連続小説「大阪純情朝焼け物語」<きっさん>
イクコの愛情たっぷり(?)のおかゆを食べ、スッカリ心も胃袋も満たされた僕は、イクコとインスタントネスカフェを飲みながら学生時代の話を語りはじめた。
学生時代のイクコは「広報学科」でいわゆるマスコミ関係の勉強をしていた。 僕は隣の学部で「デザイン学科」、いわゆるグラフィック関係の学部だ。
当時の二人はどちらかと言うと、目立たないタイプ。
イクコはまだショートカットで高校生がまだ抜けない感じの少女だった。
明るく、いつも笑顔で、誰にでも気さくに接しれるタイプの女の子。
そんなイクコを入学式から目をつけていた僕は、無理やり広報科の友人を作り、イクコの友達にまずは話しかけ、
さも、「この出会いは必然ですよ」と言わんばかりの姿勢でイクコに近づいた。
そう、、そして「ボッキン事件」はその矢先の出来事だ、、、、、。
あの事件さえなければこんなにカッコ悪い男ではなかったはず、、、、。
しかし、、、あの事件がなければこんな幸福もないのかもしれない、、、、。
僕はすべての出来事が無駄ではないんだとつくづく思う
どれくらい話し混んだだろう、、、、窓から漏れる光はオレンジ色に輝き、夕暮れは紫の空へと変わっていった。
同じ時間、同じ思い出を持つ二人が、、また同じ時間、同じ時を語り合うにはあまりにも少な過ぎる時間なのは明らかだ。
そして、、、新たに想う、、、忘れようとして忘れる事が出来なかった想い、、、、
それは僕がまだ、、イクコのことを好きだという事、、、。
二人の賑やかな時間は止まり、、、沈黙へ、、、、。
窓の外で貨物列車の音、、、、。
夕暮れに照らされるイクコを見て、、、思わず、、、、。
「まだ俺、、、イクコの事、、、、好きみたい、、、、」
10年前、、、同じこような言葉をはいてフラれた男が、、、、また10年後に同じ言葉でフラれる、、、。
わかっていても言わずにはいれなかったんだ、、、、。
長い長い沈黙の後、、、。
イクコが急に泣きはじめた。
こんなに大泣きするイクコはじめて見た。
なぜ?、、どうしたの?
つづく