連続小説「大阪純情朝焼け物語」<きっさん>
僕はもう携帯を握りしめてどれくらいたつだろう、、、。
そうイクコに「映画行かない?」 を言うために携帯を手にしてる。 しかし、、なんだこの緊張は、、。まるで中学生の初恋だぞこれじゃ、、。オカン出たらどないしょ???っなんて携帯の時代ではそうゆうのないのね中学生ども。
アカン。手が震える。
携帯番号は前回の着信で早急に登録済! あとは勇気だけか、、。「千代の富士!どうか僕に力を!」
脱臼につぐ脱臼でほとんど動かなくなった右手、左手だけで小錦を投げたあのパワーをほんの少しだけ分けて下さい!
ぼくは大きな深呼吸の後、イクコ番号を押した。
呼出音、、1回、、2回、、3回、、4回、、ガチャ、、!!マズイ出た!!!
「もしもし、、、」イクコの声。
「あ、、あ、、あ、、もしもし、、、あ、、、あ、、、あ、、、の、、」声が裏返る。
「ボッキン?」
「そ、、そ、、そう僕ボッキン、、、」
「笑」イクコが笑った。
「ごめんね、ボッキン、、前は突然帰ったりして、、、」イクコが言った。
「ううん、ううん、ぜんぜんいいよ、、こちらこそ、、ごめん。」
「今日はどうしたの?電話なんかくれて」 意外と元気そうで少し安心した。
「あの~ね、、、、あ、、風邪でも引いた?」 僕は本題の前にジャブをいれてみた。
「ちがう。ちょっと体調崩しちゃって、、ママに聞いた?」
「ママに聞いた」 完璧に喋れないでいる僕。
「大丈夫だよ。明日からはちゃんと行きます (笑)」
イクコのなんてことない会話が今の僕にはたまらなく救われる気持ちになった。
「っで心配して電話くれたんだ。優しいね。」
「優しいで、、す」 ただ僕は喋れないまま。
たわいもない話の中、それはまるで中学生の会話のような、、ほんとにどうでもいい話を、、ただ、ただ、、繰り返している電話だった。
「クリちゃん、、、、」
「な~に? ボッキン?」
、、、千代の富士、、、我にちからを!!
「今度、 映画 いか ない?」
言った!!
イクコは嬉しそうに笑いながら少しの沈黙のあと、、、
「(笑)いいよ、、、行こう映画(笑)」
イクコと僕のスクリーンの幕が上がった。それはラブロマンス?喜劇?サスペンス?結末は?ハッピーエンド?
すべての答えは映画の中にある、、、。
僕らは日にちと時間を決め電話を切った。
音のない部屋の中で大きな深呼吸と共に言わなければいけない事がある、、、。
「体力の限界、、、」
ありがとう千代の富士。
つづく