メンズ小説「Green sword ~子孫繁栄伝説~」最終話<みっちゃん>
時は戻って現在。屋形島。
「なんとか着いたな。」島にそびえる龍王山を見上げながらキサが言った。
「懐かしいなー、戦争の影響でだいぶ廃墟っぽくなってるけど・・」メグは周りを見渡した。
「とにかく龍王山の祠目指すしかないな」
オーチャがそう言うとホワイトブースの一同は龍王山を登り始めた。
涼しい海風を感じながら登る一行。
龍王山はそれほど高くない山。
しばらくすると頂上の祠に着いた。
「祠ってあれじゃね?」
フチが指を指しながら言う。
「ほんまや!あれっぽい!」
それに反応するユキ。
祠に向かって歩き出す。いつの間にかみんな自然と駆け足になる。
「これかぁー、なんかボロいなぁー」飲酒後に登山をしてすでに千鳥足のトンが言った。
カメは祠をまじまじと見ながら「コケとかいっぱい生えてるしー」と言い放った。
「こっからが問題だな・・グリーンソードを使うにはどうしたらいいんだ・・・」キサの話にリミが反応する。
「メグかミッチーなんか心当たりある?」
その声にミッチーが「うーん・・・あ!そういえば・・・」
そしてメグも「あ!私も思いついたことある!もしかしてグリーンソードって龍神剣のことかも!」
続きを話そうとしたその瞬間
「そこまでだ」
キサを始め、数人の後頭部に冷たい感触が走った。
銃口だ。
数人が振り返るとそこにはイーマイと数人の手下らしき者の姿があった。
「あれれれれ??なんかビビっちゃってる??ベイベー」
「なんでお前が生きてんねん!死んだはずやろ!」イーマイを睨みつけながらオーチャが言った。
「やっぱそれ?そこ?そうなるよねー笑 知りたい?知っちゃいたい?ベイベー」
挑発するような腹立たしい態度でイーマイが話し続ける。
「まぁ1回死んじゃったけどねー。でもオレらの技術ハンパないベイベー。シーロキアの力で蘇っちゃったベイベー!」
「まじで・・?生き返るとか、、あり?」
イサオの驚きを隠せない発言にイーマイが答える。
「おーおーイサオー!キンコーンキンコーン!」
「っていうかなんでここに・・・?」メグも不思議そうな表情だ。
「やっぱそこも気になっちゃうよねー笑 バカな君たちに全部話してあげようか?」
「ええから早よ説明しろや!」オーチャが怒りを抑えきれない感じでイーマイに噛み付く。
「あ?怒った?怒っちゃった?でも君ら銃突きつけられてるよね?考えて発言してね笑」
みんな言葉が出ない。
驚いたような、悲しいような、悔しいようなそんな表情を浮かべた。
「あ、テンション下がってきちゃった?メンゴメンゴ。じゃあ愚かな君たちに説明してあげちゃうベイベー」
陽気な口調で話だすイーマイ。
「NAZAに誰もいてなかったでしょ?君たちチャンスって思っちゃったでしょ?ウケルー!余裕で話全部聞いてましたー!俺らは君らと違って頭いいんでねー。NAZAには盗聴器や監視カメラバッチリセッティング!君らの情報筒抜けー!ってことだぜベイベー!」
「何やと・・!」
全員驚いた表情でうつむく。もはやこれまで・・・そういう顔になっていた。
それを尻目にイーマイがおもむろに通信器を取り出した。
「総帥、無事祠を発見しました。そして地球人も捕らえました!どうしますか?殺しちゃっていいっっすか?」
「よくやった、イーマイ。今私もそちらへ向かっている。地球人はグリーンソードの情報を持っているかもしれん。まだ殺すな。」
「承知いたしました!」
そう言うとイーマイは通信器をしまい、口を開いた。
「助かったなぁー君たち 笑 まぁ時間の問題ですけどねー。特にミッチー。お前まず最初に殺すから」
不敵な笑を浮かべるイーマイ。歯を食いしばるように悔しい表情をするミッチー。
イーマイたちは全員の武器になるものを取り上げリョターの到着を待った。
全員静まり返り、波の音だけが聞こえていた。
何もできず、何も解決策が出ないまま時間だけが過ぎ、空から大きなエンジン音が聞こえてきた。
リョターの乗る宇宙船だ。
しばらくしてリョターが降りてきた。
「よくやったイーマイ。そして・・・地球人の諸君久しぶりだな」
そう発言するリョターを睨みつけるホワイトブース一同。
「イーマイ。祠とグリーンソードのことは何かわかったか?」
「いや・・今のところ・・・ただ、ミッチーとその女が何か知っているようです」
「やはりそうか。お前たち、何か知っているのだな?グリーンソードについて洗いざらい話せ。そうすれば命は助けてやる」
メグの前に仁王立ちして話すリョター。
「どういう計画でどういう願いを叶えるつもりか知らんが、俺の記憶が正しければオレらを全員殺したらグリーンソードは使えなくなるぞ。」
そう発言したミッチーに顔を向けリョターが答える。
「どういうことだ?」
「この島に眠るグリーンソード、俺たちこの島の住人は龍神の剣って呼んでた。この島には龍神の剣を守る守り人がいる。その末裔が俺やメグ。守り人が死んでいなくなると龍神の剣は力を発揮できなくなる。そういうことだ。」
「ほう・・・ではどちらにしても殺すわけにはいかないと、そういうことだな?」
「そうだ。嘘だと思うなら祠にある石版を読めばいい。ちゃんと記してある。」
ミッチーの言葉にリョターがイーマイに指示を出す。
「イーマイ。確認しろ。」
「承知しました」そう言うとイーマイは祠にある石版の元へいった。
「総帥、どうやらその話は嘘ではないようです。守り人が全て消える時、龍神の剣は力をなくす、と記されています・・」
「そうか・・・では考えを変えよう。グリーンソードの在処と使い方を教えなければ守り人以外の君たちの仲間を順番に殺していく。どうだ?」
不敵な笑を浮かべながらリョターが話した。
「そんなこと絶対許さんよ!誰か一人でも殺した時点で私は舌をかみきって死ぬ!そのぐらいの覚悟はあるけん!」
「俺も同じだ。そんな脅しは通じないぞ。」メグの発言に賛同するようにミッチーも言い放った。
そしてキサも口を開く。
「だいたいお前の願いは何なんだ!?どんな願い事を叶えるつもりなんだ?」
「話が進まんな・・・私の願いか?もちろんこの宇宙の支配者となることだ」
勝ち誇ったような顔でリョターが言い放った。
「なんてベタな・・・」全員が思った。
リョターの言葉にメグが口を開いた。
「そんな私利私欲にまみれた願いなんか叶えてもいいことなんてないよ・・」
「お前らのような愚かな地球人にはわからんのだろう。私は宇宙の全てを手に入れてその頂点に君臨するのだ。」
自慢気に話すリョター。
みんな怒りにもにた感情をリョターに向けていた。
「しかし、こう話が進まんのでは意味がない。まず一人殺してみるか。」
リョターの発言にかぶせるようにメグが答える。
「やめて!本当に私たちも舌をかみって死ぬよ!」
