはアンタの殺意でしか生きていけなかったさ、、、茶盛、、、な~茶盛、、、最高の不幸って何かわかるかい?(笑)、、、それは誰かを殺す為に育てられる事だよ(笑)、、、アンタを殺せて死ねるなら本望だよ、、、(笑)」


三橋は体中に巻きつけたダイナマイトを警察に見せつけた。


警察が一瞬たじろぐ、、、。


三橋「アンタ連れて来いって母さんが夜な夜な出てくるんだよ(笑)あんまあの世で母さん待たせる訳にはいかないんだよ!、、、茶盛、、、一緒にいこうぜ、、、、」


三橋がライターの火を点けた、、、





「待って!!!!」




警察の群れの中から誰かが声をあげた、、、、加元だった。


加元はゆっくり三橋に近づく



三橋「来るなー!!!」



それでも加元はゆっくり三橋に歩み寄った。


胸から拳銃を取り出し銃口を茶盛に向けた、、、、。


加元「みんなも動かないで下さい、、、チャモさんも」


三橋「どうしてお前が出てくる!!お前には関係のない事だ!!」


加元「いいえ、、、ここからは私がお話します。」


突然の事で呆気に取られる茶盛、、、、


加元「私と三橋は兄弟です、、、兄弟というより二卵性の双子です。僕らが生まれる前に姉を喪いました。それ以来、母の気は狂ってしまい、そんな母に警察の不甲斐なさと頼り無さを嫌というほど教え込まれました。すべては復讐のためです。そして目的はただ一つ、、、チャモさん、、、あなたの命です、、、、。私はこの日の為、、、この復讐の為に警察に入りました。あなたに近づく為です。死ぬ思いで勉強しました。あなたを殺す為に、ただあなたを殺すだけではダメだったんです。母の遺言で「私と同じ気持ちを味あわせてから、、、」これが母の遺言でした。その為にあなたの娘を殺る計画を三橋とねりました。

はじめの事件は特別捜査本部を作らす為にわざと殺害を行いました。あなたをおびき寄せる為です。

女性だけを狙ったのもあなたに25年前の女子大生連続殺人事件を思い出させる為です。

計画は思い通りに進みました。ただ


茶盛「ただ?」


加元「三橋には大学に通う彼女がいたんです。三橋は大学院、彼女はその後輩に当たる人で、、、お互いに夢がありました、、、、、、、、、、、お互い心理学者になる夢です。」


茶盛「心理学!?」


加元「そう、、、春香さんでした。もちろん初めは知りませんでした。春香さんの事も、、、。三橋が付き合っていた事も、、、、。春香さんがチャモさんの娘さんと知った時はこの計画はおじゃんにしようと三橋に持ちかけた事もありました。しかし復讐の為に育った僕たちにはやらなければいけない出来事だったんです。これだけは譲れませんでした。この事件の実行犯はほとんどが弟の三橋です。しかし春香さんだけは、、、、春香さんだけは三橋には殺せませんでした、、、、僕が殺ったんです。弟の愛する彼女を、、、、尊敬する先輩の娘さんを、、、。

ちなみになぜ三橋が観覧車を選んだかわかりますか?ここは三橋と春香さんが初めてデートした場所です。告白して付き合った場所でもあるんです。なぜ観覧車?そう、心理学的には観覧車で告白するのが一番OKされやすいそうです。心理学上、人は生理的に興奮しているとき、たまたま居合わせた異性に魅力を感じてしまうことがあるらしい、それを学んだ三橋が春香さんを呼び出して告白した場所だからです。思い出の場所だからです。三橋は本当に春香さんを愛してたんです。」


三橋「もういい、、、もういい!!!じゃれごとは終わりだ!!茶盛!!一緒に死んでもらうぜ!!」




茶盛「すまん!!この通りだ!!許してくれ!!私が悪かった!!」


茶盛は土下座をし、ひたいを地面に押し付けた。


加元「チャ、、、チャモさん、、、、」


三橋「お、、、遅いよ、、、もう遅いよ!!失ってからじゃ遅いんだよーー!!!!」




三橋はライターをダイナマイトに近づけた、、、、、





つづく