どの子どもにも大切なおもちゃがある通り、娘も毎晩寝室まで持っていくぬいぐるみがあります。そんな風に大切だと思える気持ち…。実は、モンテッソーリ教具に対しても似たような思いを抱いているようです。初めてその教具とどのような形で出会ったかまでを記憶している彼女。
分数の代表教具「はめ込み分数」もまさにそんな対象の教具。緑色の枠に収められた赤い色の円。見ているだけでうっとりするような美しさに親子で心惹かれています。
直径10センチの分割されていない完全な円形から、1/10に分かれた円形。
提示方法は教師養成講座によって多少手法が違うようですが、我が家は慣れ親しんだ金ビーズの1からスタートするこの手法が気に入っています。
「この金ビーズが表しているのは1。このはめ込み分数が表しているのも1。なんと、この金ビーズをつぶしたら、まっ平になって赤くなっちゃったんだって。」なんて言うストーリーはもう小3の娘には通じませんが(笑)。
次は1/2のはめ込み分数を取り出し、「どうして、これが両方とも1/2だって証明できる?」と聞くと、平面をくっつけて証明してくれました。
同様に1/3も取り出します。
「ほら、1つ目の1/3と2つ目の1/3も同じ。2つ目の1/3と3つ目の1/3も同じだよ。」
お次は1/4を取り出します。
指先までしっかりと神経が通うこの感覚が、モンテッソーリ教具と向き合うときの基本です。
どんどん分割されたものの面積が小さくなってきました。
このインセッツがぴったりはまる感覚が、この教具と触れ合う上での醍醐味のようです。
幼児期にはケーキに見立てていたこの教具。概念が飲み込めるようになると、全く別のものとして見えるようです(笑)。
手が育っていないと扱いが難しいモンテッソーリ教具ですが、丁寧に敬意を持って扱うこの時間がスペシャルな時間となっています。
随分長いことこの教具と触れ合っていた娘。やっと1/10まで来ました。
分数とは時計で例えてみると、時間と分だったり…。
お金で例えるなら、100円玉と10円玉だったり…。
モンテッソーリ教育の素晴らしさは、知っているものをベースに、新たな知識を積み上げていくことができる部分だと感じています。また、問題を解くことに集中しがちな算数という教科も、教科の枠を超えた概念に深く触れることができる機会が自然と生まれるのも、モンテッソーリマジックの素晴らしさだと思います。
分数を知らない頃は、いつも「全部」「半分」「多め」「少なめ」という表現しか出てこなかった娘。けれども、こうして分数の世界を知ることで、さらに正確に表現できることも多くなってきました。紙の上ではどこか難しく感じる分数も、いざ生活の中で使ってみると、ぐっと近づけるのかもしれません。
娘の分数の世界はまだまだ続きます。
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