苦い表情をしながらリョターが更に続けた。
「・・・膠着状態だな。ではお前たちはどうしてほしいんだ?」
「そんなもんグリーンソードを俺らが使うことに決まってるやろ!」
オーチャが憤りにも似た口調で答える。
「貴様はバカか?グリーンソードは一度使うと数年、いや数百年は使えない可能性もあるというぐらい調べはついている。お前らなどに渡すものか!」
イラついた表情でリョターが返した。
また、全員が静まり返る。海風が通り過ぎ木々の葉が優しい音を立てて揺れている。
イーマイは存在感をなくしている。
沈黙を破るようにミッチーが話し出す。
「わかった・・・。俺たちはグリーンソードを諦めてお前に渡す。その代わりこの地球から出ていってもう俺たちの前には現れないでくれ!これでどうだ?」
ホワイトブースのメンバーが驚いた顔でミッチーの方を向く。
「ちょ・・諦めるって・・・!」オーチャの反論を遮るようにミッチーが続ける。
「オーチャ、みんな、勝手に決めてごめん。でも、もうらちがあかないしグリーンソードは諦めよう。地球を取り戻すだけで我慢しよ。」
その言葉にリョターが不敵な笑みをこぼして答える。
「いいだろう。その条件でいこうじゃないか。」
リョターの発言に焦った表情でイサオがミッチーに話しかけた。
「でも、そんな条件やと願い事叶えた後に俺らを殺す気かも」
イサオを一瞬見てミッチーが返事をした。
「それは大丈夫だと思う、願い事を叶えるには自分の生まれた地で剣をもって呪文と願い事言わないといけない。自分の星に帰って宇宙征服の願い事叶えた後にわざわざ俺たちを殺しにくる必要はないだろう。宇宙を支配しているヤツには無意味なことだし、今滅びかけたこの地球にとどまって開拓する人間が残っているのもメリットでもあると思うし。」
「そうなんや・・・でも私たちも地球は取り戻せても支配されるってこと?どうなんの?奴隷とか嫌やぁ・・・」今度は不安そうなトンがミッチーへ質問を投げかける。
「それはわからない。今までどおりの生活ができるのか・・でも自分の支配下の地球が豊かになるのはメリット大きいと思うからそこまで変なことにはならないと思うけど・・・」
地球人のやり取りをみているリョターがしびれを切らしたのか話し出した。
「どうした?何をもめている?安心しろ。宇宙征服さえ叶えばお前らなどに興味はない。」
ホワイトブースの面々が見つめ合う。そして全員が何かを決意したような表情をしてお互いうなづいた。
そして、艦長のキサが口を開いた。「わかった。その条件でいこう。このまま地球を乗っ取られているのもこちらとしては不服だし、グリーンソードは惜しいが、地球を取り戻して平穏な生活を送ることを選ぶ!」
しめた、というような表情のリョター。
「よし、決まりだ。ではグリーンソードの有りかを教えてもらおう。」
その声に反応するようにミッチーが立ち上がり祠の前で足をとめた。
「メグ、おいで」
メグはうなづいてミッチーの元へかけよった。
「みんなちょっと離れて」
ミッチーの声でみんな2、3歩後ろに下がった。そして興味深そうに全員が二人を見守った。
「メグ、俺のネックレスにメグのを重ね合わせて。」
そういうとミッチーはネックレスを差し出した。
メグもそれに応えるようにネックレスを差し出し、ミッチーのネックレスに重ね合わせた。
お互いのネックレスの凸凹がちょうど重なりあったその時、ミッチーがメグに小さな声で言った。
「メグのおばあちゃんが言ってた呪文を一緒に言おう」
メグは黙ってうなづき、ミッチーと顔を合わせて、二人は同時に口を開いた。
「リテラトバリタウルスアリアロスバルネトリール」
その言葉を放った瞬間、重ね合わせたネックレスから眩しいほどの光が放たれた。
ゴゴゴゴゴゴゴゴーーー
光と共に地響きがし、祠の前の石版が動いて穴が現れ、その中から緑色に輝く剣が現れた。
「まじか・・・すげー・・・」
その場にいたみんなが驚きの表情で見守っていた。
「ついに見つけたぞ!」
そう言うとリョターはグリーンソードに近づき一気に引き抜いた。
輝きを放ち続けるグリーンソード。美しくもあり、妖しくもあった。
剣を握ったリョターは早く使い方を知りたいのかメグとミッチーに「先ほど生まれた地で呪文と願い事を言わなければならんとか言っておったな。その呪文を教えるんだ」と言い放った。
「わかった・・・。教える。でもその前に、グリーンソードは何でも願い事が叶う、でも使わない方が私はいいと思う。これは私からの忠告よ。それでも使うつもり?」メグが諭すように答える。
「何を言っておるのだ?負け惜しみか?私は宇宙を征服し頂点に立つのだ!さぁ早く教えるんだ!」
リョターの傲慢な態度に呆れたような悲しいような表情でメグが答える。
「わかった。まず自分の生まれた地で剣を天にかざすの。・・・そして呪文を言う。その呪文は・・『バルス』」
「ふ・・ふ・・・ふっふっふっふ・・・はっはっはっは!これで宇宙は私のものだ!地球人の諸君、感謝する、せいぜい私の支配下の星で頑張りたまえ!はっはっはっは!」
高笑いをするリョター。
それとは対照的に悔しさを滲ませるキサや他のメンバー。
「やりましたね!とうとう!いつまでもついていきます!ベイベー!!」
ゴマをするイーマイにリョターはまんざらでもない顔をした。
「全員船に乗り込め、惑星モンテローザへ凱旋帰還だ!」
リョターの声に部下が大きな声で「承知しました!」と叫んだ。
リョターやイーマイを含め、シーロキアの軍人たちがぞくぞくと宇宙船に乗り込み、地球を後にした。リョターの帰還命令から時間にして数分の出来事だった。
だんだん小さくなるシーロキアの宇宙船を見上げながらキサが口を開いた。
「・・・案外うまくいったな」
その声に微笑むメンバー。
「ここまで筋書き通りにいくとは思わなかったけどね」笑顔のフチ。
「私はちゃんと忠告したけんね。グリーンソード使うか使わないかはリョター次第。」メグは宇宙船を眺めながら言った。
それを見てオーチャが「俺はあいつは使うと思うで。破滅の呪文とは知らずに」と言いながら呆れたような笑顔を見せた。
そして、その数時間後、惑星モンテローザでリョターの「バルス」の声が響き、惑星モンテローザは塵となって消え、グリーンソードはどこかへ飛んでいった。
・・・・数時間前のホワイトブース内
「そろそろNAZAの上空だけど、なんかおかしい・・」不安そうなサチの言葉にキサが
「どうした?」と反応する。
「ガチガチの警備体制と思ってたのに、全然誰もいないみたい」
「本当か?どういうことだ・・?」
考え込むキサ。
「なんか怪しいなぁ~」そうリミが言った直後にイサオも賛同するように
「俺もさすがに怪しいと思う」と意見を述べた。
リミ(イサオと意見が合ったぁ!愛?愛の力?)
