ご存じの方も多いと思います。

 

「反応しない練習」

草薙 龍瞬(くさなぎ りゅうしん)著

 

 

手元に置いて長く放置していたが、

昨日再び最初から一気に読んで完読。

 

著書はユニークな経歴で、今は僧侶だが、

中学中退し家出、放浪。

 

大検を経て東大法学部卒業後、

政策シンクタンクに就職するも出家。

ミャンマーやタイに留学し、

現在はインドと日本で活動中。

 

子供の頃から「生き方」を深く考える

人だったそうで、それを我々のような

「悩める凡人、煩悩の塊人間」に

分かり易く説いて下さる有難い言葉が

散りばめられていた。

 

特に今日は「承認欲」にまつわる苦しみ

について書きたい。

 

人間の煩悩の一つである「承認欲」、

これは人間なら誰にでもあるそうで、

動物にはないそうだ。

(勿論私にもある、承認欲の塊人間)

 

子供なら「親に褒められたい」

生徒なら「先生や友達を見返したい」

社会人なら「出世したい」

「人より優位に立ちたいから頑張る」

など、モチベーションの源でもある。

 

しかしそれが「苦しみ」「悩み」の元

でもあるそうなのだ。

 

「人目が気になる」「自己嫌悪」

「劣等感」「嫉妬」

これらも満たされない「承認欲」が原因。

 

ブッダはとてもクールな人で、超合理的

な思考をする人だったそうだ。

 

しかしその境地に簡単に辿り着いた

訳ではなく、若い頃は超マイナス思考の

うつ型タイプだったようだ。

 

しかし修行を通し「悟り」を開き、仏教を

創立、お釈迦様と呼ばれるようになった。

 

つまり2500年前、「考え方を変える」こと

によって、「薬なし」でうつ(病?)を克服

した人だったのかもしれない。

 

大脳辺縁系(感情、苦悩の源)を前頭前野

(理性)がどう合理的に捌くのか…

 

ブッダ=ザ・前頭前野の人

 

話を「承認欲」に戻すと、ネット社会の

現代人は「承認欲」を常に刺激され、

また「判断」を求められている。

 

商品の口コミサイトでは☆の数の判断を

求められ、評価を求められ、

SNSでは「いいね」の判断を求められ、

コメントを求められ、ランキングに曝され、

フォロアー数に曝されている。

 

「承認欲」と「評価」は元は同じで、私達は

これらに曝され、常に刺激を受け、また

求めてもいる。

 

慣された思考の癖は自分の人生をも

「評価」するようになり、「失敗した」とか

「☆1つ」とか、また他人のこともを直ぐに

「評価」してしまうらしいのだ。

 

しかし著書は「評価しない」ことを説いている。

 

実は人間は「評価」する方が楽で、

決めつけて落ち着かせる生き物だ

そうだが、それを敢えて「評価しない」

でおくことは難しく、訓練・トレーニング・

技術が必要になってくる。

 

「評価しない」=「ただそこにあるだけ」

「あるがままに、そのままに」と感じる

ようになれれば、「評価する、される」

の苦しみから解放される。

 

(まぁしかし「修行」ですね、もう)

 

またSNSでは、神経に触る情報もある。

 

つい怒りの「反応」をしたくなる。(本能)

 

私は元々クール過ぎる人間でそれが悩み

だったくらいだが、劇症型ベンゾ離脱症状

に見舞われてから、神経過敏、反応し易く

なった。

 

SNS上でも神経に触る情報はある。

 

しかし「怒りには怒りで反応しない」ことを

ブッダは説いている。(無反応)


その方法は、

①今「~の感情を感じている」と口頭で言う

②相手とどう関わるかを思考する

 

①を実行するだけで、自分の感情と距離

取ることが出来、俯瞰し冷静になって来る。

 

更に②では、より高いステージに立つことが

出来、あらゆる「気づき」が生まれる。

 

最初は取り扱い困難だった「感情」が、

論理的に理性的に整理されていく。

 

これも訓練、修行なのだが、SNSの情報から

現実社会まで全ての「苦悩」に適用出来、

気持ちが楽になってくる。

 

私はこれまで「嫌だなコイツ」と思ったら、

「同じ土俵に立ちたくない!」と無理に

意地になって我慢する方法を取って来たが、

この①②は無理もしないし身体にも変な

力は入らないし、呼吸も深くなりリラックス

して来る。

 

「応戦」することや「執着」することが

バカらしくなって来る。

 

結果的に同じ土俵に立たなくて済むことになる。

 

無理矢理ではなく、結果として。

 

=しなやかな柳のような神経

 

ただ、「淡々と」している…。

 

悩みや苦悩とは、全て脳が作りだす

「無常」の「妄想」であるらしい。

 

デジタルな情報社会だからこそ、現代に生きる

私達には求められる心の対応力がある。

 

SNSのベンゾ減断薬界隈の社会において、

神経を逆なでする「断薬者としての承認欲求が

強すぎる」(そこまでアピールしなくても…)

情報(ブログ)にも敢えて

「反応しない」・・・

 

私も日々「練習」(いや、これはもう修行)

していきたい、そしてそれを現実社会の

苦悩にも活かしていきたい、

そう教えられた1冊だった。

 

(ベンゾ離脱症状回復期に、仏教関係

の本を読み漁った。それはたまたまでは

なく、昂った乱れた神経を落ち着かせる

効果が、仏教、東洋的なものの考え方に

あったからだろう。それが今日では

「マインドフルネス」と呼ばれ、精神疾患、

特に境界性人格障害の治療=

「弁証法的行動療法」DBTに世界中で

活用されている)