高学年になっても日頃雪とは無縁の生活をしていると、やっぱり嬉しいもの。
こんな子がお目見えしていました(笑)。
さて、先日、ホームモンテッソーリスクールでは幼稚園クラスのおしごととして「思いやりの心」についての活動をご紹介しました。
小学生になると通知表の中でも評価されてしまう「思いやり」という欄。
一斉教育の中では、「自然と育つ中で身につける」という位置付けで、敢えて「思いやりの心」を教えるという場面はあまりないのかもしれません。
モンテッソーリ教育には「日常生活の練習」の分野の中に「社交的なふるまい」と呼ばれるものがあります。日本語では「社交的なふるまい」と一般的には呼ばれていますが、英語では“Grace and Courtesy”と呼ばれています。
辞書で引くと、“Grace”は「優雅、気品、上品」、“Courtesy”は「礼儀、丁重、親切」などとそれぞれ訳語が出てきますが、ここでは「自分にも他人にも優しく振る舞う」ことを表します。
モンテッソーリ園に足を踏み入れるとまず目に飛び込んでくるのは、マットの上でおしごとをする子どもたちの姿かもしれません。マットの上を歩くのではなく、周りを歩く子ども達。それは相手のスペースへの尊重を表します。時には、椅子を運んでいる子どもに遭遇するかもしれません。なぜ重い椅子を引きずらずに、両手に抱えて運ぶのか。引きずってしまうと、自分も他人もそして環境も傷つけてしまう可能性があるからです。「椅子を引きずってみたい」という衝動に駆られたとしても、自分のためにも相手のためにもならないことは我慢する。これが“Grace and Courtesy(社交的なふるまい)”と言えるのでしょう。
このように、自分にも他人にも優しく振る舞うことを、園生活の中で学んでいく子ども達。
幼児期の子ども達が、果たしてどのようにしてこれらを身につけていくのでしょう。
そこにはモンテッソーリ女史の発見したこの時期の子どもならではの特徴が大きく関わっています。
乳幼児期は、良くも悪くもすべてを吸収する時期という大きな特徴があります。
環境の中にあるすべての見たもの、聞いたものを、スポンジが水を吸い取るように、すべて吸収していく子ども達。
この時期に大人が行っていること、言ったことは、すべて子どもの中に吸収されていくのです。
この特徴を活かし、「思いやり」「勇気」「共感」「感謝」「責任」「忍耐」「平和」など、どこか日本の一斉教育では自然と身に付くと考えられているような概念も、一つずつ伝える機会を設け、また日常の中で大人がロールモデルになっていくことで、子ども達はこれらを吸収していきます。時にはお友達と衝突してしまった時にはどのように解決していくかなどもあらかじめロールプレイをすることで、子どもたちはいざそういう場面に出くわしても、学んだことを少しずつ体現できるようになっていきます。
娘の幼児期を振り返ると、我が家のホームモンテッソーリもこの“Grace and Courtesy(社交的なふるまい)”を意識した時間が長かったと感じます。まずそのためには、ロールモデルである大人の振る舞いが大切なため、自分自身が襟を正さなければならない場面が多すぎて、疲れ果てたことも思い出します(笑)。
美しい教具も多く、算数教育などそれはそれは魅力的なモンテッソーリ教育。
ただ、算数はそろばんでも公文でも他にも学べる手段は多いですが、「社交的なふるまい」はモンテッソーリ教育ならではだと感じます。非認知能力を育てることが求められている今、何を伝えるか、大人側の優先順位も見直す機会なのかもしれません。
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