再婚禁止期間違憲判決※追記、判決文全文読みました! | 地方弁護士のその後

地方弁護士のその後

2014年4月地方下位ロー(未修)入学
2016年予備試験最終合格 
2017年司法試験合格
2018年第71期司法修習生
2019年弁護士として始動

今日、再婚禁止期間(民法733条1項)の合憲性に関する最高裁大法廷判決が出ました。





大方の予想通り、100日を超える期間が違憲になりました。





平成7年判決は現行の再婚禁止期間を合憲としましたが、そのときこの制度趣旨を「父性の推定の重複を回避し、父子関係をめぐる紛争の発生を未然に防ぐことにある」と述べていました。







しかし現行法は、再婚禁止期間を6カ月としています。




ですが、重複を避けるためには最低100日でおkです。






つまり、嫡出推定は離婚後300日以内に生まれた子、婚姻後200日を経過して生まれた子に生じるので離婚後に100日間再婚を禁止すれば、父性の推定の重複は生じないわけです。







実はこの問題はかなーり複雑で、「そんなもん全部DNA鑑定すりゃええやんけ!!!」と思ってたんですがそんな簡単な問題ではないみたいです(あたりまえやわい)。






いろいろ調べて情報提供できれば、と思いましたが断念します…





興味がある方はさしあたり法学教室325号6頁以下を参照してください。








国賠請求については否定されました。



平成7年判決当時は「憲法の一義的文言に反する」基準が使われており、今回は在外邦人判決の基準が使用されるので万に一つあるかな、と思いましたがありませんでした。





一番気になるのは、再婚禁止期間を残すにしても例外を認めていないことですね。



行政の運用がどうなっているかまではわかりませんが、733条の趣旨を上記のように解するなら懐胎していない女性は離婚後何日経っているかなんて関係なく結婚できるはずです。




他にも夫が何年も行方不明の方だって問題ないはずです。





ただ、あまりにも例外を認め過ぎると、結婚中に別の男性の子を妊娠したにもかかわらず、その浮気相手の子を嫡出子として認めろとか言い出す基地外が湧いてきて、婚姻制度が崩壊するという批判があるらしいんですがこれはもっともですな。





さらに、我妻先生の家族法の教科書を見ると、もともとこの規定の趣旨は「別れた夫に対する『貞』を守る意味であった」と述べています。


また、再婚禁止期間について「待婚期間という制限そのものを廃止するのが一層賢明であろう。ことにわが国のように、再婚は、多くの場合、前婚の事実上の離婚と後婚の事実上の成立(内縁)を先行している実情の下では、弊害も多くはないであろう。」と述べている。




なんらかの理由で夫との離婚が成立しない場合に、離婚を待たずに付き合い、内縁となり、子を生んでしまうことが社会的な実情として多いんでしょうか。




俺の周りにはあんまりいないけど…。






実は今回の事案も夫との離婚が成立しない間に、愛を育んでしまった事案です。


たしかにDV野郎とかだったらごねてなかなか離婚できそうにないもんなぁ。



それで離婚後すぐにお付き合いをしていた男性と結婚しようとしたところ婚姻届が受理されなかったようです。妊娠してないのに…







原告代理人の作花先生は実はアメブロでブログを書いていらっしゃいます。


再婚禁止裁判についても記事を書かれていて、僕がコメントしたら丁寧にお返事を下さいました。



素晴らしい弁護士先生です。






とりあえず、違憲判決おめでとうございました。







夫婦別性は合憲になったようですね。






※41ページにわたる判決文を全文読みましたので情報を追加します!





上記の情報にいくつか誤りがありました。



裁判所のホームページから飛んで判決文全文確認したところ、判決文では100日を超える部分を違憲とし、100日以内であれば一律合憲としていますが、共同補足意見を読むと、そのような一律合憲を支えるために行政通達を出すなどして、妊娠していない女性など再婚禁止期間の趣旨が及ばない女性については婚姻届を受け取るよう指導すべきである、と述べています。


つまり、最高裁は例外を認めるべきである、と言ってます。




それから受験生には承継的共同正犯でおなじみの千葉勝美裁判官の補足意見!




これがクソ重要なこと言っています。




まず、平等原則違反の争い方について述べています。これは、憲法解釈論の応用と展開で宍戸先生が述べてたこととぴったり重なるところがあります。内容がかなり高度なのですが、とても重要です。平等原則違反を争う場合、手段そのものを採用することの是非(本件であれば再婚禁止期間の長短ではなく、再婚禁止期間を定めること自体の是非)を緻密に審査すべきだと述べています。詳しく知りたい人は宍戸先生の平等原則の個所参照してください。




それから、在宅投票制度判決で最高裁が述べた、国会議員の立法行為が国賠法上違法となる場合の基準と在外邦人選挙制度判決で最高裁が述べた基準(ちまたでは実質の判例変更だと言われているやつ)の関係を緻密に論じています。これは比較的分かりやすいです。



この点について最高裁は新しい言い回しを採用したんですが、そのような言い回しが採用された経緯、及び判例の射程について述べてくれています。


なんか司法試験受験生のための補足意見じゃないかと思うくらい丁寧ですWWW





以上、追記でした。