「完全におかしいよな。でもNAZAにいかんとグリーンソードのことわからんしなぁ。」そのオーチャの言葉にメグが控えめに答える。
「あのさぁ、グリーンソードのことだけど・・・元々惑星オークラにあるって言ってたから気づかなかったけど、オークラが地球ってことで一つ気になることがあるんだけど・・」
それを聞いたカメが興味深げにメグに問いただす。
「え?何なに?何か心当たりあるん?」
目を輝かせるカメに自信なさげにメグが「あくまで迷信やねんけど、私とミッチーの故郷の屋形島に龍神剣っていう剣があって、それで願い事が叶うっていう話を聞いたことがあるんよ・・・」と答えた。
「まじで?」同じく聞いていたトンも興味を示した。
メグの話を聞いて少し考えた様子でユキが「でも龍神剣って全然名前違うしなぁ・・・どうなんやろ?」と疑問を投げかけた。
遮るようにミッチーがが話し出す。
「いや、案外当たってるかも・・・メグ昔俺が島を出る時、変なおっさんが島に来て龍王山調べてたの覚えてる?」
その問いかけにメグは「そういえばそんなことあったね」
「それで気になって、俺あの後龍王山とか祠の事調べたんだけど、元々あの龍王山の祠は龍神剣を守るためのものだったみたい。もちろん俺はちょっと地元の歴史を調べるぐらいの気持ちだったんだけど。」
「それ、もしかしたら重要じゃない?詳しく聞きたい。」フチも興味津々だ。
「うん、多分9割龍神剣がグリーンソードだと思う。今もいくつか古文書持ってるから部屋から取ってくる。」そういって自室に古文書を取りに行くミッチー。
しばらくして帰ってくると古文書を広げ説明を始めた。
「古文書とかによると、大昔、龍王山の空から翡翠色に光る刀剣が落ちてきたらしい。龍王山には元々龍神様が住んでるって言い伝えがあったから地元の人は龍神様の落とした剣って事で龍神剣って呼んでいた。
そしてそれを大切にしようってことで島の人たちは祠を作って奉ることにした。
病気の人は祠の前で拝むと病気が治ったり、雨が降らない年もみんなで拝むと豊作になったりってことでかなりありがたく思って奉ってたみたい。でも私利私欲の為に使う者もいて、そういう輩は、願いは叶っても結局悲惨な運命が待ってたりして、龍神剣は稀に魔剣とも呼ばれるようになった。
で、その剣にむやみに願い事を頼まないようにするため、陰陽師とかみたいなもんだと思うけど、島にいた不思議な力を使える人に龍神剣を封印する銀でできた小さい板状の鍵を作ってもらった。
そして島の住人の一部が守り人となってその銀の鍵を保管した。
でも願いが叶うっていう龍神剣の噂は時間とともに広がって、各地の権力者や野心家が次々に龍神剣で願いを叶えようとした。」
ミッチーの説明を聞き、何かを思い出したようにメグも話し出した。
「そういえばおばあちゃんにそういう話聞いたことある。迷信だと思ってたけど・・・国内だけでなく世界から有名な人が龍神剣求めてやってきて願いは叶えたけど悲惨な運命たどった。ナポレオンや織田信長も龍神剣を使ったって言ってた。」
そのメグの話を聞いたリミが付け加える。
「ナポレオン、フランス革命後の混乱を収拾して軍事独裁政権を樹立し、イギリスを除くヨーロッパの大半を勢力下に置いて皇帝にまでなった。しかし1808年のスペイン独立戦争を皮切りにロシア戦役などでかなりのダメージを受け、復活を望んだワーテルローの戦いで完敗し、大西洋の孤島に幽閉された。織田信長っていえば桶狭間の戦いで多勢に無勢で勝利したり比叡山焼き討ちとか長篠の戦いでの武田軍への勝利。伝説的にはなってるけどグリーンソードの力・・信長も天下統一寸前までいったものの1582年本能寺の変で無念の死をとげる。確かに大きい願いはかなってるけど悲惨な結末やね。」
「リミ・・・めっちゃ知ってるやん・・・すご・・・」カメが驚いた表情で言った。他のメンバーも驚きを隠せない。
「え?すごい?リミ賢いやろ?ほめてほめて!」
いつもの調子のリミにフチが「いや、今のはマジで賢いわ」と静かに言い放った。
改めてミッチーが話し出す。「俺の調べでも織田信長とかナポレオンの名前も出てたから結構信憑性高いと思う。多分翡翠色の龍神剣を見た外国人がグリーンソードって呼ぶようになったんだろうね。」
キサ「でグリーンソードの使い方は?わかってるの?」
ミッチー「うん、多分やけど、守り人の銀の鍵を合わせて呪文を唱えると龍神剣が現れる。そして龍神剣を持って願いを言うと叶う。ただし、自分の生まれた地でやらないと願いは叶わないみたいで、更に願いを叶えたら1年以内に祠に戻す必要があるみたい。」
ユキ「で、その呪文と鍵って?」
ミッチー「鍵は俺とメグが持ってるネックレストップがそれやと思う。二人とも家で代々継がれたものって聞いてるし、俺らの家の座敷には守護人って書いた御札みたいなものが貼ってあった記憶があるし。でも呪文はわからない」
「あの御札ってそんな意味あったんだ。呪文かどうかはわからんけど、おばあちゃんから聞いた言葉があるよ。」
そこでメグは救いの呪文と、破滅の呪文をみんなに教えた。
イサオ「こんだけわかったらさっさとグリーンソードで地球復活させたらええんちゃうん?」
メグ「・・・」
ミッチー「・・・」
トン「どうなんやろ・・・悲惨な運命とかもあるし・・・」
メグ「私は使わない方がいいと思う・・・おばあちゃんも使ってはいけないものって言ってたし・・・」
サチ「そうね・・使うのは簡単だけど、何か違うような気もする・・・」
ミッチー「龍王山にある厳島神社の昔の神主が書いた興味深い古文書があるんだけど、今読むね。
龍神の剣は神の剣でもあり、魔物の剣でもあり
全ての願いが叶う龍神の剣
しかし使うことなかれ
龍神様の力で叶えた願いは所詮龍神の力
真に願いを叶えたくば汝、自らの力で願いを叶えよ
厳島神社 神主 小津栗衛門」
フチ「ちょ・・・その名前」
カメ「コヅクリハチ・・・コヅクリンってまさかそこから・・・・?」
ミッチー「うん、龍神剣がグリーンソードならkozukurinの方法ってのはこの神主の言葉ってことだと思う。」
キサ「自分の力で叶える・・・か・・・」
イサオ「俺思うんやけどさぁ・・」
