先週は海の向こう側で、音楽業界の今後の占う上で重要な発言・議論が色々とありました。今回はその問題についてちょっと考えてみたいと思います。アーティストの方にも是非見てもらいたいですね。
その前にまずは復習ですが、多くの音楽配信サイトでは、DRM(Digital Rights Mangement = 著作権保護技術)といういわゆるコピー防止の為の技術が実装されています。主なものは、iTunesのFairPlay、WindowsMediaAudio(WMA)であり、アップルはFirePlayの仕様を公開していないため、殆どの有料配信サイトはWMAによってコピー防止をしているわけです。
ところが、ここで問題になるのは、iPodなどのポータブルオーディオプレイヤーとの互換性です。簡単に言えば、iPodではWMA形式でのファイルは再生できないのです。iPodシリーズは世界でポータブルオーディオプレイヤーとして50%以上もの驚異的なシェアを持っていますが(日本は60%ぐらい)、多くの有料サイトで購入した楽曲は、そのiPodで聴けません。そうすると、iPodで聴ける楽曲を買うために、大半の人はiTunesMusicStoreで楽曲を購入することになります。それが現状は定着しているため、レコード会社やレーベルからすると、iTunesMusicStoreに楽曲を置いてもらうかどうかが非常に重要になってきているというわけです。どんどんオープンになっていっているソフトウェアの世界からすれば、アップルのやっていることは時代に逆行していると言えますが、それだけiPodでシェアを取ったことがすごいと言わざるを得ない状況でもあります。
しかし、音楽配信はまだまだ始まったばかりであり、iTunesMusicStoreとは異なる色んなビジネスモデル(例えばNapsterのサブスクリプションモデル)が立ち上がったりしています。国によっては、ドイツやフランスのように、iTunesMusicStoreがシェアトップではない国もあります。そういったサイトからすると、圧倒的なシェアを誇るiPodで楽曲が聴けないのは大きな機会損失であり、レコード会社やレーベルにとっても、多くのサイトで配信しても、結局はiPodユーザー以外にしか届かないという意味で、やはり不満もたまっているのだと思います。
そのような中で、音楽配信サイト、およびレコード会社やレーベルにとっての選択肢は大きく2つあります。1つはそんな制約にもなってしまうなら、DRMを撤廃してしまうことです。monstar.fm
は、まさにこういうスタンスをとっており、コピーのリスクよりも、リスナーの利便性を高め、アーティストの楽曲をより広く知ってもらう方がより重要であるとの考えから、リスナーを信じてDRMを実装しないことを決断しています(とは言え、全く処置を講じてないわけでもありませんが)。そして海外では、4大メジャーと言われるレコード会社(ユニバーサル、ワーナー、EMI、ソニーBMG)を除けば、多くのレーベルがDRMのないサイトにも楽曲を提供しはじめています。そして、もう1つの選択肢は、今の4大メジャーレコード会社がやっているように、それぞれのサイトで別々のDRMを実装したフォーマットで配信するということです。
今は4大メジャーとその他(広い意味でのインディー・レーベル)とで大きく2つに分かれたような状態になりつつあります。ただし、日本ではまた状況がかなり違い、メジャーと言われるレコード会社の数はもっと多くありますし、インディー・レーベルにも大きなところはたくさんあるのでより混在化した中で、特に中堅以上のレーベルに関してはDRMにこだわったレーベルが多いようです。
前置きが長くなりましたが、こういった状況において、先週発表されたのが、まず批判の声を受けていたアップルのスティーブ・ジョブスの発言です。彼は、アップルのDRM(FIrePlay)の仕様を公開する選択肢も示した上で、4大メジャーに対してDRMを撤廃すべきだという発言をしています。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0702/07/news025.html
それを受けてかどうかはわかりませんが、一方、4大メジャーの一角であるEMIが、DRM撤廃を検討しているというニュースが出てました。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0702/09/news045.html
ということで、これからどうなっていくのか楽しみ?な感じになってきています。
長くなったので続きは明日以降に書きたいと思います。 次回をお楽しみに。