こんばんは。こむぎです。

色んな方からバックパッカーもんちゃんの
旅話を聞きたいと言われますので
以前ファンクラブの会報に掲載していた
旅日記をこちらに載せていこうかと思います☆

その国の景色や空気をイメージしながらお読み下さい!

BGMはやっぱり「ジャーニー」ですかね♪





第1話「ネパール」1990年

ネパールを旅してきた。
なぜかアジアを見たいと思って始まった一人旅も
今回で4度目。

生活様式のあまりの違いに
狂信がなかなか取れなかった最初の一人旅タイを思うと
ネパールではすっかり旅人姿も板について
ゆったり満喫することができた。

飛行機の中から初めて見る
カトマンドゥの姿に度肝を抜かれた。

ヒマラヤに囲まれた赤茶けた土色の
見たことない不思議な街並みに
冒険心がかきたてられる。

はやる気持ちをおさえながら
税関をぬけて外に出ると
ワーッと押し寄せてくる客引きの群れ。

その一人に連れられてニューロードの
安宿に宿をとったのが夕方近く。
さっそく街にくり出した。

人でごった返す夕暮れのバザールを歩くと
持ちきれないような荷物を素足で運ぶ人、
必死で値切るおじさん、おばさん
大声で叫ぶ売り子達。
その中を牛や犬や鶏が悠々と歩いてる。

俺の持っている物差しでは計れない
人間のエネルギーに圧倒されてしまう。

俺の常識なんて
ここじゃ鼻くそみたいなもんだ。

小さいお寺の石段に腰掛けて
そんな様子を眺めていると
妙に心が落ち着いてくる。

自分のアイデンティティが壊れていくのが
なぜか心地いい。

「こんなんでも人間って生きていけるねんなぁ」

初めて一人旅でアジアに踏み込んで
最初に感じたフレーズが、またも胸に蘇る。

くすぶっていた俺の中の何かが
むくむくと目を覚ましだすのを感じる。

この喧騒がただの雑音に聞こえだした頃
カトマンドゥを離れた。

古都バクタブル、
エベレストがバッチリ見えるナガルコット、
湖とアンナプルナ連邦の展望で有名な観光地ポカラ
と廻って、最後に広大なジャングルが
そのままの動物の天国チトワンにやってきた。

牛車に乗ってザブザブを川を渡り
ゆらゆら揺られて着いた所がソウハラという
電気も水道もない小さな村。

川に橋が掛かっていないせいだろうか
ここではバイクも車も一台も見かけない。

「ここのサンセットは最高だ」
という村人の案内で
ジャングル近くの川辺で
でっかい太陽がジャングルに沈んでいくのを見た。

遠くに雪を被ったヒマラヤの山々。
そしてジャングル。
真っ赤に染まった川を地元の人達が
木彫りのボートで渡っていく。
まさに別世界である。


次回につづく。