以前、私のデスクの「クレーム対応電話」に、
塾に子供を通わせているお母様からお電話。
内容は、
「先生が頼りにならないので辞めさせたい」
と云ったモノでした。
詳しくお伺いすると…、
ある日子供が塾から帰ってくると、子供がお母さんに報告。
「今日は先生が授業中にいきなり泣き出してさ。それ以上授業にならなくて参ったよ。
何で泣いてるのかわからないんだ。困っちゃよ。」
以上の様な内容だったそうです。お母さんの話では、どの先生かはわからないけど、
それを聞いて信用できなくなったとの事。あまり詳しくご理解されていない様子でした。
(それで辞めさせるまでに話が進んでしまうのが、こちらとしては納得行きませんが・・・)
私はその電話で謝罪をして、調査をした後改めて連絡すると約束しました。
ニュアンス的には授業中にワーワー泣きだして、授業を放棄してしまったような、
そんな感想を受けてしまいますが、実際本当の処はどうなのでしょうか?
日時も解らないので、ひたすら業務報告書を読んでいきましたが、それらしき報告はありません。
さて、調べてみると該当する゛容疑者゛が浮かび上がってきました。
当時23歳の女性の講師。英語を担当しています。
学習塾の先生会議に出席させてもらい、その話を切り出しました。
懲罰の対象として調査しているわけではないので、正直に名乗り出てください、と穏やかに
伝えると、「あ・・・、私かも知れません・・・。」と静かに手を挙げました。
ここからは場を移して、1対1の面談。
私「授業中に泣いたんですか?」
女性講師(以下、講)「・・・はい。」
私「いつ?業務報告に目を通したんだけど、そんな箇所は無かったんだよね。」
講「いつかは覚えていないんですけど・・、それは報告しました。」
私「どのように?」
講「泣いたと言っても、涙が流れてしまったという感じでして・・・。それは恥ずかしいので報告は
しなかったんですけど。毎週英単語テストを実施していて、その点数が悪かったんです。」
私「だから泣いたの?」
講「いえ、そのクラス(成績的には最下位です)の8人の生徒のうち、一人を除いて不合格だった
時があったんです。それで、範囲が決まっているテストなんだから、貪欲に得点する為に
もっと練習して来なさい、と注意をして、その日は間違った箇所を5回ずつ練習させて帰しました。」
私「なるほど。そんな記録があった気がする。確か、次週とその次週も同じ様な感じだった?」
講「そうです。次週は全員が不合格で、ちょっと悲しかったんですけど、練習はしたの?って聞くと、
してないけど来週は頑張る、と云ったんです。全員が。」
私「(笑)。我慢したね。」
講「それで次の週、テストを実施する前に、『今週はテストの勉強した?』と尋ねると、『忘れた』
とヘラヘラしながら答えた子が数名いて。それでも我慢してテストを実施しました。それで
結果として、全員不合格だったんです。」
私「随分極端なレベルの低さだな・・・。その範囲表みたいなモノがあれば、見せてくれます?」
で、見ると確かに練習をすれば得点できる類のもの。
講「それで、私の高校受験の時の話をしたんです。私、どうしても合格したい高校があったんです
けど、努力した結果届かなかったんです。ですから、教科書を閉じて話を聞きなさい、と言って
努力の大切さと、努力しても報われない事もあるのに、努力すらしないのはお金を出して塾に
通わせてくれているお父さん・お母さんに失礼だという話をしました。」
私「なるほど。その中で涙がこぼれてしまった、というわけですか。」
講「はい。自分が高校入試の事を思い出して、感情的になってしまった事は否めませんけど・・・」
私「わかった。良い話をしたと思うよ。伝わらなかったのは残念だけど。」
この後、このクラスの他の授業担当者を呼んで話を聞くと、他でも同様のやる気のなさが見られる
様子。何もこの女性の先生の指導力量だけの問題ではなさそうです。
以上の事を踏まえて、その子のご家庭にもう一度電話。
これこれこう言う理由だったそうですよ、と伝えれば解って頂けるだろう。
と、思ったら。
お母さん「じゃあ、やっぱり泣いたんですね?」
私「え?あ。はい。そうですね。その部分は事実の様です。」
母「その点をしっかりと指導して頂いたんですか?」
