iPS細胞ノーベル賞受賞したああ!!! | 栗とリスを愛するブログ

iPS細胞ノーベル賞受賞したああ!!!

発表当初から絶対受賞すると言い続けて早六年!
生物系の学生が待ち望んでいた受賞です!

わからない方のために少し説明!

iPS細胞とは
人工多能性幹細胞(Induced Pluripotent Stem cells)のことです。
なぜ「i」が小文字なのか!そこには「iPod」のように広く世界に広まってほしいという山中先生の思いが込められているとかいないとか!
iPS細胞の凄さ、というのは多くのニュースや特番で説明すると思いますが、私も少し説明させていただきます。

まず、その凄さを理解するためには、少し知識が必要です。
ES細胞をみなさんは知っているでしょうか。

まずはES細胞のすごさを学びましょう。

・ 分化多能性、自己複製能を有する。
ES細胞とは受精卵の一部を取り出し、培養することで作成できる多能性幹細胞のことです。
多能性幹細胞とは、「分化多能性」と「自己複製能」を持つ細胞のことです。
「分化多能性」とは、「多くの細胞に変化しうる能力」のことです。
「自己複製能」とは、「無限に増殖しうる能力」のことです。
つまり、この細胞は理論上「胎盤を除く」すべての細胞に変化させることができ、かつ無限に増殖させ続けることが可能です。
この細胞の登場で、臨床医療や細胞基礎研究などにおいて研究の幅が大きく開けました。

しかし、この細胞の利用には様々な問題があったのです。

以下がその問題点です。

1. 「夢の万能細胞」ではない
メディアではよく「万能細胞」という言葉を用います。
しかし、ES細胞は万能細胞ではないのです。
ES細胞は分化多能性を有しています。これは「多くの細胞に変化しうる能力」のことです。
かわって、万能細胞は「分化全能性」を有します。例を挙げれば「受精卵」がそれに当たります。
分化全能性とは、「すべての細胞に変化しうる能力」のことです。
前述した通り、ES細胞は「胎盤を除く」すべての細胞に変化することができます。
そのため、胎盤の基礎研究などには用いることができないとされてきました。
なぜ胎盤に変化できないかといえば、細胞の作り方に問題があります。
ES細胞は受精卵が「将来胎児になる細胞」と「将来胎盤になる細胞」に分かれるときに「将来胎児になる細胞」から作成されます。
そのため、理論上、ES細胞は胎盤になることはできないのです。
すなわち、ES細胞は、「夢の万能細胞」にはなり得ないのです。

2. 移植時の拒絶反応
ES細胞などの幹細胞を用いて組織片を作り、患者様に移植するのが再生医療です。
しかし、ES細胞は、元は受精卵です。つまり、♂+♀の細胞から成り立っています。
すなわち、人一人の細胞からできているわけではないのです。
そのため、患者様に移植しようとすると、どうしても拒絶反応が起きてしまうのです。

3. 生命倫理
これが一番の問題です。
上記二つは対抗策を立てようとすれば立てれるものでした。
分化多能性については、胎盤系の細胞の実験に用いなければいい。
拒絶反応については免疫抑制を行うなどの策がありました。
しかし、「生命倫理」。これが問題です。
ES細胞は受精卵を破壊して作製します。
ここで問題になるのが、「どこからを生命とするか」です。

胎児にまで変化していない受精卵であっても、一つの生命の源であると考える方が多く居られるのです。
そのため人間のES細胞の実験などへの使用は極力避けられてきました。



ES細胞のすごさ、問題点について、大まかに説明させていただきました。


ここからが本題、
iPS細胞のすごさです。

1. 樹立法から見る「生命倫理」の問題解決
iPS細胞は、ES細胞と異なり、受精卵を破壊しません。
iPS細胞は皮膚などの細胞に、4種の遺伝子を入れ、「皮膚になった」細胞を、「皮膚になる前の」細胞に巻き戻してしまうのです。
つまり、一個体の体細胞の一部さえあれば作製可能なのです。そのため、ES細胞において一番問題だった、「生命倫理」の問題を完全に解決してしまったのです。

2. 樹立法から見る「拒絶反応」の問題解決
前述したように、iPS細胞は一個体の細胞があれば作製できます。
ここからもう一つの問題も解決できます。
そう、「拒絶反応」です。
ES細胞は♂+♀、二つの細胞からできていました。しかし、iPS細胞は一つの個体から作製できるのです。
つまり、Aさんの細胞から作製したiPS細胞は、理論上、Aさんに対して拒絶反応を示すことはないのです。

3. 「夢の万能細胞」の可能性
iPS細胞は、特定の細胞を、特定の細胞になる前の状態に巻き戻してしまう技術を用いています。
つまり、理論上、何にでもなることができる状態になっている、と考えられるのです。
まだ、全能性があるとは証明されていない(と思う)ですが、メディアの言う、「夢の万能細胞」になり得る可能性を有するのです!


以上がiPS細胞のすごさ、でした。
できるだけ専門知識のない方にもわかるように書こうとしましたが、わからないことがあったら質問してください。また、その過程で言い回しに適切ではない箇所があるかもしれませんが、そこはご了承ください。


ではでは!山中先生!おめでとうございました!

どろーん