元々フライトアテンダントだった彼女。
出産を機に、キャリアチェンジをしようと大学院に通い出し、6年前から高校教師の道に。
今回2つ目の修士号を取得しようと奮闘するその姿に大きく励まされています。
白人の彼女が勤務する公立高校の主な生徒はアフリカ系アメリカ人。
大きなやりがいを感じながら、日々立ち止まることも多いと言います。
「どうせ私のことは嫌いでしょ」
白人の教師というレッテルが先行し、このような心無い言葉が生徒から飛んでくることも珍しくないのだとか。
「私がいつあなたを嫌いなんて言った?一度も言ったことないわよ。勝手に決めつけないで。」
必要以上に包み込むわけでもなく、突き放すわけでもなく。
そこはあくまでも「対人間」として、話し合いの姿勢をしっかりと持ちたいという彼女。
でも、若干まだ15歳でこんな言葉が出てくるような経験をしてきたゆえだと肩を落とします。
シングルマザーの家庭が大半だという彼女の学校の生徒たち。
そして悲しいことに父親は刑務所ということも珍しくないと言います。
まさに、今回課題図書で読んだ「学校から刑務所のパイプライン」という副題と同じ状況。
当時小4だった娘に「差別についてどう伝えていくか」と悩んでいた母ですが、今回こうしてアメリカに暮らすクラスメートと日々やり取りをすることで、実はアメリカに暮らしていた時には見えてこなかった人種差別の根の深さを改めて感じています。
司馬遼太郎氏の言葉を借りれば、まさにそれは「絵葉書や映画を見ている」かのような感覚。
日本に住んでいると「特権」や「優位性」といったキーワードとは無縁になりがちですが、無関心こそが差別を生む一歩となりえることに、改めて自分の日々の行動や思考など考えさせられています。
モンテッソーリ女史が目指した平和教育とは一体どういうものだったのか。
彼女の思想をどう体現し、どう子ども達と日々向き合っていくべきか。
「おしごと」だけではない、モンテッソーリ教育の真髄をどう行き渡らせるのか。
考えることは山のようにありそうです。
◆◆
今週はPaul Gorski氏のこちらを再読。
「平等と公平は違う」という言葉が印象に残っています。
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