私「指導ですか。叱責という形ではありませんが、しっかりと話をする意図が伝わるように話して
ください、といったアドバイスはしました。」
母「じゃあ、その先生が授業中に泣き出した事を、容認しているんですか??」
私「・・・、容認という言葉が適当かどうかはわかりませんが。あの、お母様。講師が涙を流した
理由をもう一度考えて頂けませんか?学習態度を改める為の説教の一環ですし、その点
を改める事なしにここままでは、まさにお父様・お母様から頂いた大切な御月謝を無駄に
してしまいます。ですから、私はこの講師が取った行動を正しいと思います。」
母「正しい??授業中に泣く先生のどこが正しいんですか??」
私「・・・・いえ、泣いた、という点だけではなく、今一度その理由をお考えになってください。
講師が涙を流した点を落ち度とするのであれば、その点は謝罪させて頂きます。
ただ、そこに至るまでの教育的指導の流れをですね・・・」
母「もういいです!そんな屁理屈を聞いているんじゃないんです!こっちはお金を払って塾に
通わせているのに、授業もしないでそんな話で時間を潰して、その後授業をしなかった
そうじゃないですか!」
私「わたくしが受けた報告によりますと、説教の時間は10分程度で、その残りは授業が進行
されています。細かくテキストのどこからどこまで指導して、終了したか、といった指導
報告書がございますので、確かかと存じます。」
母「・・・・じゃあ、10分は無駄に使ったという事ですよね??」
私「・・・・お母様が無駄な時間だと仰るのであれば、返す言葉もございません。私個人として
無駄な時間だったとは判断致しませんので、この様な感覚の行き違いが発生してしまい
ました。申し訳ございません。」
母「私はおたくにお金を払って子供を預けているお客ですよね?」
私「ごもっともでございます。」
母「その私が無駄と思った。あなたが無駄だと思わなかった。どっちが正しいんですか??」
私「・・・・判断しかねます(言っちゃった。せっかく我慢してたのに。ここが私の未熟な所・・・)」
母「私に決まってるでしょ!!!」
私「・・・・左様でございますね・・・。大変貴重なご意見をありがとうございます。」
母「とにかく、あなたの考えはわかりました。あなたなんかより、もっと上の人を出しなさい。」
※お客様相談係りとして話していましたので。すみません。これ以上、上はいません。
私「あいにく、席を外しておりまして・・・。後日折り返しご連絡さしあげますので・・・。」
※と、塾の店長から電話させようと思ったのですが・・・。
母「もう良いです!(ガチャ)」
私「・・・・・・(リダイヤル)」
母「もう良いって言ってるでしょ!」
私「はい、失礼致しました。ご迷惑をおかけした事をお詫びいたします。」
※本気で言ってます。理由はどうであれ、怒らせてエネルギー使わせてしまったので。
そんな訳で、後日塾から退学の手続きについて連絡をした時は、時間が経って思い直す事が
あったのか、冷静で落ち着いており、「すみませんでした。」と云った言葉も見られたの事。
結局、退学はせずにその後も通学し続けました。
【教訓】
① 文章の報告書では細かいニュアンスまで伝わらず、特に問題視する事もないと思われる個所に、
思わぬ落とし穴が・・・。この後、「生徒を叱った」という報告では、どの様に叱ったかをより細かく
報告させるようにしました。
② 折角話をしても、相手に伝わらなければ意味なし。「言ったか」ではなく「伝わったか」を確認しつつ
相手とコミュニケーションをとらなくてはならない。
③ どんなにこちらに非が無いと思っても、それを主張してはならない。ニコヤカに、まずは怒っている
箇所については全力で謝罪し、少し態度が軟化してから、「しかし、講師もこの様な意図があった
ようですよ」と伝えれば良かったでしょうか。
④ 一度怒りに火がついた相手は、簡単に火を消せない。怒鳴ったり、理不尽な意見を述べれば、
後で冷静になった時に恥ずかしいと思うはず。その気持ちを読み取ってあげる事。
「はい。そうですね。ごもっともです。申し訳ございません。」で相手の怒りが治まるのを待つ。
上の例でいえば、おそらくお母さんは子供の報告と食い違っている箇所に気が付きながら、
引っ込められなくなってしまったのでしょう。俗にいう逆ギレという奴ですね。
いかがでしょうか?