ユキ「今大事な話してるから黙って」
イサオ「え・・はい・・」
メグ「戦争で死んだ親とか友達生き返らせて、元の地球に戻したいのは私もそうだし、みんなもそうだと思う。・・・でも死んだ人を生き返らせたり、地球を元に戻したり、自然の摂理に逆らうような事をしてはいけない気がする・・・そのkozukurinの方法って、自分の力でって書いてあったけど、自分たちで開拓して、畑を耕したり助け合ったりして住みよい地球を作っていけってことなんじゃないかなぁ・・・グリーンソードの力で簡単に復活させてもそのありがたみとかわからなくて結局元の地球のように戦争とかが起こってしまうってことじゃない?自分たちの努力や助け合いでがんばったらありがたみもわかって地球や人や生き物を大事にして生きていけるっていうか・・・そういうことを子供や孫に伝えて生きていくような事をしなさいって言われてる気がする・・・」
オーチャ「そうやなぁ・・俺もなんかそのほうがいいような気がする。グリーンソード使わんでもシーロキアが放射能は除染してくれてるみたいやし」
メグの話にみんな納得した表情を浮かべ、みんなの心が一つに決まったような空気が流れた。
キサ「ただ問題は、グリーンソードを使ったりせずシロキーアに占領されてる地球をどうやって取り戻すかだな。しかもリョターやイーマイの存在もある。」
トン「NAZAを見張ってないのも気になるしなぁ」
キサ「とにかく奴らの行動を把握したいな・・フチレーダー使って何かわかったりするかな?一度やってみてくれ」
フチ「ラジャー」
そういうとフチはホワイトブースのレーダー探知制御盤を触り出した。
フチ「お、レーダー反応あり!人はいないものの監視カメラや盗聴器のようなものが作動してる模様。」
キサ「でかした!」
カメ「どういうことやろ?人件費かかるから機械まかせにしてるんかな?」
サチ「いや、多分私たちを罠にはめようとしてたんじゃない?」
オーチャ「そうか!あいつら前kozukurinの話してたし、あいつらもグリーンソード求めて地球にたどり着いたんか。ってことはあいつらが地球を核戦争に追いやったのも移住っていうよりグリーンソード目当てやったってことか・・・。
あいつら地球を占領したはいいけどまだグリーンソードは見つかってない。そこにグリーンソードのある星に住んでた俺らが現れたから何か情報を引き出す為に警備を手薄にして監視カメラで情報を得ようと・・・。」
ユキ「それ正解っぽいね。危うく泳がされて情報漏らすとこだったね。」
キサ「そうか・・・」そういうと艦長のキサは少しうつむいて考えた。
キサ「今思いついたんだが、逆にあいつらの作戦に乗ってみないか?さも普通にグリーンソードを探してるフリをしてNAZAに乗り込む。で実際あいつらと対面したらグリーンソードと引き換えに地球を返す要求を飲ませる。」
オーチャ「え?グリーンソード渡すの?そしたらあいつらどんな願い事するかわからんで?」
メグ「そこで破滅の呪文ってことか!」
キサ「そう!」
・・・こうやってホワイトブースの面々はNAZAで泳がされている演技をし、リョターを作戦通り地球から追い出した。
それから数年後・・・。地球には畑を耕したり、魚をとったり、仲良く暮らすホワイトブースのメンバーの姿があった。
ミッチーとメグの間には子供が生まれ初めて言った言葉は「バルス」という強者、イサオとリミの間には黒人が生まれた。
もちろんキサとトンの間にも子供が生まれた。8人も。
オーチャは住人のいない中津市でからあげ屋を開店、サチとは今も付き合っているがサチは呆れ気味だ。フチは念願の「2人に同時に愛されその2人も仲が悪くならず一緒に3人で同棲できる機」を開発しユキとカメと3人で暮らしている。
平凡だが幸せな暮らしを送っていた。その後の地球が繁栄していったのは言うまでもない。
そして、時を同じくしてある惑星・・・
フカヤーマ「前まで連載してたメグのブログ更新がここ数年ないからさみしいなぁ・・・」
サン・ヨシーダ「何それ?メグってだれなん?」
フカヤーマ「それがよく分かってなくて、噂ではこの星からの発信じゃなくて衛生から届いたブログとか・・・」
キタガーワ「はぁ?宇宙人が書いたってこと?お前は矢追純一か。で、どんな話が載ってたん?」
フカヤーマ「なんかグリーンソードっていう願いが叶う剣を求めて地球って星の仲間が宇宙船で旅する内容。やたら自室でエロいことしてるばっかりやったけど 笑」
サン・ヨシーダ「なんやそれ 笑 あ、剣で思い出したけど、何年か前にセキメ共和国に落ちてきた未確認飛行物体って剣の形した緑色の物体やったらしいで、昨日ニュースでやってた」
フカヤーマ「グリーンソードやったりして笑 ってか最近ニュースも物騒なん多いよなぁ」
そう話す3人の部屋のテレビにはニュースが流れていた。
テレビ「・・・最新のニュースです。ここ数年西側諸国で拡大している核戦争ですが、昨日、更に4ヶ国が加わり核戦争が更に拡大しております。キョウバシ合衆国を始め各国の首脳陣が集まり放射能の分散や核戦争につい明日会談が行われる模様です・・・」
~完~
「なんとか着いたな。」島にそびえる龍王山を見上げながらキサが言った。
「懐かしいなー、戦争の影響でだいぶ廃墟っぽくなってるけど・・」メグは周りを見渡した。
「とにかく龍王山の祠目指すしかないな」
オーチャがそう言うとホワイトブースの一同は龍王山を登り始めた。
涼しい海風を感じながら登る一行。
龍王山はそれほど高くない山。
しばらくすると頂上の祠に着いた。
「祠ってあれじゃね?」
フチが指を指しながら言う。
「ほんまや!あれっぽい!」
それに反応するユキ。
祠に向かって歩き出す。いつの間にかみんな自然と駆け足になる。
「これかぁー、なんかボロいなぁー」飲酒後に登山をしてすでに千鳥足のトンが言った。
カメは祠をまじまじと見ながら「コケとかいっぱい生えてるしー」と言い放った。
「こっからが問題だな・・グリーンソードを使うにはどうしたらいいんだ・・・」キサの話にリミが反応する。
「メグかミッチーなんか心当たりある?」
その声にミッチーが「うーん・・・あ!そういえば・・・」
