「パズル」 第6話 <ミッチー>
やばい・・・!
どうしよう!!
警察って・・・。出て正直に話すか・・・?
いや、ただでさえ怪しまれる状況やのに、今は他人の家で死体と一緒・・・。
絶対犯人扱いされるに決まってる・・・。
「三橋さーん!いないんですかぁ?開けてください!」
ヤバイヤバイヤバイ!
あかん、テンパってきた。
落ち着け俺。
正直に出ても捕まるだけや・・・。逃げよ。そうや逃げよ!
どうやって逃げよ・・・。
・・・・ルーラ・・・・。
いやいやいや、無理無理。
部屋ん中やと天井ぶつかってどこも行かれへんねやった・・。
・・・いやいや、その前にルーラ使われへん。
あかん、テンパってる・・ドラクエ今関係ないし・・・。
・・窓・・・。そや、窓から逃げよ!
二階やしなんとか行けるはず!
「三橋さーん!警察です!開けてください!」
ガタッ!
やばい!焦って机に足ぶつけた・・
「おい!音鳴ったぞ、いてるんやろ!出てきなさい!・・・カモ、1階に回れ!あと管理人に鍵借りてこい!」
やばい、ばれてる!
僕は急いでベランダへ出て排水管づたいに1階へおりた。
階段を下りてくる若い刑事らしき男の姿が見えた。
それを尻目に急いでアパートのフェンスを上り僕は全速力で逃げ出した。
ピリリリリリ・・・
加元「はい。」
茶盛「どうや?三橋おったか?」
加元「いや、逃げられたみたいです・・・すんません。」
茶盛「くそっ・・・まぁしゃーない、とりあえず戻ってこい。管理人に鍵借りたから今から部屋入るぞ。」
加元「了解っす。すぐ戻ります。」
電話を切ると加元は足早に三橋の部屋に戻った。
茶盛「見てみ。やっぱり仏さんいてるな。本署と鑑識呼んでくれ。」
加元「了解っす。でもチャモさんの読みあたってましたね。」
~1時間前~
加元「でも実際四宮の手には害者の血がべっとりついてましたやん。気が付いたら死体が転がってたなんて都合のいい話を誰が信じれますか?」
茶盛「まぁな。四宮に犯人の可能性がないとは言うてない。ただ知能犯には見えんかっただけや。まぁそれも演技かもしれんけどな。・・・とりあえずカモ、本署に連絡して府内の京阪沿線と谷町沿線駅近辺の十代二十代の男の一人暮らしの家で苗字に漢数字の入る人物の住所リスト出すように言うてくれ、特に一と三の文字が入るやつや」
加元「え?どういうことっすか?」
茶盛「ええから、はよ連絡とれ。」
加元「あ、はい。」
そう言いながら加元は無線で大阪府警に連絡をとり、茶盛に言われたことを伝えた。
加元「さっきのどういうことっすか?苗字に漢数字・・・あ。」
茶盛「そうや、今んところ容疑者は四宮、ニカイドウ。両方苗字に漢数字がはいってるやろ。そしてあと1と2が足りてない。それに現場を見る限り一人暮らしの家でないとあの犯行は不可能や、家族暮らしの家ではあの状況にするのは難しいからな」
加元「なるほど。でも数字ってたまたまじゃ・・?」
茶盛「まぁたまたまかもしれんけどな、さっき言うた25年前の事件がどうも気になるんや。今回の事件はあの事件と似てるところがある。そしてあの事件は谷町沿線、京阪沿線でおきた事件なんや。あの事件の模倣犯なんか、それとも・・・」
加元「でも25年前の事件と関係あるなら四宮は容疑者から外れるってことっすよね?」
茶盛「まぁそれは調べてみんとなんとも言えんけどな。」
ピリリリリリ・・・
加元の携帯電話が鳴り出した。
加元「もしもし・・・うん、そうか・・・うんわかった」
電話を切った加元は茶盛の方を向き言った。