塾に子供を通わせているお母様からお電話。
内容は、
「先生が頼りにならないので辞めさせたい」
と云ったモノでした。
詳しくお伺いすると…、
ある日子供が塾から帰ってくると、子供がお母さんに報告。
「今日は先生が授業中にいきなり泣き出してさ。それ以上授業にならなくて参ったよ。
何で泣いてるのかわからないんだ。困っちゃよ。」
以上の様な内容だったそうです。お母さんの話では、どの先生かはわからないけど、
それを聞いて信用できなくなったとの事。あまり詳しくご理解されていない様子でした。
(それで辞めさせるまでに話が進んでしまうのが、こちらとしては納得行きませんが・・・)
私はその電話で謝罪をして、調査をした後改めて連絡すると約束しました。
ニュアンス的には授業中にワーワー泣きだして、授業を放棄してしまったような、
そんな感想を受けてしまいますが、実際本当の処はどうなのでしょうか?
日時も解らないので、ひたすら業務報告書を読んでいきましたが、それらしき報告はありません。
さて、調べてみると該当する゛容疑者゛が浮かび上がってきました。
当時23歳の女性の講師。英語を担当しています。
学習塾の先生会議に出席させてもらい、その話を切り出しました。
懲罰の対象として調査しているわけではないので、正直に名乗り出てください、と穏やかに
伝えると、「あ・・・、私かも知れません・・・。」と静かに手を挙げました。
ここからは場を移して、1対1の面談。
私「授業中に泣いたんですか?」
女性講師(以下、講)「・・・はい。」
私「いつ?業務報告に目を通したんだけど、そんな箇所は無かったんだよね。」
講「いつかは覚えていないんですけど・・、それは報告しました。」
私「どのように?」
講「泣いたと言っても、涙が流れてしまったという感じでして・・・。それは恥ずかしいので報告は
しなかったんですけど。毎週英単語テストを実施していて、その点数が悪かったんです。」
私「だから泣いたの?」
講「いえ、そのクラス(成績的には最下位です)の8人の生徒のうち、一人を除いて不合格だった
時があったんです。それで、範囲が決まっているテストなんだから、貪欲に得点する為に
もっと練習して来なさい、と注意をして、その日は間違った箇所を5回ずつ練習させて帰しました。」
私「なるほど。そんな記録があった気がする。確か、次週とその次週も同じ様な感じだった?」
講「そうです。次週は全員が不合格で、ちょっと悲しかったんですけど、練習はしたの?って聞くと、
してないけど来週は頑張る、と云ったんです。全員が。」
私「(笑)。我慢したね。」
講「それで次の週、テストを実施する前に、『今週はテストの勉強した?』と尋ねると、『忘れた』
とヘラヘラしながら答えた子が数名いて。それでも我慢してテストを実施しました。それで
結果として、全員不合格だったんです。」
私「随分極端なレベルの低さだな・・・。その範囲表みたいなモノがあれば、見せてくれます?」
で、見ると確かに練習をすれば得点できる類のもの。
講「それで、私の高校受験の時の話をしたんです。私、どうしても合格したい高校があったんです
けど、努力した結果届かなかったんです。ですから、教科書を閉じて話を聞きなさい、と言って
努力の大切さと、努力しても報われない事もあるのに、努力すらしないのはお金を出して塾に
通わせてくれているお父さん・お母さんに失礼だという話をしました。」
私「なるほど。その中で涙がこぼれてしまった、というわけですか。」
講「はい。自分が高校入試の事を思い出して、感情的になってしまった事は否めませんけど・・・」
私「わかった。良い話をしたと思うよ。伝わらなかったのは残念だけど。」
この後、このクラスの他の授業担当者を呼んで話を聞くと、他でも同様のやる気のなさが見られる
様子。何もこの女性の先生の指導力量だけの問題ではなさそうです。
以上の事を踏まえて、その子のご家庭にもう一度電話。
これこれこう言う理由だったそうですよ、と伝えれば解って頂けるだろう。
と、思ったら。
お母さん「じゃあ、やっぱり泣いたんですね?」
私「え?あ。はい。そうですね。その部分は事実の様です。」
母「その点をしっかりと指導して頂いたんですか?」
私「指導ですか。叱責という形ではありませんが、しっかりと話をする意図が伝わるように話して