そしてメグも「あ!私も思いついたことある!もしかしてグリーンソードって龍神剣のことかも!」
続きを話そうとしたその瞬間
「そこまでだ」
キサを始め、数人の後頭部に冷たい感触が走った。
銃口だ。
数人が振り返るとそこにはイーマイと数人の手下らしき者の姿があった。
「あれれれれ??なんかビビっちゃってる??ベイベー」
「なんでお前が生きてんねん!死んだはずやろ!」イーマイを睨みつけながらオーチャが言った。
「やっぱそれ?そこ?そうなるよねー笑 知りたい?知っちゃいたい?ベイベー」
挑発するような腹立たしい態度でイーマイが話し続ける。
「まぁ1回死んじゃったけどねー。でもオレらの技術ハンパないベイベー。シーロキアの力で蘇っちゃったベイベー!」
「まじで・・?生き返るとか、、あり?」
イサオの驚きを隠せない発言にイーマイが答える。
「おーおーイサオー!キンコーンキンコーン!」
「っていうかなんでここに・・・?」メグも不思議そうな表情だ。
「やっぱそこも気になっちゃうよねー笑 バカな君たちに全部話してあげようか?」
「ええから早よ説明しろや!」オーチャが怒りを抑えきれない感じでイーマイに噛み付く。
「あ?怒った?怒っちゃった?でも君ら銃突きつけられてるよね?考えて発言してね笑」
みんな言葉が出ない。
驚いたような、悲しいような、悔しいようなそんな表情を浮かべた。
「あ、テンション下がってきちゃった?メンゴメンゴ。じゃあ愚かな君たちに説明してあげちゃうベイベー」
陽気な口調で話だすイーマイ。
「NAZAに誰もいてなかったでしょ?君たちチャンスって思っちゃったでしょ?ウケルー!余裕で話全部聞いてましたー!俺らは君らと違って頭いいんでねー。NAZAには盗聴器や監視カメラバッチリセッティング!君らの情報筒抜けー!ってことだぜベイベー!」
「何やと・・!」
全員驚いた表情でうつむく。もはやこれまで・・・そういう顔になっていた。
それを尻目にイーマイがおもむろに通信器を取り出した。
「総帥、無事祠を発見しました。そして地球人も捕らえました!どうしますか?殺しちゃっていいっっすか?」
「よくやった、イーマイ。今私もそちらへ向かっている。地球人はグリーンソードの情報を持っているかもしれん。まだ殺すな。」
「承知いたしました!」
そう言うとイーマイは通信器をしまい、口を開いた。
「助かったなぁー君たち 笑 まぁ時間の問題ですけどねー。特にミッチー。お前まず最初に殺すから」
不敵な笑を浮かべるイーマイ。歯を食いしばるように悔しい表情をするミッチー。
イーマイたちは全員の武器になるものを取り上げリョターの到着を待った。
全員静まり返り、波の音だけが聞こえていた。
何もできず、何も解決策が出ないまま時間だけが過ぎ、空から大きなエンジン音が聞こえてきた。
リョターの乗る宇宙船だ。
しばらくしてリョターが降りてきた。
「よくやったイーマイ。そして・・・地球人の諸君久しぶりだな」
そう発言するリョターを睨みつけるホワイトブース一同。
「イーマイ。祠とグリーンソードのことは何かわかったか?」
「いや・・今のところ・・・ただ、ミッチーとその女が何か知っているようです」
「やはりそうか。お前たち、何か知っているのだな?グリーンソードについて洗いざらい話せ。そうすれば命は助けてやる」
メグの前に仁王立ちして話すリョター。
「どういう計画でどういう願いを叶えるつもりか知らんが、俺の記憶が正しければオレらを全員殺したらグリーンソードは使えなくなるぞ。」
そう発言したミッチーに顔を向けリョターが答える。
「どういうことだ?」
「この島に眠るグリーンソード、俺たちこの島の住人は龍神の剣って呼んでた。この島には龍神の剣を守る守り人がいる。その末裔が俺やメグ。守り人が死んでいなくなると龍神の剣は力を発揮できなくなる。そういうことだ。」
「ほう・・・ではどちらにしても殺すわけにはいかないと、そういうことだな?」
「そうだ。嘘だと思うなら祠にある石版を読めばいい。ちゃんと記してある。」
ミッチーの言葉にリョターがイーマイに指示を出す。
「イーマイ。確認しろ。」
「承知しました」そう言うとイーマイは祠にある石版の元へいった。
「総帥、どうやらその話は嘘ではないようです。守り人が全て消える時、龍神の剣は力をなくす、と記されています・・」
「そうか・・・では考えを変えよう。グリーンソードの在処と使い方を教えなければ守り人以外の君たちの仲間を順番に殺していく。どうだ?」
不敵な笑を浮かべながらリョターが話した。
「そんなこと絶対許さんよ!誰か一人でも殺した時点で私は舌をかみきって死ぬ!そのぐらいの覚悟はあるけん!」
「俺も同じだ。そんな脅しは通じないぞ。」メグの発言に賛同するようにミッチーも言い放った。
そしてキサも口を開く。
「だいたいお前の願いは何なんだ!?どんな願い事を叶えるつもりなんだ?」
「話が進まんな・・・私の願いか?もちろんこの宇宙の支配者となることだ」
勝ち誇ったような顔でリョターが言い放った。
「なんてベタな・・・」全員が思った。
リョターの言葉にメグが口を開いた。
「そんな私利私欲にまみれた願いなんか叶えてもいいことなんてないよ・・」
「お前らのような愚かな地球人にはわからんのだろう。私は宇宙の全てを手に入れてその頂点に君臨するのだ。」
自慢気に話すリョター。
みんな怒りにもにた感情をリョターに向けていた。
「しかし、こう話が進まんのでは意味がない。まず一人殺してみるか。」
リョターの発言にかぶせるようにメグが答える。
「やめて!本当に私たちも舌をかみって死ぬよ!」
苦い表情をしながらリョターが更に続けた。
「・・・膠着状態だな。ではお前たちはどうしてほしいんだ?」
「そんなもんグリーンソードを俺らが使うことに決まってるやろ!」
オーチャが憤りにも似た口調で答える。
「貴様はバカか?グリーンソードは一度使うと数年、いや数百年は使えない可能性もあるというぐらい調べはついている。お前らなどに渡すものか!」
イラついた表情でリョターが返した。
また、全員が静まり返る。海風が通り過ぎ木々の葉が優しい音を立てて揺れている。
イーマイは存在感をなくしている。