加元「チャモさん、リスト出たみたいです。今からメールで転送するそうです。」
茶盛「なかなか早かったな」
携帯を操作し、リストを開く加元。
加元「チャモさん、とりあえず一と三だけに絞ったリストが来ました。一は守口の一ノ瀬健太と枚方の一条文雄。三は野江の三橋貴志と門真の三田雄輔、あと寝屋川の三好功。以上の5名です。思ったより少ないっすね」
茶盛「まぁ漢数字の一か三が入った苗字で一人暮らしの若い男、そして京阪沿線谷町沿線やからな。そんなもんやろ。とりあえず一番近い野江内代の三橋って家から当たってみよか。」
加元「了解っす。車回します」
そういうと加元は近くに停めていた車を回し、茶盛の横につけた。
加元「チャモさんどうぞ」
茶盛「おう」
助手席のドアを開け茶盛が乗り込んだ。
加元が運転する車は野江内代の三橋宅を目指し発進した
車中・・・。
加元「ってか25年前の事件やのによう覚えてますね?」
茶盛「まぁな、あれは俺にとっては忘れられへん事件やったからな、京阪、谷町沿線の女子大生が次々に殺されていく、しかもどこの現場も殺意がない。まだ30代そこそこの俺でも異様に感じたわ。
そんなある日一人の若い母親が娘の捜索願を出したんや、でもその頃は女子大生連続殺人の犯人探しに躍起になってたオレら警察はその娘さんの捜索は後回しにしてた。
そして後でわかった事やけど、その娘さんが女子大生連続殺人の最後の被害者やった。
母親が若かったから娘も小さい子やとばっかり思ってたけど母親が17かなんかの時に生んだ娘らしくちょうど大学に入ったばっかりの18歳の娘さんやったんや。
オレらがちゃんとその捜索をしてればあるいは・・・」
加元「そうやったんですか。でもチャモさんのせいじゃないでしょ。そういう捜査方針やったんやし」
茶盛「まぁな、でもその捜索願を最初に受理した担当は俺やったんや。一応上司にも言うたけど、後回しにしろ言われてな・・・。その事件があってからは俺は小さい事件や市民の小さい悩みとかにも耳を傾ける警察官になろうと決めたんや」
遠くを見つめるような顔をして茶盛が語った。
加元「そんなことがあったんすね・・・でも今回の事件と関わりあるんかなぁ?っていうかその母親ってその後どうしてるんです?
茶盛「さぁなぁ、風の噂では赤ちゃんを抱いてる・・お、着いたぞ。ここや。行くぞ!」
加元「了解!」
・・そして現在。
茶盛「見てみ。やっぱり仏さんいてるな。本署と鑑識呼んでくれ。」
加元「了解っす。でもチャモさんの読みあたってましたね。」
茶盛「机にお茶の入ったコップが2つ。誰がおったんや・・・」
加元「ガイシャが飲んでたやつちゃいますん?」
茶盛「アホ、まだお茶はあったかい。ガイシャはどう見ても今さっき殺されたばっかりちゃうやろ。最近まで2人おったっちゅうことや・・・三橋と誰が・・・」
加元「チャモさん!こっち!メモみたいなん落ちてますよ!」
茶盛「・・・ミツハシ、イチノセ、ほんで電話番号か。一ノ瀬・・・さっきのリストにおったな。」
加元「いてました!いてました!たしか守口やったかな。チャモさんの勘すごすぎっすね!」
茶盛「・・・ん?後半のページに破った跡あるな、しかも黒い鉛筆でこすった跡も・・・茶盛・・・春香・・・観覧車・・・!?」
加元「え?それって・・・」
青ざめた顔で携帯を手にする茶盛。
焦った様子で娘の携帯に電話をかけている。
「おかけになった電話番号は電波の届かない・・・」
茶盛「くそっ!!」
そういうと茶盛は新たにどこかに電話をかけだした。
