モンテッソーリ教育というと「賞罰の概念がない」「競争がない」ということをご存知の方も多いと思いますが、それに加えてないものがもう一つ。それは、宿題です。
これほど高度な内容に幼児期から触れる機会が十分にあるのに、宿題は存在しないモンテッソーリ教育。どうして宿題が存在しないのか、放課後は何をして過ごすのか、非常に疑問でした。そして、モンテッソーリ教師を時たま悩ませるというのが、実際に通わせている保護者の方々より「お願いだから宿題を出してください」と懇願されるということ。我が子の学力を目に見える形で把握したい。何が出来て、何が出来ないのか。モンテッソーリ教育を受けて育ってきていない保護者側には、当然の感情かもしれません。
モンテッソーリのプライマリー、そしてエレメンタリーでは、午前中、そして場合によっては午後も長い時間おしごとの時間が設定されているため、子どもは必要なことはその時間内で十分に終わらせることができるといいます。そして仮に宿題が必要だと思う子どもがいても、そういう子には必要なものは、尚更机上のプリントではなく、教具棚の上の具体物。しかし実際は、一斉教育ではなく、常に教師がその子に合わせたものを提供してくれるため、子どもの吸収率は素晴らしいようです。
小学校高学年になると宿題が多少出る学校も中にはあるようですが、それは知識の植え込みや定着のためではなく、学校外での時間管理や責任感を学ぶため。そして宿題の種類としては、自身の興味に合わせたり、家族のモラルを高めるような活動が良いとされています。
これは教師養成講座で学習した一例。こんな活動が放課後に推奨されているようです。
●手紙を書く
●お話作り
●図書館通い
●読書
●新聞を一緒に読む
●身の回りにあるものの絵を描く
●夕飯の献立を考える
●夕飯の手伝い
●スーパーで買うもののリスト作り
●散歩
●ボードゲーム
●壊れたものの修理
●作曲
●ペットの世話
こう見ると、学問的要素よりも生きていくために必要な要素ばかり。そして子どもたちは、放課後家庭で書いたお話しを翌日学校に持ってきて皆に読んでもらったりとか、散歩途中に見つけたものを見せたりとか、実は宿題よりもずっと充実した時間を過ごしているのかもしれません。
こういうリストを眺めていると、家族の在り方までも考えさせられます。これから娘が生きていく上で本当に必要なスキルとは何なのか・・・。そのために、親は何が出来るのか・・・。
モンテッソーリ教育を通じて、生き方そのものを省みる機会が多いこの頃。地に足をしっかりとつけて、一歩一歩ゆっくり丁寧に歩んでいきたいと感じます。
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