愛犬チョッピーの壮絶な最後を
膝の上で看取ったせいで
内心、犬を育てる
スペシャリストぐらいの
気分になっていた。

生後3ヶ月のラブラドールの
雌犬スーピーを飼おうと
決めた時も自信満々だった。

ところが家に連れて帰ってきた
その日から、自分がいかに
犬に対して無知だったのか
とことん思い知らされてます。

実はチョッピーが我家に来たのは
生後11ヶ月を過ぎてからで
前の飼い主がどうしても
飼えなくなってしまって
我家に転がり込んできた。

我家に来る前の4ヶ月間は
訓練所で暮らしていたので
色んなしつけが
完全に身に付いた犬だった。

その事の意味もちゃんと
分からないまま
「犬を飼うって案外簡単やん」
チョッピーがテキパキ
やってくれる事を
「俺って意外とやるなぁ」と
本気で誤解してた。


スーピーが我家に来て
初めて、自分が全く犬の事を
分かってない事に気付かされてます。

しつけの入っていない子犬を
育てるって事がどれだけ
大変な事なのか
思い知らされてる毎日です。

うんちやおしっこを
そこらじゅうでタレ流すし
なんでもかんでも噛みちぎる
破壊魔だし
坂道や階段は抱っこしないと
テコでも動かないし
朝から晩まであっちこっちで
「ダメー」「コラー」が
飛び交ってます。


それでも100%甘えて委ねて
膝の上でスヤスヤ眠る姿を見ると
その日のドタバタ騒動が
全部すっ飛んでしまうくらいの
愛が込み上げてきて
心の底からカワイイと思ってしまう。

チョッピーとの経験がなければ
ホンマに途方に暮れてしまう様な日々を
なんとかかんとか、いずれは
あーなるんやと信じてやってきた。

やっと慣れてきて
この新たな暮らし方が
分かり出してきた今日この頃です。

スーピーが我家に来る前に流れていた
我家の空気と今はまるで別世界で
良くも悪くも家の中が活力に溢れてます。

スーピー1匹でこのエネルギーを
生み出してると思うと
子犬の持つ爆発的なエネルギーの
凄さに度々驚いてしまう。

フッと気がつくと
噛みちぎってボロボロになった
スリッパを咥えて
平然と俺の前を横切るスーピー。

アッという間にノートや本を
噛み散らかして
リビングを別世界にし
それでもキョトンとした汚れのない
眼差しで俺をみつめてくる。

よーく考えたらちょっと前には
考えもしなかった非日常を
今は生きてるわけで
大変と言えば大変なんだけど
オモロイと言えばめっちゃオモロイ!

まあこんな事言えるのも
やっと一息つけ出したからで
どーにかこーにか第一段階を
乗り切ったのかもしれない。

この先どーなっていくのやら
楽しみでもあるけど恐ろしくもある
なんか妙な気分です。

でも我家全員愛のオーラが
噴き出しています。

子犬のチカラは
俺の想像を超えています。