連続小説「大阪純情朝焼け物語」<きっさん>
僕たちは天井を見上げてる、、、、。
ホテル「王将」、、、。
電気の消えた部屋には、、京橋の夜景と電車の音が響きわたる、、、。
僕はベットから起き上がり、窓の外を見た、、、。
そんな僕をイクコは目で追いながら体を起こした。
二人はただ、ただ笑顔で、ただ、ただ照れているばかりで、、、、。
イクコはハニカミながらつぶやく、、、、、、「ありがと、、、」
僕も嬉しくなりハニカム、、、、。
「ありがと、、。」 イクコ
「ありがと、。」
「ありがと。」
「あ、、り、、が、、、、」 何度も繰り返す、、イクコが急に泣き出した。
僕は慌ててイクコのそばに駆け寄る。
「!!ど!どうしたの??、、、、何かあった??」 慌てる僕にイクコはただ、、「ありがと」{ありがと」を繰り返すだけ、、、。
僕はどうしていいかわからず、、ただ、、イクコの泣き止むのをイクコの頭を撫でながら待った。
少しして、、イクコも落ち着き、、僕はとりあえずイクコの涙の訳を聞いた、、、。
「どうしたの?また会えて、、俺はすごく嬉しいのに、、クリちゃんは泣いてばかりだよ、、何かあった??」
「ううん、、、ごめんね、、、ボッキン、、、あたしも嬉しいの、、、」涙目で微笑むイクコ。
「あたしね、、、ううん、、、あたしの願いがね、、、かなったの、、、だから、、、嬉しいの、、、」
イクコの願い??
僕にはよくわからなかった、、、ただ嬉し泣きなら、、僕も泣きたいくらい嬉しいのだから、それ以上は聞かなかった。
この日は二人にとって最高の夜だった、、、、。
この日の夜が、、、、この日の夜が、、、二人の、、、。
数日後、、、
僕はスナックドリームに向かった
こんなに晴れ晴れとイクコに会いに行けるのは初めてだ、、、。
相変わらずのいつものドアを開けた。
カランカラン
「あ~ら~郁夫ちゃ~ん!いらっしゃ~い!今日も早いはね~ちゃんと仕事してんの~?」いつもの美津子ママだ。
「してるよ(怒)」僕は乱暴に答えながら店内を見渡した。
????あれ???
イクコがいない、、、???
「ママ、、、イクコちゃんは???」
つぶやく僕に美津子ママは顔をそむけた、、、。
「ね、、ママ?」
「ママったら?」
僕はしつこく問いただすと、、、渋々ママが口を開いた、、、。
「じつはね、、、、、郁夫ちゃん、、、郁夫ちゃんには言わないで欲しいって、、、言われてたんだけど、、、、。」
僕は息を飲んだ、、、、。
「あの子、来月、、、、、、、結婚するんやて、、、。っで先週で辞めたのよ、、、。」
僕は一瞬、目の前が真っ暗になった、、、。
「初めて来た時もおかしかったのよ、、、、、「この店に簿木郁夫さんって方来られますか?」って。
まるで家出してきたみたいな格好して、、、。「うちの常連ですよ」って答えたら「ここで働かせてください!」だもの、、、、。っで次が結婚でしょ、、、私もわからないのよ、、、、。」
ママの言葉で、、、僕の頭の中の、、、、パズルが一つ一つ、、、、ハマっていく、、、、。
そして、、、僕の頭の中で何かがプチ、、っと音を立てて弾け飛んだ、、、。
!!!!ママ!!!!
イクコの住所教えて!!!!!!!!!!!
びっくりしたママが慌てて答える、、。
「関目高殿だけど、、、、」
カランカラン
潰れかけのドアの音と共に
僕はママの最後の言葉も聞かず店を飛び出した、、、。
そう、、、それはイクコと再会した、、あの夕焼けの光とまったく同じ光の中を走り出したんだ、、、。
つづく