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~ パンドラプランナーのミレディです ~
(パンミレ)
現実の世界で苦しみ、
もう一度人生をやり直したい人が、
自分の理想の世界で生きていく。
パンドラプランナーは、
そんな人の為に、理想の世界を作り
ゲスト様に提供するのが仕事です。
♪progressive♪Kalafina(小説 opening)
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(小説文)

レッドローズ・パンドラ。
支配人室。


パンドラスマホが鳴った。
●パンドラスマホの着信メロディ●(効果音)
(もしかして真央様からかしら?)
ミレディは電話を取った。
「もしもし?真央様ですか?」
「はい、私は真央です。
ミレディさんにお礼が言いたくて
お電話しました。
本当にありがとうございます」
「そんな、お礼なんていいですよ。
これが我々パンドラプランナーの
お仕事ですから」
「あの2人が居なくなって、
父の財産は私の元に
戻りました。
そして、私はこれから
大学に進学する為に
猛勉強を始めるつもりです。
大学生活を送るのが夢でしたから」
「そうですか、それは良かったです。
真央様、最後に元彼さんへの
復讐も見事でしたね。
横断歩道に誘い込んで、
車で跳ねるなんて・・・、
ちょっと大胆でしたね」
「直之には、苦しんで死んで
欲しく無かったんです。
一時は好きになった人だから。
せめて、苦しまない様に
殺してあげました」
「そうですか、真央様は
優しいですね。
これから、真央様はご自分の
理想の世界で生きて行くんですね。
どうかお幸せに・・・」
「本当にありがとうございます。
ミレディさん・・・」
電話が切れた。
(フフフ・・・、真央様には
儲けさせて貰ったわ。
実に魅力的なゲスト様だったわ。
この様なゲスト様なら
大歓迎だわ・・・)
ミレディは、本棚から
1冊の本とアルバムを
取り出した。
(私が幼い頃に書いていた日記・・・。
私は叔母に育てられていた。
私は内気だったから、
友達なんて居なかった。
だから、いつも学校でも
一人だったし、
家でも殆ど一人だった。
私の唯一の友達といえば、
この日記帳だけだった。
毎日日記を書きながら
日記帳と会話していたわ。
私がやりたい事、
欲しい物を全て
この日記帳に書いていた。
それらがいつか、全て叶ったら
どんなに良いのか・・・。
そのうち、叔母が亡くなり
私は施設に預けられた・・・。
身内が全く居なくなった。
私は生涯一人だと思っていた・・・。
だけど、あの方が私の前に
現れた・・・)
ミレディは、アルバムを開いた。
ミレディは、1枚の写真を
じっと見つめていた。
その写真には、ミレディと
金髪で紳士風の男性が写っていた。
(金髪で背の高く、紳士風の男性。
ニコラス・シャルロット教授。
彼が私を引き取ってくれた。
そして、私の話を聞いてくれた。
そのうち、私は日記を書かなくなった。
話せる相手が見つかったから。
380年前のミレディ・シャルロットの
話もしてくれた・・・。
あれから、何年になるのだろう・・・)

摩耶は母親幸恵の病室に居た。
病室には、摩耶以外に医師や
看護師が居た。
「母さん・・・」
摩耶は幸恵の手を握っていた。
「ピーーーーーーー!」
「夏川幸恵さん、只今永眠されました」
「母さん!母さん!
起きてよ!死なないでよ!
私を一人にしないでよ!
母さん!」
それから摩耶は実家に戻り、
荷物の整理をしていた。
(この服、母さんとても
好きだったわ、この服も。
でも、もう着る事はないわね。
処分しよう・・・)
タンスの奥から古いアルバムが
出て来た。
(こんなところにアルバムが・・・)
摩耶は手を止めてアルバムを
見ていた。
(懐かしいわ、母さん若い・・・。
私もまだ子供だったのね・・・。
本当の父さんだって生きていた・・・)
摩耶がしばらくアルバムを
見ていると、ある写真に目が止まった。
(え?この女の子だれ?)
その写真には、幸恵と摩耶、
そして真央が写っていた。
摩耶は真央に指差した。
この子いったい誰なのよ?
知らないわ・・・。
隣近所にも、こんな子いなかったわ。
どうしてこの写真に
知らない子が写っているの?)
摩耶は別の写真を見た。
(この写真にも写っている。
私の知らない子が・・・。
このアルバムも要らないわね。
処分しよう・・・)
真央が写っていた写真から
真央の姿が消えた。
(あれ?こんなところに
学生証が落ちている?
私のかな?)
摩耶は学生証を拾った。
(中学校の頃の学生証だわ。
でも、写っているのは
私じゃない、誰?この子?
名前が夏川真央になっているわ。
知らないわ・・・。
だって私は一人っ子だし。
義理の父は子供は居なかった。
いったいどういう事?
まあいいわ、知らないから
これも処分しましょう)
真央の中学校の頃の
学生証も次第に顔写真が消え
名前も消えた。
真央は、現実の世界から
姿を消したので、
真央の記憶や記録が全て
消えていた。