沈黙を破るようにミッチーが話し出す。
「わかった・・・。俺たちはグリーンソードを諦めてお前に渡す。その代わりこの地球から出ていってもう俺たちの前には現れないでくれ!これでどうだ?」
ホワイトブースのメンバーが驚いた顔でミッチーの方を向く。
「ちょ・・諦めるって・・・!」オーチャの反論を遮るようにミッチーが続ける。
「オーチャ、みんな、勝手に決めてごめん。でも、もうらちがあかないしグリーンソードは諦めよう。地球を取り戻すだけで我慢しよ。」
その言葉にリョターが不敵な笑みをこぼして答える。
「いいだろう。その条件でいこうじゃないか。」
リョターの発言に焦った表情でイサオがミッチーに話しかけた。
「でも、そんな条件やと願い事叶えた後に俺らを殺す気かも」
イサオを一瞬見てミッチーが返事をした。
「それは大丈夫だと思う、願い事を叶えるには自分の生まれた地で剣をもって呪文と願い事言わないといけない。自分の星に帰って宇宙征服の願い事叶えた後にわざわざ俺たちを殺しにくる必要はないだろう。宇宙を支配しているヤツには無意味なことだし、今滅びかけたこの地球にとどまって開拓する人間が残っているのもメリットでもあると思うし。」
「そうなんや・・・でも私たちも地球は取り戻せても支配されるってこと?どうなんの?奴隷とか嫌やぁ・・・」今度は不安そうなトンがミッチーへ質問を投げかける。
「それはわからない。今までどおりの生活ができるのか・・でも自分の支配下の地球が豊かになるのはメリット大きいと思うからそこまで変なことにはならないと思うけど・・・」
地球人のやり取りをみているリョターがしびれを切らしたのか話し出した。
「どうした?何をもめている?安心しろ。宇宙征服さえ叶えばお前らなどに興味はない。」
ホワイトブースの面々が見つめ合う。そして全員が何かを決意したような表情をしてお互いうなづいた。
そして、艦長のキサが口を開いた。「わかった。その条件でいこう。このまま地球を乗っ取られているのもこちらとしては不服だし、グリーンソードは惜しいが、地球を取り戻して平穏な生活を送ることを選ぶ!」
しめた、というような表情のリョター。
「よし、決まりだ。ではグリーンソードの有りかを教えてもらおう。」
その声に反応するようにミッチーが立ち上がり祠の前で足をとめた。
「メグ、おいで」
メグはうなづいてミッチーの元へかけよった。
「みんなちょっと離れて」
ミッチーの声でみんな2、3歩後ろに下がった。そして興味深そうに全員が二人を見守った。
「メグ、俺のネックレスにメグのを重ね合わせて。」
そういうとミッチーはネックレスを差し出した。
メグもそれに応えるようにネックレスを差し出し、ミッチーのネックレスに重ね合わせた。
お互いのネックレスの凸凹がちょうど重なりあったその時、ミッチーがメグに小さな声で言った。
「メグのおばあちゃんが言ってた呪文を一緒に言おう」
メグは黙ってうなづき、ミッチーと顔を合わせて、二人は同時に口を開いた。
「リテラトバリタウルスアリアロスバルネトリール」
その言葉を放った瞬間、重ね合わせたネックレスから眩しいほどの光が放たれた。
ゴゴゴゴゴゴゴゴーーー
光と共に地響きがし、祠の前の石版が動いて穴が現れ、その中から緑色に輝く剣が現れた。
「まじか・・・すげー・・・」
その場にいたみんなが驚きの表情で見守っていた。
「ついに見つけたぞ!」
そう言うとリョターはグリーンソードに近づき一気に引き抜いた。
輝きを放ち続けるグリーンソード。美しくもあり、妖しくもあった。
剣を握ったリョターは早く使い方を知りたいのかメグとミッチーに「先ほど生まれた地で呪文と願い事を言わなければならんとか言っておったな。その呪文を教えるんだ」と言い放った。
「わかった・・・。教える。でもその前に、グリーンソードは何でも願い事が叶う、でも使わない方が私はいいと思う。これは私からの忠告よ。それでも使うつもり?」メグが諭すように答える。
「何を言っておるのだ?負け惜しみか?私は宇宙を征服し頂点に立つのだ!さぁ早く教えるんだ!」
リョターの傲慢な態度に呆れたような悲しいような表情でメグが答える。
「わかった。まず自分の生まれた地で剣を天にかざすの。・・・そして呪文を言う。その呪文は・・『バルス』」
「ふ・・ふ・・・ふっふっふっふ・・・はっはっはっは!これで宇宙は私のものだ!地球人の諸君、感謝する、せいぜい私の支配下の星で頑張りたまえ!はっはっはっは!」
高笑いをするリョター。
それとは対照的に悔しさを滲ませるキサや他のメンバー。
「やりましたね!とうとう!いつまでもついていきます!ベイベー!!」
ゴマをするイーマイにリョターはまんざらでもない顔をした。
「全員船に乗り込め、惑星モンテローザへ凱旋帰還だ!」
リョターの声に部下が大きな声で「承知しました!」と叫んだ。
リョターやイーマイを含め、シーロキアの軍人たちがぞくぞくと宇宙船に乗り込み、地球を後にした。リョターの帰還命令から時間にして数分の出来事だった。
だんだん小さくなるシーロキアの宇宙船を見上げながらキサが口を開いた。
「・・・案外うまくいったな」
その声に微笑むメンバー。
「ここまで筋書き通りにいくとは思わなかったけどね」笑顔のフチ。
「私はちゃんと忠告したけんね。グリーンソード使うか使わないかはリョター次第。」メグは宇宙船を眺めながら言った。
それを見てオーチャが「俺はあいつは使うと思うで。破滅の呪文とは知らずに」と言いながら呆れたような笑顔を見せた。
そして、その数時間後、惑星モンテローザでリョターの「バルス」の声が響き、惑星モンテローザは塵となって消え、グリーンソードはどこかへ飛んでいった。
・・・・数時間前のホワイトブース内
「そろそろNAZAの上空だけど、なんかおかしい・・」不安そうなサチの言葉にキサが
「どうした?」と反応する。
「ガチガチの警備体制と思ってたのに、全然誰もいないみたい」
「本当か?どういうことだ・・?」
考え込むキサ。
「なんか怪しいなぁ~」そうリミが言った直後にイサオも賛同するように
「俺もさすがに怪しいと思う」と意見を述べた。
リミ(イサオと意見が合ったぁ!愛?愛の力?)