茶盛「・・・まさ子か?春香からなんか連絡あるか?・・・そうか。いや、とにかく春香と連絡取れたら俺に連絡くれ。あと春香の仲いい友達の連絡先教えてくれ。・・・うん、泊まりに行った大学の友達とか・・いや、別に大したことちゃうんや・・・大丈夫や。」
そういうと茶盛は電話を切った。
加元「チャモさん・・・大丈夫っすか・・・」
茶盛はそれに答えず先ほど聞いた春香の友達に電話をかけはじめた。
加元は今までに見たことのない焦った顔をしている茶盛を見てかける言葉も見つからずうつむいていた。
茶盛「あ、茶盛と申します。そう、春香の父の・・・」
友人「あ、どうもはじめまして。」
茶盛「つかぬことを聞くんやけど、春香と今連絡とれるかな?」
友人「いやそれがちょっと前から電話も出ないしメールも返ってこなくて連絡取れてないんですよ。何かあったんですか?」
茶盛「いや、それやったらええんや・・・あ・あと一つええかな」
友人「はい」
茶盛「春香、観覧車がどうとかそんな話とかはしてなかった?」
友人「あぁ。そういえばHEPの観覧車に誰かと行くとか言ってましたね。」
茶盛「HEP・・・誰やったか覚えてるか?あとそれいつの話や?」
友人「うーん、名前忘れてしまいました・・・思い出せそうで思い出せないです。観覧車は確か4/27に行くって言ってましたよ、そういえばその話したぐらいから連絡取れてないです。」
茶盛「そうか、ありがとう。誰といったか思い出したらすぐに連絡くれるかな?頼むで。じゃあ」
友人「あ、はい。」
電話を切ると加元は心配そうな表情で茶盛に話しかけた。
加元「チャモさん、大丈夫っすか・・?落ち着きましょ。きっと大丈夫ですって。ね?」
茶盛「・・・すまん。まぁまだ春香が巻き込まれたとは決まってないからな・・・。」
自分に言い聞かすように茶盛は答えた。
加元「とにかくここは本署と鑑識に任せて僕らどうします・・?HEP行きます?それとも一ノ瀬の家行きますか?」
茶盛「・・・い、一ノ瀬の家行くぞ。」
茶盛は一ノ瀬の家に行くと嫌なことが待ち受けていそうな予感がして一瞬迷ったが自分の心を震え立たせそう答えた。
・・・一方一ノ瀬
「はぁはぁはぁ・・・ここまで来たら大丈夫やろ・・・焦ったぁ・・・」
僕は息を切らしながら人通りのない路地に座り込んだ。
(でも、追いかけてきた刑事あんま急いでなかったような・・・本気で足遅かったんかな?それとも俺は容疑者じゃない?でも刑事は三橋やと思って追いかけてたんやろうしなぁ・・・まぁおかげで助かったけど。・・・っていうか三橋・・・俺をはめたんか・・・やっぱりあいつが犯人・・?そういえばあの時は動転してたけどあいつなんで俺が守口に住んでるって知ってたんや・・・?)
いろんなことが起こりすぎて頭の中がごちゃごちゃになっていた。
僕は自販機でジュースを買い、また路地に座り込んで状況を整理することにした。
(まず三橋・・・あいつは犯人なんか・・・僕の住んでるところを知ってたし、コンビニから帰ってこなかった・・・かなり怪しい・・・でも刑事っぽい人の話やとニカイドウってのが容疑者って言ってたな。2件の殺人と僕の家、三橋の家で4件。他にもあるんかな・・・。
・・ん?そういえばニカイドウ・・・二階堂?三橋。そして僕一ノ瀬・・・一二三?
全部数字入ってるな・・たまたまかな・・・)
イーマイベイベーイマイベイベ・・・
着信音がなり知らない番号が表示されている。
「三橋かな・・・?」
携帯を取ろうとした瞬間僕は青ざめた。
「やばい!そういえば三橋の家に僕の名前と電話番号のメモ持ってくるの忘れた!」
つづく
どうしよう!!