レッドローズ・パンドラ。
事務員の沙也加が
オフィスでバイオリンを
演奏していた。

♪Paganini Caprice No.24♪石川綾子(効果音)

ミレディは、ソファに座って
演奏を聞いていた。
(沙也加ちゃんのバイオリン見事だわ。
さすが実母がバイオリニストだった
だけはあるわね。
沙也加ちゃんだって実母の血を
しっかり受け継いでいるわ。
ここで事務員にしておくのが
勿体ないくらいね・・・。
でも、おかげで生演奏が
聞けるから最高だわ・・・)
沙也加の演奏が終わった。
「沙也加ちゃん!素晴らしいわ!
貴女はやはり天才ね」
「いいえ、母さんには
まだまだ及びませんよ。
母は私よりずっと天才でした。
もし、生きていたら絶対に
世界的有名なバイオリニストに
なっていました」
「そう、とても素敵なお母様
だった様ね」
「はい!」
「それで?叔父様とは会ったの?」
「はい、会いました。
昔、よく行っていた
カレーライスの専門店で
会いました。
店内はオールディーズの曲が
流れています。
私はあまり好きになれませんが、
叔父さんは、とても気に入っています」
「無理もないわ・・・。
オールディーズは、1950年代~1960年代の
アメリカやイギリスの曲だからね。
私だってまだ生まれてない頃よ。
今の世代には馴染めないわね」
「でも、カレーライスは美味しいです。
私、子供の頃から好きでした」
「そう、私も行ってみたいわね。
今度紹介してね」
「はい!」

ミレディは、支配人室に入った。
ディスクの引き出しから
あるマニュアルを取り出した。
(沙也加ちゃんが叔父様を
憎んでいる・・・。
きっと叔父様に復讐したい
でしょうね・・・。
だからと言って、
沙也加ちゃんを真央様の様に
理想の世界に送ったら、
沙也加ちゃんは現実の世界に
戻れなくなってしまう。
現実の世界に居ながら
復讐出来る方法・・・。
インファーナル・・・。
でも、これは絶対にやっては
いけないとニコラス教授から
強く言われているわ・・・。
パンドラプランナーが
絶対に使ってはいけない・・・。
でも、インファーナルを使えば
沙也加ちゃんは、現実の世界に
いながら叔父様に復讐する事が出来る。
でも、それはゲスト様である
叔父様を不幸にしてしまう。
本来、パンドラプランナーは
ゲスト様に幸せになって貰う為に
ゲスト様が理想とされる世界を
作るのが仕事よ。
それを、ゲスト様を不幸に
するなんて・・・。
理想の世界ではなくて
地獄の世界に向かわせる・・・。
でも、一度やってみたいわ。
どうなるのか見てみたいわ。
それには、ニコラス教授の許可が
必要になるわね・・・)

レストラン・オールディーズ。
店内で店長の吉田が
カレーライスを食べていた。

♪ Mr. Lonely♪Bobby Vinton(効果音)

吉田の席に、ウエイトレスの奈美が
やって来た。
「吉田店長?今日は、これから何処かに
行くんですか?」
「そうだよ、食事が終わったら
行くつもりだ。
それまで、三田君とお店を頼むよ」
「わかりました。
それより店長、ポニーテールと
ミニスカートですが、
出来たらこれ止めたいのですが?」
「ポニーテールとミニスカートを止めたい?
どうして?」
「だってダサいですよ。
この恰好だと友達にも見せられない
ですよ」
「奈美ちゃん、このレストランは
オールディーズと言うじゃないか。
オールディーズは、1950年代~
1960年代の曲なんだよ。
その頃は、女の子は殆ど
ポニーテールをしていたし、
ミニスカートを着ていたんだ。
その頃の雰囲気を出す為に
当店では、ウエイトレスには
ポニーテールとミニスカート、
ウエイターには、7.3カットを
しているんだよ。
これは、先代店長の遺言でも
あるんだよ」
「はぁ・・・」
「先代店長のジョン・松田さんは
アメリカ育ちだが、奥様と日本に来て
このレストランを建てたんだよ。
1960年代からある老舗なんだよ。
伝統を簡単に捨てる訳には
いかないよ」
「は~い」
(先代店長のジョン・松田さんから
店長を引き継いだ・・・。
しかし、そのおかげで
僕は大事なものを失って
しまった・・・。
この店を引き継がなければ
僕の人生はもっと別のものに
なっていたかも知れない・・・)
吉田は、スマホを開いた。
(レッドローズ・パンドラ・・・。
人生をやり直したい人に
理想の世界を作り、
提供してくれる・・・。
そろそろ行くか・・・)
吉田は店内から出た。
♪追憶♪Kalafina(挿入曲)
continues・・・
♪光の旋律♪Kalafina(小説 ending)
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