「完全におかしいよな。でもNAZAにいかんとグリーンソードのことわからんしなぁ。」そのオーチャの言葉にメグが控えめに答える。
「あのさぁ、グリーンソードのことだけど・・・元々惑星オークラにあるって言ってたから気づかなかったけど、オークラが地球ってことで一つ気になることがあるんだけど・・」
それを聞いたカメが興味深げにメグに問いただす。
「え?何なに?何か心当たりあるん?」
目を輝かせるカメに自信なさげにメグが「あくまで迷信やねんけど、私とミッチーの故郷の屋形島に龍神剣っていう剣があって、それで願い事が叶うっていう話を聞いたことがあるんよ・・・」と答えた。
「まじで?」同じく聞いていたトンも興味を示した。
メグの話を聞いて少し考えた様子でユキが「でも龍神剣って全然名前違うしなぁ・・・どうなんやろ?」と疑問を投げかけた。
遮るようにミッチーがが話し出す。
「いや、案外当たってるかも・・・メグ昔俺が島を出る時、変なおっさんが島に来て龍王山調べてたの覚えてる?」
その問いかけにメグは「そういえばそんなことあったね」
「それで気になって、俺あの後龍王山とか祠の事調べたんだけど、元々あの龍王山の祠は龍神剣を守るためのものだったみたい。もちろん俺はちょっと地元の歴史を調べるぐらいの気持ちだったんだけど。」
「それ、もしかしたら重要じゃない?詳しく聞きたい。」フチも興味津々だ。
「うん、多分9割龍神剣がグリーンソードだと思う。今もいくつか古文書持ってるから部屋から取ってくる。」そういって自室に古文書を取りに行くミッチー。
しばらくして帰ってくると古文書を広げ説明を始めた。
「古文書とかによると、大昔、龍王山の空から翡翠色に光る刀剣が落ちてきたらしい。龍王山には元々龍神様が住んでるって言い伝えがあったから地元の人は龍神様の落とした剣って事で龍神剣って呼んでいた。
そしてそれを大切にしようってことで島の人たちは祠を作って奉ることにした。
病気の人は祠の前で拝むと病気が治ったり、雨が降らない年もみんなで拝むと豊作になったりってことでかなりありがたく思って奉ってたみたい。でも私利私欲の為に使う者もいて、そういう輩は、願いは叶っても結局悲惨な運命が待ってたりして、龍神剣は稀に魔剣とも呼ばれるようになった。
で、その剣にむやみに願い事を頼まないようにするため、陰陽師とかみたいなもんだと思うけど、島にいた不思議な力を使える人に龍神剣を封印する銀でできた小さい板状の鍵を作ってもらった。
そして島の住人の一部が守り人となってその銀の鍵を保管した。
でも願いが叶うっていう龍神剣の噂は時間とともに広がって、各地の権力者や野心家が次々に龍神剣で願いを叶えようとした。」
ミッチーの説明を聞き、何かを思い出したようにメグも話し出した。
「そういえばおばあちゃんにそういう話聞いたことある。迷信だと思ってたけど・・・国内だけでなく世界から有名な人が龍神剣求めてやってきて願いは叶えたけど悲惨な運命たどった。ナポレオンや織田信長も龍神剣を使ったって言ってた。」
そのメグの話を聞いたリミが付け加える。
「ナポレオン、フランス革命後の混乱を収拾して軍事独裁政権を樹立し、イギリスを除くヨーロッパの大半を勢力下に置いて皇帝にまでなった。しかし1808年のスペイン独立戦争を皮切りにロシア戦役などでかなりのダメージを受け、復活を望んだワーテルローの戦いで完敗し、大西洋の孤島に幽閉された。織田信長っていえば桶狭間の戦いで多勢に無勢で勝利したり比叡山焼き討ちとか長篠の戦いでの武田軍への勝利。伝説的にはなってるけどグリーンソードの力・・信長も天下統一寸前までいったものの1582年本能寺の変で無念の死をとげる。確かに大きい願いはかなってるけど悲惨な結末やね。」
「リミ・・・めっちゃ知ってるやん・・・すご・・・」カメが驚いた表情で言った。他のメンバーも驚きを隠せない。
「え?すごい?リミ賢いやろ?ほめてほめて!」
いつもの調子のリミにフチが「いや、今のはマジで賢いわ」と静かに言い放った。
改めてミッチーが話し出す。「俺の調べでも織田信長とかナポレオンの名前も出てたから結構信憑性高いと思う。多分翡翠色の龍神剣を見た外国人がグリーンソードって呼ぶようになったんだろうね。」
キサ「でグリーンソードの使い方は?わかってるの?」
ミッチー「うん、多分やけど、守り人の銀の鍵を合わせて呪文を唱えると龍神剣が現れる。そして龍神剣を持って願いを言うと叶う。ただし、自分の生まれた地でやらないと願いは叶わないみたいで、更に願いを叶えたら1年以内に祠に戻す必要があるみたい。」
ユキ「で、その呪文と鍵って?」
ミッチー「鍵は俺とメグが持ってるネックレストップがそれやと思う。二人とも家で代々継がれたものって聞いてるし、俺らの家の座敷には守護人って書いた御札みたいなものが貼ってあった記憶があるし。でも呪文はわからない」
「あの御札ってそんな意味あったんだ。呪文かどうかはわからんけど、おばあちゃんから聞いた言葉があるよ。」
そこでメグは救いの呪文と、破滅の呪文をみんなに教えた。
イサオ「こんだけわかったらさっさとグリーンソードで地球復活させたらええんちゃうん?」
メグ「・・・」
ミッチー「・・・」
トン「どうなんやろ・・・悲惨な運命とかもあるし・・・」
メグ「私は使わない方がいいと思う・・・おばあちゃんも使ってはいけないものって言ってたし・・・」
サチ「そうね・・使うのは簡単だけど、何か違うような気もする・・・」
ミッチー「龍王山にある厳島神社の昔の神主が書いた興味深い古文書があるんだけど、今読むね。
龍神の剣は神の剣でもあり、魔物の剣でもあり
