(前回の続き)

 

「遷延性ベンゾジアゼピン離脱症候群」

野呂浩史・荒川和歌子2018

 

の論文の考察を続ける。

 

今回は遷延性の原因について考察したい。

 

(前回は論文から引用したが、今回は

見易さのため、アシュトンマニュアル

より引用)

 

 

この(?)に注目したい。

 

4は、生化学的変化(セロトニン、

ノルアドレナリン、ストレスホルモン)

とある。

 

20年も遷延性に苦しんでいる私は、

体感として実感している。

 

私はベンゾ一気断薬からもう20年以上

双極性症状に苦しめられている。

 

手元に双極性障害の本があるのだが、

考えられる原因として「ストレス」がある。

 

ストレスは余りにも大きいと脳に悪影響

を及ぼすと考えられている。

 

ストレスがかかると身を守るために

コルチゾールとカテコラミンが増える。

(臨戦態勢)

 

カテコラミンは血圧を上昇させ最悪

脳梗塞を起こし、コルチゾールは

免疫力を低下させ脳の海馬にダメージ

を与える。

 

海馬がダメージを受けると、新生細胞

が生まれにくくなり海馬が委縮していく。

 

また感情に関わる部位なので、感情障害

に関係している可能性が大いにある。

 

だから「ストレスは心の病の元」と

言われるのだ。

 

双極性障害では、「神経伝達物質を

上手く伝えられない状態にある」と考え

られている。

 

それは物質の量ではなく働き、受容体に

何らかのトラブルがあるのではないか

との考えもあるそうだ。

 

ベンゾは受容体に働きかける科学物質

である。

 

それを一気に抜いたら、脳が臨戦態勢

になり、双極性障害の発症そっくりの

脳内環境を作り出すのではないだろうか?

 

それが mania や mad  つまり躁病、

錯乱状態、制御不能、感情のむらの症状の

原因とも言えるかもしれない。

 

ベンゾ一気断薬の過酷なストレスは

脳に最大最悪の「臨戦態勢」を作る。

 

そのストレス反応が、既存のうつ、双極性

などの精神疾患そっくりの症状を発症させ、

そして遷延化させてしまうと考えられないか?

 

幼児虐待を受けた人、奴隷になった人など

「逆境体験」をした人と同じ症状になった

のは、私もベンゾ一気断薬で「臨戦態勢」

(過剰なストレスホルモン)にさらされた

からではないか!?

(まさに戦争だった!!)

 

サバイバー脳。

 

私は主治医にこう言われた。

 

「ベンゾ離脱症状のストレス

双極性障害を発症した」と。

 

つまり「ストレスで双極症になった」と

いう説明。

 

コルチゾールもカテコラミンも海馬も

シナプスの受容体も神経伝達物質も

関係しているだろう。

 

久しぶりにアシュトンマニュアルを

再読してみた。

 

今だから理解出来る内容もあったし、

アシュトン教授は、自分に続く研究者に

思いを託すという節が何か所もあった。

 

もちろんこの(?)も後世に託した部分

だろう。

 

しかし…教授に続くこれといった研究者は

出てきていない…

 

だから時が止まったかのように、2000年

前後の文献で推察するしかないのだが、

ベンゾジアゼピンの離脱によって、

神経伝達物質、ストレスホルモン、

受容体に何らかのトラブルが起き、

「遷延化」の原因の一つになってしまった

可能性は十分にあり得ると言えるのでは

ないだろうか。

 

今のところ、(?)ではあるが…。

 

次回は6.脳の構造・機能の損傷について

考察したい。