警察って・・・。出て正直に話すか・・・?
いや、ただでさえ怪しまれる状況やのに、今は他人の家で死体と一緒・・・。
絶対犯人扱いされるに決まってる・・・。
「三橋さーん!いないんですかぁ?開けてください!」
ヤバイヤバイヤバイ!
あかん、テンパってきた。
落ち着け俺。
正直に出ても捕まるだけや・・・。逃げよ。そうや逃げよ!
どうやって逃げよ・・・。
・・・・ルーラ・・・・。
いやいやいや、無理無理。
部屋ん中やと天井ぶつかってどこも行かれへんねやった・・。
・・・いやいや、その前にルーラ使われへん。
あかん、テンパってる・・ドラクエ今関係ないし・・・。
・・窓・・・。そや、窓から逃げよ!
二階やしなんとか行けるはず!
「三橋さーん!警察です!開けてください!」
ガタッ!
やばい!焦って机に足ぶつけた・・
「おい!音鳴ったぞ、いてるんやろ!出てきなさい!・・・カモ、1階に回れ!あと管理人に鍵借りてこい!」
やばい、ばれてる!
僕は急いでベランダへ出て排水管づたいに1階へおりた。
階段を下りてくる若い刑事らしき男の姿が見えた。
それを尻目に急いでアパートのフェンスを上り僕は全速力で逃げ出した。
ピリリリリリ・・・
加元「はい。」
茶盛「どうや?三橋おったか?」
加元「いや、逃げられたみたいです・・・すんません。」
茶盛「くそっ・・・まぁしゃーない、とりあえず戻ってこい。管理人に鍵借りたから今から部屋入るぞ。」
加元「了解っす。すぐ戻ります。」
電話を切ると加元は足早に三橋の部屋に戻った。
茶盛「見てみ。やっぱり仏さんいてるな。本署と鑑識呼んでくれ。」
加元「了解っす。でもチャモさんの読みあたってましたね。」
~1時間前~
加元「でも実際四宮の手には害者の血がべっとりついてましたやん。気が付いたら死体が転がってたなんて都合のいい話を誰が信じれますか?」
茶盛「まぁな。四宮に犯人の可能性がないとは言うてない。ただ知能犯には見えんかっただけや。まぁそれも演技かもしれんけどな。・・・とりあえずカモ、本署に連絡して府内の京阪沿線と谷町沿線駅近辺の十代二十代の男の一人暮らしの家で苗字に漢数字の入る人物の住所リスト出すように言うてくれ、特に一と三の文字が入るやつや」
加元「え?どういうことっすか?」
茶盛「ええから、はよ連絡とれ。」
加元「あ、はい。」
そう言いながら加元は無線で大阪府警に連絡をとり、茶盛に言われたことを伝えた。
加元「さっきのどういうことっすか?苗字に漢数字・・・あ。」
茶盛「そうや、今んところ容疑者は四宮、ニカイドウ。両方苗字に漢数字がはいってるやろ。そしてあと1と2が足りてない。それに現場を見る限り一人暮らしの家でないとあの犯行は不可能や、家族暮らしの家ではあの状況にするのは難しいからな」
加元「なるほど。でも数字ってたまたまじゃ・・?」
茶盛「まぁたまたまかもしれんけどな、さっき言うた25年前の事件がどうも気になるんや。今回の事件はあの事件と似てるところがある。そしてあの事件は谷町沿線、京阪沿線でおきた事件なんや。あの事件の模倣犯なんか、それとも・・・」
加元「でも25年前の事件と関係あるなら四宮は容疑者から外れるってことっすよね?」
茶盛「まぁそれは調べてみんとなんとも言えんけどな。」
ピリリリリリ・・・
加元の携帯電話が鳴り出した。
加元「もしもし・・・うん、そうか・・・うんわかった」
電話を切った加元は茶盛の方を向き言った。
加元「チャモさん、リスト出たみたいです。今からメールで転送するそうです。」
