メンズ小説「Green sword ~子孫繁栄伝説~」第7話<フッチー>
ち、地球!?
乗組員全員が驚いた。
キサ「フチ、これは何かの間違えではないのか?」
フチ「ホワイトブースの惑星サーチ機能はNAZAが誇る最高の技術だ。これまでのOPPAIの活動でも1度たりとも間違えたことはない。」
サチ「そ、そんな・・・惑星オークラが地球だなんて。地球に私たち人類が住んでいるときに1度も聞いたことがないわ。」
オーチャ「そうだ。<kojukurin>の事だって、地球に存在するなんて噂でも聞いたことがないぞ!」
しばらく沈黙が続く
フチ「ん?ホワイトブースの進路目標が地球に自動設定されたぞ!」
キサ「ど、どういうことだ!サチ、自動運行システムをチェックしてくれ!」
サチ「はい!え!?どういうわけか進路変更できないわ!フチどういうこと?」
フチ「ホワイトブースが地球に戻れと言っているのか・・・・親父。これは親父の意思なのか??」
怪我で治療中のミッチーが重い口を開く
「核戦争からまだ1年、おそらく地球上には多くの放射能で汚染されている。ホワイトブースに備えている放射能防護スーツを着用しても長時間の滞在は危険だ。」
イサオ「でも、ホワイトブース言うこときかんで!どうすんの!?」
リミ「いやや~!もう地球には帰りたくない!今も瓦礫と人の死体がきっと散乱してるで!」
カメ「ちょっとフチ!あなたのお父さんが作ったこのポンコツ戦艦なんとかしなさいよ!!」
キサ(惑星オークラが地球・・・・信じがたいが、他に<kojukurin>に関する情報もない。一度地球もどり手がかりがないか確認してみよう。)
キサ「全員所定の位置につけ!これから地球に着陸する!」
メグ「今のところそれしか方法がないけん。みんな艦長の指示通りにしよ。」
サチ「ホワイトブース地球着陸のため、大気圏内突入します!」
<ゴゴゴゴゴゴゴォォ!!!>
青く澄み渡る海と空・・・・惑星地球。
ほんの数年前までは、美しい自然を保ち、隣国同士も争うことなく平和な日々だった・・・・・
乗組員全員、当時の地球での豊かな生活を思い出し目に涙を浮かべていた。
サチ「大気圏突破!地球の上空に到達しました。ここから先は放射能で汚染されいるため直ちに防護服を着用してください!!」
乗組員が艦内の防護服を取り出したその時!!!
艦内に衝撃が走った!!!!
瓦礫だった街が再生している!!!!!
そ、そんな・・・・人類は核戦争で街とともに絶滅したはず・・・・・
サチ「メインモニターに地上の映像を映します!」
!!!!!!!!
イサオ「ば、ばかな人が・・・人がいるぞ!!どうなってんねん!!!地球も人類も滅びたはず!!」
ユキ「人類は滅んでなんかなかったのよ!!きっと他の仲間も生きてるのよ!」
ミッチー「サチ、あの人影、もっと拡大することできないか?」
サチ「ちょ、ちょっとやってみる。」
人影がモニターいっぱいに映し出された。
ミッチー「こ、これは!?この胸元のマークは!?」
それは、乗組員全員見覚えのあるマークだった・・・・
<シーロキア公国>
そう、地球人とは似て似つかぬ者。
ミッチーが声を震わせながら話はじめた。
「これは、俺の推測だ。決して信じたくないが、この状況を見て考えられるとしたら・・・・
そう、シーロキア公国は初めから地球侵略を企んでいた。NAZAとのOPPAI活動も地球の情報を収集するため。噂でしか聞いたことなかったが、もともとシーロキア公国は核実験を様々な星で繰り返し、核ミサイルの技術は元より、放射能の除染技術も我々地球人がまねできない技術を持っていると聞いたことがある。」
トン「え!?そしたら、核戦争で地球が崩壊に向かったのは?」
ミッチー「考えたくないが、シーロキア公国が核戦争を仕向けた黒幕なのかもしれない。惑星モンテローザの寿命が迫っていた。そして、彼らも地球のような美しくて住みやすい星を探したがNAZAの探査機能も用いても見つけることはできなかった。そしてOPPAIでともに活動する地球人を核戦争で全滅させた後、シーロキア公国の持つ放射能除染技術で地球を再生させた。」
