連続小説「コインロッカーベイビーブルース」<きっさん> | mony rainbow blog

連続小説「コインロッカーベイビーブルース」<きっさん>

慌てて食堂に向かう4人、、、、



おーちゃん「何があったんや!」


ミッチー「えらい音なったで!」


フッチー「喧嘩、、、、かな?」


きっさん「とにかく、急ご!」



食堂の扉を開け、中に飛び込むとそこには功と事務所の女性、、、夕食であろう食べ物は散乱し、功は殴られたのか床に倒れこみ、女性は立ち上がり、功を怒鳴りつけてる、、、、



おばはん「あんた、、、盗みに入ったって本当かい??(怒)、、、なんでそんな事するの??(怒)、、、あんたはこの施設で楽しくやってたじゃないの??(怒)、、、何が不満なの??(怒)」



飛び込んだ4人にも容赦なく、その怒りは飛び火した、、、


おばはん「あんたらもそうよ!!(怒)、、、何が不満なの??(怒)」




言葉に詰まる4人、、、、


おばはん「食べ物にも不自由しない、、、雨風もしのげる快適な部屋もあって、、、学校にも行ける、、、これで何が不満なの、、、泥棒のような盗みをして、、、警察ざたにでもなったらどうするの??(怒)」



どうやら功は怪盗事件をおばはんに喋ってしまったらしい、、、


立ち尽くす4人を見つめ、功は立ち上がり、話し始めた、、、、



功「じゃあ、、聞くけど、、俺らはずっとココにいて、死ぬまでココにいて、何も知らされないまま、、、何も知らないまま、、、生きていくん??、、、俺らのオカンは何処で何してるん??、、、家は???、、、家族は???、、、鳥かごの鳥じゃないんやで!!」


ミッチー「せや!俺ら5人はずっとこのままやんけ!」


おーちゃん「俺らずっと考えてきたんや!俺らのオカンは?って!!」



おばはん「、、、知らない方が幸せだって時もあるの、、、、」



功「!!、、、、そんなんイヤや、、、耐えられへんわ」


きっさん「おばはんはいいかもしれんけど、、、俺らは知りたい!!」


フッチー「たとえ、それが不幸でも、、、」



立ち尽くす4人と功はこの施設が嫌いな訳ではない、、、ただどうしようもない生まれてからの謎の答えが知りたかった、、、ただそれだけだった、、、




真剣な眼差しでおばはんを見つめる5人、、、その目を見て、、、おばはんは諦めたように語り始めた、、、


おばはん「は~、、、あんたらももう、そんな事を考える歳になったか、、、わかったわよ、、、聞きたい事あるならお聞き、、、私が知ってる事は教えてあげるわよ、、、」


フッチー「俺のオカン、べっぴん??」


おばはん「知らないわよ!」


フッチーの質問の速さにみんな少し微笑んだ、、、




きっさん「じゃあ、、、まず俺たちがココへ来たときの事を教えてよ、、」


おばはんは椅子に腰を下ろし、タバコに火を点け、一服の後、話し始めた、、、


おばはん「あれは忘れもしないよ、、、当時、5人の赤子が同じ日の同じコインロッカーから発見された事は世間でも有名になったんよ、、、新聞にもニュースにもなったしね、、、。「可哀想だ」と世間ではたくさんの援助金や寄付が集められ、一時は子供のいない夫婦が「うちの養子に、、、」という声も上がった。ある意味、人気者になってたんよ、、、君たちは、、。しかし世間の熱は冷め、冷たいもので半年も立てば援助も寄付も無くなり、すべてのマスコミ、報道関係は見向きもしなくなった、、、もう半年で無かった話のようになってたんよ。 誰もが忘れさった後、、この施設に入居届けが送られてきた、、、、そう、、君たちが見たあの入学届けさね、、、ココではプライバシーのなんとかで、、、「入居」ではなく「入学」になってるんよ、、、君たちのように子供が見ても傷つかないようにね、、、」


