以前危機管理(リスクマネジメント)

の記事で、機内のお弁当をお持ち帰り

になるお客様に「6時間以内に

お召し上がり下さい」と必ず説明する

話を書いた。

 

何故6時間か、その6時間の意味は

何かをまず書きたい。

 

実は大腸菌が悪さをする時間は、

9時間以降なのだそうだ。

 

しかし更に安全策を取って

会社は3時間遡り6時間と設定した。

 

「安全には安全を」との危機管理。

 

勿論、夏場はお弁当は全て没収。

 

まぁこういったカルチャーが当たり前の

世界にいた私は、どうしてもベンゾ処方

の際、医師がリスクの説明をしなかった

ことが腑に落ちなかった。

 

ベンゾのややこしさは大きく言って2つある。

 

①「麻薬及び向精神薬取締法」に指定された

薬物であること

 

②かと言って、急にやめれば危険であること

(離脱症状の出現、後遺症もあり得る)

 

①の側面を持っているからこそ、

社会には薬物啓蒙チーム(ダメ。ゼッタイ。)

に代表される、覚せい剤と同等扱いの

「脅す」情報が溢れている。

 

①の啓蒙を目的とした情報の場合、

どうしても「脅し」の論調になって来る。

 

薬物チームの情報には、「急に止めたら危険」

という注意事項は一切ない。

 

情報にショックを受けて、一気断薬や急減薬を

してしまい、事故が発生していることも

薬物チームは把握している。

 

薬物チームの言い分としては、

「医師や薬剤師から処方の際、説明が

なされているはず」ということだ。

 

これは実は至極当然のことでもある。

 

何故なら、薬剤師はともかく医師には

副作用の説明が法律的に義務付けられて

いるからだ。

 

最低限のことは、処方の際説明を

しなければならないが、「赤信号、

皆で渡れば怖くない」の悪しき慣習が

何十年と医療業界には続いて来た。

 

「安全には安全を」とは程遠い

リスクマネジメント意識である。

 

(薬物チーム、ダメ。ゼッタイ。も厚労省

なのだが、医療行政との連携が全く

取られておらず、事故が起きているのを

把握しておきながら、双方放置し続けて

いるのは、「縦割り行政」の悪しき慣習と

言わざるを得ない。

民間の感覚では考えられない。

二重にクロスを掛けて情報には配慮すべき)

 

ベンゾは、「危険な脅し情報」に曝される

ことも一つの大きなリスクである。

 

だからこそ、「安全には安全を」徹底し、

副作用や注意事項を説明しておく必要が

ある。

 

私は主治医に言った。

 

「ベンゾを飴玉を配るように何も説明せず

ばら撒くだけだったら、ただの素人じゃ

ないですか。

ベンゾのリスクマネジメントが出来て

初めてプロと言えるんじゃないですか?

情けないことに、自浄能力もない。」

と。

 

そして法的な説明義務について話した。

 

「あなたの言う通り。医師には処方の際、

副作用の説明が、法的に説明義務として

ある。しかしやって来なかったのが実情。

これは医療の怠慢。」

 

私はハッとした。

 

「やはり…医師たちは知っていたんだ…

法的義務があることを…」

 

被害に遭って20年、遂に何か厚い壁が

ぶち破られた気持ちがした。

 

(次回に続く)