茶盛「なかなか早かったな」
携帯を操作し、リストを開く加元。
加元「チャモさん、とりあえず一と三だけに絞ったリストが来ました。一は守口の一ノ瀬健太と枚方の一条文雄。三は野江の三橋貴志と門真の三田雄輔、あと寝屋川の三好功。以上の5名です。思ったより少ないっすね」
茶盛「まぁ漢数字の一か三が入った苗字で一人暮らしの若い男、そして京阪沿線谷町沿線やからな。そんなもんやろ。とりあえず一番近い野江内代の三橋って家から当たってみよか。」
加元「了解っす。車回します」
そういうと加元は近くに停めていた車を回し、茶盛の横につけた。
加元「チャモさんどうぞ」
茶盛「おう」
助手席のドアを開け茶盛が乗り込んだ。
加元が運転する車は野江内代の三橋宅を目指し発進した
車中・・・。
加元「ってか25年前の事件やのによう覚えてますね?」
茶盛「まぁな、あれは俺にとっては忘れられへん事件やったからな、京阪、谷町沿線の女子大生が次々に殺されていく、しかもどこの現場も殺意がない。まだ30代そこそこの俺でも異様に感じたわ。
そんなある日一人の若い母親が娘の捜索願を出したんや、でもその頃は女子大生連続殺人の犯人探しに躍起になってたオレら警察はその娘さんの捜索は後回しにしてた。
そして後でわかった事やけど、その娘さんが女子大生連続殺人の最後の被害者やった。
母親が若かったから娘も小さい子やとばっかり思ってたけど母親が17かなんかの時に生んだ娘らしくちょうど大学に入ったばっかりの18歳の娘さんやったんや。
オレらがちゃんとその捜索をしてればあるいは・・・」
加元「そうやったんですか。でもチャモさんのせいじゃないでしょ。そういう捜査方針やったんやし」
茶盛「まぁな、でもその捜索願を最初に受理した担当は俺やったんや。一応上司にも言うたけど、後回しにしろ言われてな・・・。その事件があってからは俺は小さい事件や市民の小さい悩みとかにも耳を傾ける警察官になろうと決めたんや」
遠くを見つめるような顔をして茶盛が語った。
加元「そんなことがあったんすね・・・でも今回の事件と関わりあるんかなぁ?っていうかその母親ってその後どうしてるんです?
茶盛「さぁなぁ、風の噂では赤ちゃんを抱いてる・・お、着いたぞ。ここや。行くぞ!」
加元「了解!」
・・そして現在。
茶盛「見てみ。やっぱり仏さんいてるな。本署と鑑識呼んでくれ。」
加元「了解っす。でもチャモさんの読みあたってましたね。」
茶盛「机にお茶の入ったコップが2つ。誰がおったんや・・・」
加元「ガイシャが飲んでたやつちゃいますん?」
茶盛「アホ、まだお茶はあったかい。ガイシャはどう見ても今さっき殺されたばっかりちゃうやろ。最近まで2人おったっちゅうことや・・・三橋と誰が・・・」
加元「チャモさん!こっち!メモみたいなん落ちてますよ!」
茶盛「・・・ミツハシ、イチノセ、ほんで電話番号か。一ノ瀬・・・さっきのリストにおったな。」
加元「いてました!いてました!たしか守口やったかな。チャモさんの勘すごすぎっすね!」
茶盛「・・・ん?後半のページに破った跡あるな、しかも黒い鉛筆でこすった跡も・・・茶盛・・・春香・・・観覧車・・・!?」
加元「え?それって・・・」
青ざめた顔で携帯を手にする茶盛。
焦った様子で娘の携帯に電話をかけている。
「おかけになった電話番号は電波の届かない・・・」
茶盛「くそっ!!」
そういうと茶盛は新たにどこかに電話をかけだした。
