第一回のスペシャルドリンクの内容に続いて、今回はカーボローディングについてのブログになります。
前回のブログの最初に述べだように、マラソンにおいて、筋のグリコーゲンを減少・枯渇させないようにする事は重要です。このグリコーゲンの減少・枯渇を抑制する手法として、マラソン中の補給の他にカーボローディング(グリコーゲンローディング)があります。


カーボローディングの目的
いやいやそんなのわざわざ言われなくても筋のグリコーゲン貯蔵量を増やす事に決まってるやろ!と思う方も居られると思います。勿論それがメインの目的ですが、もう一つカーボローディングによって見込める効果があります。
前回の記事でも触れましたが、グルコースの小腸の吸収における輸送体にSGLT1があります。このSGLT1は糖質の少ない食事に比べて、糖質の多い食事を摂取すると発現量が多くなるそうです。しかも、その適応は数日間という短期間で起こるそうです。このことからカーボローディングでもこの効果が見込め、マラソン中の補給をより効果的に行えると考えられます。

カーボローディングの手法
カーボローディングの手法として主に以下の三つの手法があります。

「初期型」
①1週間前に高強度運動
②3日間低糖質食(<2g/kg体重/日)
③3日間高糖質食(8〜12g/kg体重/日)
「改良型」
①1週間前に高強度運動
②3日間高糖質食(8〜12g/kg体重/日)
「最新型」
①1〜3日間高糖質食(8〜12g/kg体重/日)

それぞれの手法における筋グリコーゲン量の増加具合は以下のようになるそうです。

つまり改良型や最新型でも十分に筋グリコーゲン量は高められるという事です。
それならば一度糖質制限をして、下痢や疲労感が出るリスクしたり、試合前までに高強度運動をして疲労感が出るリスクを犯してまで「初期型」や「改良型」をチョイスする必要はないですよね。
ただ、これはトレーニングを十分した人において言える事です。その理由としてはトレーニングしている人は血中から筋にグルコースを取り込む輸送体であるGLUT-4が大きく増加している為、血糖の取り込み能力が一度枯渇させなくても十分に高いからだと考えられています。
そこで自分も含め、僕のブログを見るような方は恐らくこの十分にトレーニングしている人に含まれていると思うので、この「最新型」をチョイスするのが良いのかなと思います。

という事は自分の体重58kgで考えると3日前から1日あたり、464g〜696gの糖質を取れば良い事になります。
ただ3日間全ての糖質量を計算して、食事内容を変えるのは大変ですから、日本人の平均的な糖質摂取量と言われている300gを引いた164g〜396gを普段の食事にプラスで取ろうというようにしても良いかも知れません。具体的に言うと、白米お茶碗一杯(150g)に対して糖質が55.1gなので毎食お茶碗一杯プラスするというような形ですね。それが胃に負担があるように感じる場合は糖質45gのinゼリーを毎食後+寝る前に取ると言うのも簡単で良いかも知れません。


inゼリーは高いので、上のようなスポーツ用品店とかドラッグストアのinゼリーもどきのものが糖質量一緒で100円弱で売っているのでおすすめです。
これであれば、4食×3日間×100円=1200円程度でカーボローディング出来ます。
今回、自分もこのようなゼリーを使いつつカーボローディングしようと思ってます。


以上が今回の内容になります。
今回もこちらの寺田新先生のスポーツ栄養学を主に参考しました。


参考文献

寺田新著
スポーツ栄養学

東京大学大学院総合研究科身体運動研究室編
身体動作科学アドバンスト