オーチャ「そしたら、人類は奴らにはめられ、絶滅に追い込まれ、地球を乗っ取られたというのか!!!!」
声が裏返り、血相を変えてオーチャ。
それは皆も同じだった。
こ、こんなことが許されるわけがない。
ミッチー「これはあくまで俺の推測にすぎない。」
全員黙りかえった。
信じたくない。でも様々は平和協定を結んでいた人類がある時期を境にいきなり核戦争を勃発させた。
そして今、この地球にシーロキア公国の者が住んでいる。
だれもがその推測を否定できずにいた。
「そしたら、<kojukurin>っていうのは?」とリミの問いかけにユキが答えた
「ひょっとして、地球そのものが<kojukurin>じゃないのかしら?他の星にはない豊かな水、植物、
そしてそこに住む動物、この美しい自然を持つ地球こそが、すべての生命のエネルギーになる<kojukurin>じゃないかしら。」
イサオ「そうだな。他の惑星では繁栄しても精々1億人だと聞いたことがある。地球人は70億人まで繁栄していた。地球が持つ自然そのものが子孫繁栄の源なのかもしれない。」
リミ「な、なにイサオの癖にまともなこと言ってんのよ!そんなこと真顔でいわれたら、わ、私、イサオのこと・・・・」
イサオ「ん???リミどうしたん??」
リミ「アホーーーーーー!!!!」<バシッ!>
理不尽な平手打ちを放ち、リミはメインデッキから出て行った。
きょどるイサオに、メグが詰め寄る。
「いいからリミのところに行き!!」
そう言われたイサオは
「え!?え!?なんで?どういうこと!?」
と必要以上のリアクションを残し、リミを追った。
本当に、シーロキア公国に人類は滅ぼされ、地球を乗っ取られたのか・・・・
これから、地球人最後の生き残りとして、どうすればいいのか・・・・
大切な人、大切な故郷を奪われた怒り、どうしようもない憤りがこみ上げ、
乗組員全員が涙目になりながら考え込んでいた。
その時、
「ねぇ、私のイイチコだれか飲んだ??」
この状況に合わないKYな一言がトンの口から言い放たれた。
キサ「おのれは黙っとけ!」<パンッ!>
苛立ちを隠せないキサが思わず平手で顔をはった。
トン「エグッ・・・エグッ・・・・わ、私、そんなん信じたくないねん!
そんな シーロキア か シーラキア か シーラカンス か シラタマ付きアイス かなんか知らんよそ者に大切な両親も友人の命が奪われたなんて信じたくないねん!!」
泣き叫びながら訴える。
どうやら、現実を受け入れることができず、はぐらかす言葉が出たようだ。
キサはとっさに察知してトンを抱きしめる。
「すまない。」と一言。
そして2人は別の部屋に消えていった。
ユキ「お願いやからマイク切っててな!」
残りのメンバーは顔を見合わせ話し出す。
フチ「これから俺たちどうしたらいいねん。」
ミッチー「地球を乗っ取ったであろうシーロキアの奴らと共存なんてありえんしな。」
カメ「結局私たちもここまでか・・・・もうどうすることもできへんやん!」
オーチャ「あ~あ、最後に唐揚げ食べたかったなぁ。」
そんな途方に暮れる会話がしばらく続いた。
そしてパソコンのキーボードをカチャカチャと鳴らしながらメグが口を開く。
「なぁ。なんとかしてNAZAに行かれへんかなぁ。NAZA本部にはOPPAIのことや、他の惑星について様々なデータを保管してるし、データはNAZAの暗号化システムでシーロキアの奴らには解析できへんと思うから有力な情報が残ってるかもしれんけん。」
ミッチー「メグ。その解析はできるんか?」
メグ「わからんし、役に立つデータがあるかどうかもわからん。でも何もしないよりマシやけん。」
カメ「そうやなぁ。NAZAにもシーロキア公国の奴らがおるかもしれんけど、一か八かやな!」
フチ「よし!そうと決まれば艦長!って、艦長は取り込み中やった・・・。」
サチ「じゃあ、進路をNAZAにインプット!到着まで1時間ってとこね。」
こうして、ホワイトブースは追い詰められた人類最後メンバーと共にNAZAに向かった・・・・
<つづく>