ください、といったアドバイスはしました。」
母「じゃあ、その先生が授業中に泣き出した事を、容認しているんですか??」
私「・・・、容認という言葉が適当かどうかはわかりませんが。あの、お母様。講師が涙を流した
理由をもう一度考えて頂けませんか?学習態度を改める為の説教の一環ですし、その点
を改める事なしにここままでは、まさにお父様・お母様から頂いた大切な御月謝を無駄に
してしまいます。ですから、私はこの講師が取った行動を正しいと思います。」
母「正しい??授業中に泣く先生のどこが正しいんですか??」
私「・・・・いえ、泣いた、という点だけではなく、今一度その理由をお考えになってください。
講師が涙を流した点を落ち度とするのであれば、その点は謝罪させて頂きます。
ただ、そこに至るまでの教育的指導の流れをですね・・・」
母「もういいです!そんな屁理屈を聞いているんじゃないんです!こっちはお金を払って塾に
通わせているのに、授業もしないでそんな話で時間を潰して、その後授業をしなかった
そうじゃないですか!」
私「わたくしが受けた報告によりますと、説教の時間は10分程度で、その残りは授業が進行
されています。細かくテキストのどこからどこまで指導して、終了したか、といった指導
報告書がございますので、確かかと存じます。」
母「・・・・じゃあ、10分は無駄に使ったという事ですよね??」
私「・・・・お母様が無駄な時間だと仰るのであれば、返す言葉もございません。私個人として
無駄な時間だったとは判断致しませんので、この様な感覚の行き違いが発生してしまい
ました。申し訳ございません。」
母「私はおたくにお金を払って子供を預けているお客ですよね?」
私「ごもっともでございます。」
母「その私が無駄と思った。あなたが無駄だと思わなかった。どっちが正しいんですか??」
私「・・・・判断しかねます(言っちゃった。せっかく我慢してたのに。ここが私の未熟な所・・・)」
母「私に決まってるでしょ!!!」
私「・・・・左様でございますね・・・。大変貴重なご意見をありがとうございます。」
母「とにかく、あなたの考えはわかりました。あなたなんかより、もっと上の人を出しなさい。」
※お客様相談係りとして話していましたので。すみません。これ以上、上はいません。
私「あいにく、席を外しておりまして・・・。後日折り返しご連絡さしあげますので・・・。」
※と、塾の店長から電話させようと思ったのですが・・・。
母「もう良いです!(ガチャ)」
私「・・・・・・(リダイヤル)」
母「もう良いって言ってるでしょ!」
私「はい、失礼致しました。ご迷惑をおかけした事をお詫びいたします。」
※本気で言ってます。理由はどうであれ、怒らせてエネルギー使わせてしまったので。
そんな訳で、後日塾から退学の手続きについて連絡をした時は、時間が経って思い直す事が
あったのか、冷静で落ち着いており、「すみませんでした。」と云った言葉も見られたの事。
結局、退学はせずにその後も通学し続けました。
【教訓】
① 文章の報告書では細かいニュアンスまで伝わらず、特に問題視する事もないと思われる個所に、
思わぬ落とし穴が・・・。この後、「生徒を叱った」という報告では、どの様に叱ったかをより細かく
報告させるようにしました。
② 折角話をしても、相手に伝わらなければ意味なし。「言ったか」ではなく「伝わったか」を確認しつつ
相手とコミュニケーションをとらなくてはならない。
③ どんなにこちらに非が無いと思っても、それを主張してはならない。ニコヤカに、まずは怒っている
箇所については全力で謝罪し、少し態度が軟化してから、「しかし、講師もこの様な意図があった
ようですよ」と伝えれば良かったでしょうか。
④ 一度怒りに火がついた相手は、簡単に火を消せない。怒鳴ったり、理不尽な意見を述べれば、
後で冷静になった時に恥ずかしいと思うはず。その気持ちを読み取ってあげる事。
「はい。そうですね。ごもっともです。申し訳ございません。」で相手の怒りが治まるのを待つ。
上の例でいえば、おそらくお母さんは子供の報告と食い違っている箇所に気が付きながら、
引っ込められなくなってしまったのでしょう。俗にいう逆ギレという奴ですね。
いかがでしょうか?