茶盛「・・・まさ子か?春香からなんか連絡あるか?・・・そうか。いや、とにかく春香と連絡取れたら俺に連絡くれ。あと春香の仲いい友達の連絡先教えてくれ。・・・うん、泊まりに行った大学の友達とか・・いや、別に大したことちゃうんや・・・大丈夫や。」
そういうと茶盛は電話を切った。
加元「チャモさん・・・大丈夫っすか・・・」
茶盛はそれに答えず先ほど聞いた春香の友達に電話をかけはじめた。
加元は今までに見たことのない焦った顔をしている茶盛を見てかける言葉も見つからずうつむいていた。
茶盛「あ、茶盛と申します。そう、春香の父の・・・」
友人「あ、どうもはじめまして。」
茶盛「つかぬことを聞くんやけど、春香と今連絡とれるかな?」
友人「いやそれがちょっと前から電話も出ないしメールも返ってこなくて連絡取れてないんですよ。何かあったんですか?」
茶盛「いや、それやったらええんや・・・あ・あと一つええかな」
友人「はい」
茶盛「春香、観覧車がどうとかそんな話とかはしてなかった?」
友人「あぁ。そういえばHEPの観覧車に誰かと行くとか言ってましたね。」
茶盛「HEP・・・誰やったか覚えてるか?あとそれいつの話や?」
友人「うーん、名前忘れてしまいました・・・思い出せそうで思い出せないです。観覧車は確か4/27に行くって言ってましたよ、そういえばその話したぐらいから連絡取れてないです。」
茶盛「そうか、ありがとう。誰といったか思い出したらすぐに連絡くれるかな?頼むで。じゃあ」
友人「あ、はい。」
電話を切ると加元は心配そうな表情で茶盛に話しかけた。
加元「チャモさん、大丈夫っすか・・?落ち着きましょ。きっと大丈夫ですって。ね?」
茶盛「・・・すまん。まぁまだ春香が巻き込まれたとは決まってないからな・・・。」
自分に言い聞かすように茶盛は答えた。
加元「とにかくここは本署と鑑識に任せて僕らどうします・・?HEP行きます?それとも一ノ瀬の家行きますか?」
茶盛「・・・い、一ノ瀬の家行くぞ。」
茶盛は一ノ瀬の家に行くと嫌なことが待ち受けていそうな予感がして一瞬迷ったが自分の心を震え立たせそう答えた。
・・・一方一ノ瀬
「はぁはぁはぁ・・・ここまで来たら大丈夫やろ・・・焦ったぁ・・・」
僕は息を切らしながら人通りのない路地に座り込んだ。
(でも、追いかけてきた刑事あんま急いでなかったような・・・本気で足遅かったんかな?それとも俺は容疑者じゃない?でも刑事は三橋やと思って追いかけてたんやろうしなぁ・・・まぁおかげで助かったけど。・・・っていうか三橋・・・俺をはめたんか・・・やっぱりあいつが犯人・・?そういえばあの時は動転してたけどあいつなんで俺が守口に住んでるって知ってたんや・・・?)
いろんなことが起こりすぎて頭の中がごちゃごちゃになっていた。
僕は自販機でジュースを買い、また路地に座り込んで状況を整理することにした。
(まず三橋・・・あいつは犯人なんか・・・僕の住んでるところを知ってたし、コンビニから帰ってこなかった・・・かなり怪しい・・・でも刑事っぽい人の話やとニカイドウってのが容疑者って言ってたな。2件の殺人と僕の家、三橋の家で4件。他にもあるんかな・・・。
・・ん?そういえばニカイドウ・・・二階堂?三橋。そして僕一ノ瀬・・・一二三?
全部数字入ってるな・・たまたまかな・・・)
イーマイベイベーイマイベイベ・・・
着信音がなり知らない番号が表示されている。
「三橋かな・・・?」
携帯を取ろうとした瞬間僕は青ざめた。
「やばい!そういえば三橋の家に僕の名前と電話番号のメモ持ってくるの忘れた!」
つづく