全ての願いが叶う龍神の剣
しかし使うことなかれ
龍神様の力で叶えた願いは所詮龍神の力
真に願いを叶えたくば汝、自らの力で願いを叶えよ
厳島神社 神主 小津栗衛門」
フチ「ちょ・・・その名前」
カメ「コヅクリハチ・・・コヅクリンってまさかそこから・・・・?」
ミッチー「うん、龍神剣がグリーンソードならkozukurinの方法ってのはこの神主の言葉ってことだと思う。」
キサ「自分の力で叶える・・・か・・・」
イサオ「俺思うんやけどさぁ・・」
ユキ「今大事な話してるから黙って」
イサオ「え・・はい・・」
メグ「戦争で死んだ親とか友達生き返らせて、元の地球に戻したいのは私もそうだし、みんなもそうだと思う。・・・でも死んだ人を生き返らせたり、地球を元に戻したり、自然の摂理に逆らうような事をしてはいけない気がする・・・そのkozukurinの方法って、自分の力でって書いてあったけど、自分たちで開拓して、畑を耕したり助け合ったりして住みよい地球を作っていけってことなんじゃないかなぁ・・・グリーンソードの力で簡単に復活させてもそのありがたみとかわからなくて結局元の地球のように戦争とかが起こってしまうってことじゃない?自分たちの努力や助け合いでがんばったらありがたみもわかって地球や人や生き物を大事にして生きていけるっていうか・・・そういうことを子供や孫に伝えて生きていくような事をしなさいって言われてる気がする・・・」
オーチャ「そうやなぁ・・俺もなんかそのほうがいいような気がする。グリーンソード使わんでもシーロキアが放射能は除染してくれてるみたいやし」
メグの話にみんな納得した表情を浮かべ、みんなの心が一つに決まったような空気が流れた。
キサ「ただ問題は、グリーンソードを使ったりせずシロキーアに占領されてる地球をどうやって取り戻すかだな。しかもリョターやイーマイの存在もある。」
トン「NAZAを見張ってないのも気になるしなぁ」
キサ「とにかく奴らの行動を把握したいな・・フチレーダー使って何かわかったりするかな?一度やってみてくれ」
フチ「ラジャー」
そういうとフチはホワイトブースのレーダー探知制御盤を触り出した。
フチ「お、レーダー反応あり!人はいないものの監視カメラや盗聴器のようなものが作動してる模様。」
キサ「でかした!」
カメ「どういうことやろ?人件費かかるから機械まかせにしてるんかな?」
サチ「いや、多分私たちを罠にはめようとしてたんじゃない?」
オーチャ「そうか!あいつら前kozukurinの話してたし、あいつらもグリーンソード求めて地球にたどり着いたんか。ってことはあいつらが地球を核戦争に追いやったのも移住っていうよりグリーンソード目当てやったってことか・・・。
あいつら地球を占領したはいいけどまだグリーンソードは見つかってない。そこにグリーンソードのある星に住んでた俺らが現れたから何か情報を引き出す為に警備を手薄にして監視カメラで情報を得ようと・・・。」
ユキ「それ正解っぽいね。危うく泳がされて情報漏らすとこだったね。」
キサ「そうか・・・」そういうと艦長のキサは少しうつむいて考えた。
キサ「今思いついたんだが、逆にあいつらの作戦に乗ってみないか?さも普通にグリーンソードを探してるフリをしてNAZAに乗り込む。で実際あいつらと対面したらグリーンソードと引き換えに地球を返す要求を飲ませる。」
オーチャ「え?グリーンソード渡すの?そしたらあいつらどんな願い事するかわからんで?」
メグ「そこで破滅の呪文ってことか!」
キサ「そう!」
・・・こうやってホワイトブースの面々はNAZAで泳がされている演技をし、リョターを作戦通り地球から追い出した。
それから数年後・・・。地球には畑を耕したり、魚をとったり、仲良く暮らすホワイトブースのメンバーの姿があった。
ミッチーとメグの間には子供が生まれ初めて言った言葉は「バルス」という強者、イサオとリミの間には黒人が生まれた。
もちろんキサとトンの間にも子供が生まれた。8人も。
オーチャは住人のいない中津市でからあげ屋を開店、サチとは今も付き合っているがサチは呆れ気味だ。フチは念願の「2人に同時に愛されその2人も仲が悪くならず一緒に3人で同棲できる機」を開発しユキとカメと3人で暮らしている。
平凡だが幸せな暮らしを送っていた。その後の地球が繁栄していったのは言うまでもない。
そして、時を同じくしてある惑星・・・
フカヤーマ「前まで連載してたメグのブログ更新がここ数年ないからさみしいなぁ・・・」
サン・ヨシーダ「何それ?メグってだれなん?」
フカヤーマ「それがよく分かってなくて、噂ではこの星からの発信じゃなくて衛生から届いたブログとか・・・」
キタガーワ「はぁ?宇宙人が書いたってこと?お前は矢追純一か。で、どんな話が載ってたん?」
フカヤーマ「なんかグリーンソードっていう願いが叶う剣を求めて地球って星の仲間が宇宙船で旅する内容。やたら自室でエロいことしてるばっかりやったけど 笑」
サン・ヨシーダ「なんやそれ 笑 あ、剣で思い出したけど、何年か前にセキメ共和国に落ちてきた未確認飛行物体って剣の形した緑色の物体やったらしいで、昨日ニュースでやってた」
フカヤーマ「グリーンソードやったりして笑 ってか最近ニュースも物騒なん多いよなぁ」
そう話す3人の部屋のテレビにはニュースが流れていた。
テレビ「・・・最新のニュースです。ここ数年西側諸国で拡大している核戦争ですが、昨日、更に4ヶ国が加わり核戦争が更に拡大しております。キョウバシ合衆国を始め各国の首脳陣が集まり放射能の分散や核戦争につい明日会談が行われる模様です・・・」
~完~