連続小説「大阪純情朝焼け物語」<きっさん>
イクコが泣きながらこの部屋を出て1時間、、、。僕はまだ動けずにいる、、、。
やっぱり10年越しの告白はまずかった、、、。今、こうして一人でいるということは、やはり10年越しにフラれたのだろう、、、。夕暮れの 電気もつけない部屋 ポストに夕刊が入る音 急に鳴り出す冷蔵庫の氷 窓のからは誰かのクラクション ただ とめどなく流れる涙で僕は何も見えなくなっていた。
それから1週間、、、、
イクコからの連絡もなく、、むろん、、僕からもしていない。
日常というのは残酷なもので、、何が起ころうと仕事はしなくてはならないし、飯に風呂、洗濯に掃除とやるべき事は当たり前のようにある。 そのおかげか、少しずつ、心の傷もなくなってきた。
今日は京橋で打ち合わせ。 の帰り。 ふと千林でおりた。
イクコに合わす顔などない ただドリームのママには顔を見せないとうるさい、、汗
ため息混じりにドアを開けた。
カランカラン
「あら?郁夫ちゃん!今日は早いはね~」 相変わらずの美津子ママ。
店の中を見渡すが、、、イクコの姿はない。
僕はいつものカウンターに座った。
「ところで郁夫ちゃん! うちのイクコちゃんの事知らない? ずっと来てないのよ 体調が悪いって 風邪でも引いたのかしら??? 心配だわ~」
イクコはここには来てない じつはイクコの事何も知らない。思い出話をしただけで、、結局僕は今のイクコを何も知らないんだ、、、、。知らないまま告白をして 知らないまま困らせて 知らないままフラれた男なんだ、、、。
あまりにも情けなく あまりにも勝手な人間だったんだ。 僕はとてつもない後悔に襲われた。
「そうだ!郁夫ちゃんにプレゼント」 と美津子ママが紙切れを二枚持って来た。
映画のチケット???
「郁夫ちゃん 映画好きでしょ?」美津子ママ
「好きだけど、、、」僕は戸惑った。
「二枚あるからうちのイクコと行ってあげてよ」美津子ママ
「イクコちゃんと!!!!無理無理無理!!!」おもいっきり拒否る僕
「どうせ暇でしょ!!!頼んだわよ」 相変わらず強引な美津子ママ
「言っとくけどその映画、今、話題で、愛と友情の感動作よ」
僕は気が乗らないままチケットを見た
「グリーンソード」???
つづく