「走っているときに頭に浮かぶ考えは空の雲に似ている。
色んな形の色んな大きさの雲。
それらはやって来ては去ってゆく。
でも、空はあくまで空のままだ。
雲はただの客人に過ぎない。
通り過ぎ、消えてゆくものだ。
暑い日には暑さについて考える。
寒い日には寒さについて考える。
つらいことがあった日には、
いつもより少し長く、少しきつく、一周余分に走ることにしている。
そして、あとにただ空だけを残す。(村上春樹)」
最後に、走っているときに頭の中に浮かんでくる考えについて、哲学的にそしてやや宗教的な視点でマントラは締めくくられます。
色即是空 空即是色
いろんな考えは浮かんでは去っていくけれど、最後には空にして終わる。
マラソンを走る際に、自分なりのマントラを見つけて呟いてみる。なかなか良いものです。
そこにはもしかしたら「正気を失った人間の抱く幻想」の世界が広がっているかもしれません。
『全四編は、2012年箱根駅伝の際にサッポロビールスポンサーのCM、「走ることについて語ること」から引用しています。Youtubeで見ることができます。またその内容は、「走ることについて語るときに僕の語ること(村上春樹・文芸春秋刊)」からエッセンスを抜き取ったものです。興味がある方はそちらをご覧になると、走ることについての哲学を学べると思います。』

