連続小説「大阪純情朝焼け物語」<きっさん>
イクコが来る。この部屋に。ちょっと待て!落ち着け!冷静に冷静に!僕は二日酔いの頭を無理やり回し、この状況をちゃんと整理し、そしてこの問題に対し、的確かつ沈着に解決するため、その糸口となる答えを早急かつ貪欲に考えた。考える前に二日酔いの為、何を言っているのか自分でもさっぱりわからない説明となる。
どうゆう事だ。 イクコがなぜここに来る? 俺に会いに? まさか、それはない。 う○こ目の前で漏らした男に会いたい女などこの世にはいない。 昨日も何をしたかもわかってない男に会いにくる、冷やかし?見下しに?「う○こ漏らすくらいだからどうせロクな部屋にはすんでないんでしょ」的な暴言をはきに? いずれにしてもこのままではマズイ、このメンズルームをなんとかしなきゃ。
そして僕はいままでに出したことのないスピードで部屋の片付けを始める。 片付け始めて30分 とりあえずはまともに座れる場所をキープ。 しまった!コーヒーがインスタントネスカフェしかない! 買いに行ってる場合じゃないし、仕方ない。「今日は切らしててインスタントしかないんだ。いつもはコーヒーは立てるんだけどね」とカッコつけとこう。いや、待て、「立てたコーヒーで腹こわしてんじゃね~よ」と思われたらどうしよう。。
部屋は片付いたが、、しまった。トイレが汚い、、。マズイぞこれは、、。「漏らしてばっかりのクセにトイレも汚してんじゃね~よ」と思われる、、。っとその前になんだこの玄関は???汚いうえになんか匂うぞ、、。「お前玄関でももらすのかよ、、最低だな、、。」 ダメだ。昨夜以降、ネガティブシンキングが止まらない。&ロマンチックも止まらない。
慌ててとりあえずの掃除を終えた。 やがて頭が回り出した頃、よくよく考えてみれば、イクコがなぜこの部屋の住所知っているんだ??会いに来る? そっちへ行っていい?? 友人も数えるくらいしか来た事がないし、先日再会したばかりのイクコが知るはずもない。 騙されているんじゃないだろうか? ドッキリ?? 「アイツう○こ漏らしたクセにスッカリ騙されてやんの、バカじゃね?」的なやつか。ネガティブシンキングのさなか突然部屋のチャイムが鳴る
ピンポ~ン
急に鼓動が早くなる。
除き穴を除くとそこには 確かにイクコがいる。周りをキョロキョロしている仕草が可愛い。 出来ることならこのまま君を除いていたい。 変な性的欲求をおさえ、ゆっくりドアを開けた。
「やっほーボッキン(笑) 大丈夫??」
汚いマンションの、 汚い部屋の玄関に、 そこにはまぎれもなく、笑顔のイクコがいた。
昼下がり、5月の風と、恋心、 愛しい人の、 笑顔咲く部屋 簿木 郁夫作
つづく