5人は頭をかいた、、、


おばはん「ただ、、、君たちにはそんな表面的な大人の優しさは通用しないよ、、、だってそうだろう???その入学手続き書には「コインロッカー」って書いてあるんだもの、、、いくら施設を隠せてもコインロッカーの事実までは隠せないからね、、、ふん(笑)大人の甘さが余計に子供たちを傷つける結果だよ、、、そしてその翌日、、、君たちがきた、、この施設に、、、5人一緒にね、、、暑い雨の日の6月さね、、、担当の刑事さんが一人一人の特徴を伝えていったのよ、、、」



おばはんは吸い終えたタバコをもみ消し、ため息混じりに続けた、、、、


「おーちゃん、、、あんたの事もね、、、」


うつむいて聞いていたおーちゃんがびっくりして顔を上げた、、、


おばはん「おーちゃん、、、あんた唐揚げ好きだろ???」


おーちゃん「、、、、うん」 戸惑うように返事をした、、、


おばはん「なぜ好きだかわかるかい?、、それはね、、、、、あんただけね、、、、、、じつは5人の中で一番長くコインロッカーの中で生きていたんよ、、、、、、ハッキリした事はわからないけど、、、たぶんみんなより1週間近く前にね、、、コインロッカーに入れられたのよ、、、」



驚きで声が出ないおーちゃん、、、



おばはん「そりゃ、、、見つかった時はもう虫の息でね~、、、あと1時間でも遅れてたら間違いなく、、、死んでたわよ、、、この子に関しては奇跡だって、、、警察も驚いてた、、、」



功「じゃ、、、なぜ、、、生きてたん??1週間も長く、、、、??」


おばはんはまたタバコに火を点けた、、、


おばはん「そうなのよ!、、、功ちゃん!、、、頭いい子ね~!!」


功は照れた、、、


おばはん「そう、、、なぜ、、、おーちゃんが1週間も長くみんなより生きてこれたか、、、、そう、、、、もうわかるわね、、、唐揚げよ。、、、あんたと一緒に発見されたのは食べ残しの唐揚げさね、、、あんたはあの暗く、狭いコインロッカーの中で、生まれながらにして食べる事の出来ないはずの唐揚げを口に入れてでも生きようとしたんだよ、、、普通はありえないよ、、、ありえないさね、、、ただあんたが生きてるって事はそのありえない事がありえたんだろうね、、、奇跡だね、、、君に関してはほんと奇跡だよ、、、。あんたを捨てたかーちゃんに何があったかは知らない、、、でもあんたを捨てる時、、、あんたのかーちゃんが残した最後の愛情、、、それが唐揚げさね、、、、。あんたが生きる最後の希望、、、それがかーちゃんの唐揚げだったんだよ、、、。」


おーちゃんの目から一滴の涙が溢れた、、、、


ミッチー「じゃあ、、、おーちゃんの記憶の味、、、って???」


おばはん「かーちゃんの唐揚げさね」


フッチー「学食ではなく、、、???」


おばはん「かーちゃんの味だよ」


きっさん「記憶は、、、間違いでは、、、なかったんだ、、、、!!!!!」


おばはん「警察も言ってたよ、、、コインロッカーを開けた時、少なくともこの子(おーちゃん)に関しては親の愛情を感じたって、、、どんな理由があろうと子を捨てる親はバカだけど、、、こんなに親の痛みを感じる捨て方は他にないって、、、、今、あんたは親を恨んでるだろうけど、、、少しでも生かそうとした親の愛(味)、、、忘れるんじゃないよ!」





おーちゃん「わああああああああんんん、、、、、」


おーちゃんは大声で泣き崩れた、、、、



おばはん「まったく、、、、(涙)ありえない生命力だよ、、、あんたは(涙)」


ミッチー、フッチー、きっさん、功「ばんざーい!!ばんざーい!!よーしなんか見えてきたぞー!!」



はしゃぐ4人、、



っとはうらはらに、、、謎が解けたと共に迫り来る闇とは、、、、




つづく