シリアル・キラーと呼ばれる人達の中には、

特に同情に値する人達もいる。

 

犯罪行為自体は残虐であってもだ。

 

<ヘンリー・リー・ルーカス事件>

 

この人もまた「羊たちの沈黙」の

モデルの一人と言われている。

 

FBI捜査官に、シリアルキラーの

心理を教え、捜査協力したそうだ。

 

生い立ちが悲惨過ぎ、明らかに脳が

損傷していたらしい。

 

刑期を終え出所する時、

「また殺すだろうから、出さないでくれ!」

と言ったのに出され、

その帰り道にまた殺している。

 

何ともやり切れない。

 

<アイリーン・ウォーノス事件>

 

この人の生い立ちもまた悲惨。

 

私はこの人は加害者に見えない、

むしろ被害者にしか見えない。

 

法廷での衝動性や攻撃性を見れば、

この女性がどれだけ過酷なサバイバルを

して生き延びて来たかが分かる。

 

私もこの人と同じ環境に生まれ育ったら、

同じようになっていたかもしれない。

 

気の毒でならない。

 

<ジェフリー・ダーマー事件>

 

母親が情緒不安定で、妊娠中から

大量の向精神薬を処方されていたそうだ。

(バルピツールやモルヒネなど)

 

母親は情緒不安定、父親は仕事人、

本人は孤独・・・。

 

精神鑑定の結果は、境界性人格障害。

 

余りの寂しさ故「愛着パーツ」に乗っ取られ、

折角来てくれた「友人」、帰って欲しくなく

「戦うパーツ」が攻撃したのだろう。

 

それにしても、妊婦に向精神薬を山盛り

に盛るとは・・・。

 

悲しい事件である。

 

<ビリー・ミリガン事件>

 

有名な事件。

 

今でいうDID、当時は多重人格と言われた。

 

犯行は残虐であったが、精神鑑定の結果

無罪になったことでも有名。

 

録画のビデオも見たが、確かに

人格が入れ替わっているシーンがある。

 

この人は、相当研究されたようだ。

 

生い立ちがまた悲惨。

 

養父が最悪で、ストレス発散の

標的にされた。

 

あれでは人格がまともに育つ方が難しい。

 

子供には影響が大き過ぎる、

再婚するなら、相手をしっかり選んで欲しいと

いつも思う。

 

<ナイト・ストーカー>

 

犯人の生育歴は過酷で暴力的。

 

自称「悪魔崇拝者」。

 

捕まった時の写真が怖すぎる・・・

 

目はギラギラ、交感神経全開の

サバイバル脳。

(目は脳の一部と言われている)

 

扁桃体、エス(イド)だけで

動いていたのだろう、

タガが外れて。

 

悪魔のエネルギーが爆発してしまった。

 

ワイルドで野性味溢れるルックスが

女性にウケて、法廷で黄色い声援が

飛び交ったが、それは理解に苦しむ。

 

人間がまだ動物だった頃は、

このような野生的でワイルドな

オスがメスにモテていたのだろうか、

そのDNAをそのまま人間も受け継いで

本能的に魅せられるのかもしれないが。

 

まともな生育歴だったら、

ちょっとしたスターになっていたかもしれない。

 

<ソウル・レインコートキラー>

 

韓国で起きた事件。

 

生育歴は貧しく悲惨。

 

精神鑑定は精神病質者。

(よくあるパターン)

 

自分の心の問題を処理出来ず、

金持ちや元妻と同業者の女性を襲い

恨みを晴らしていた。

(しかしやってもやっても晴れることはない)

 

構造的解離理論で理解するとよく分かる。

 

刑事が取り調べをしても物静かで大人しいので

「違う」と思ったそうだ。

(日常パーツは大人しい)

 

「捕まえて貰ってよかったです、

このままいけば100人は殺していました」

 

の言葉が印象的だった。

 

トラウマパーツが本人も手に負えず、

自分で自分が止められなかったのでは?

 

<まとめ>

 

シリアルキラーと呼ばれる人達は、

往々にして生育環境が悲惨である。

 

胎内は勿論、大事な人格形成期に

いかに安全・安心な環境を提供される

ことが大事かということが分かる。

 

シリアルキラーも随分と研究され、

脳が普通と違うということが

明らかとなって来た。

 

ある意味「社会の犠牲者」とも言える。

 

一方一人だけの殺人者へのインタビューで

興味深かったのが、涙を浮かべながら

後悔や懺悔をしているシーンだった。

 

「目撃されたからといって撃つことは

なかった・・・」

「娘と自分を護るためにDVの夫を

撃ち殺してしまった・・・」

と、取り返しのつかない

判断の過ちの重さに向き合う能力の有無が

「人間らしさ」の最後の境界線なのだろうか。

 

この人達とシリアルキラーは

明らかに違う。

 

サイコパスやマイルド・サイコパスは、

それがない。

 

反省や後悔、懺悔や贖罪の念が

一切感じられない。

 

収監された後人間的成長を遂げ

罪と向き合うことの出来る人も

中にはいるかもしれないが、

殆どが罪と向き合うことが出来ない。

 

悲惨過ぎる生育歴故

「自分も被害者」と感じている部分は

どこかにあるだろうし(多罰性)、

「本来の自分ではなく別の自分がやった」

という当事者意識が持てない感覚も

あるかもしれない。

 

被害者への共感能力や振り返り、分析も、

メタ認知や心の論理が破綻していれば

出来ない。

 

暴力や貧困、戦争が生んだシリアル・キラー達。

 

2000年以降は、向精神処方薬(特に抗うつ薬)で

若者が銃乱射事件を起こしまくる時代へと

入った。

 

それは日本も例外ではない。

 

起こった事柄ではなく、その背景や原因に

何が潜んでいるのか見ることが大事だろう。

 

おっと、忘れてはならない、

悪魔のサックラー家。

 

バリウム(ジアゼパム)を副作用がないと

嘯きアメリカ全土にばら撒き、

オピオイド危機を招いた一族。

 

彼らは被害者の痛みなど、一滴たりとも

感じていないことを。

(マイルド・サイコパス)