家族狩り-①
天童荒太「家族狩り」読んでます。
この作者の作品重い。
とにかく重い。
へこむ。
同著者による「永遠の仔」も重かったが、
(「永遠の仔」ついてはいずれ語らねばなるまい。)
この作品も重い。
内容は、
家庭崩壊というものを
個々の家庭、親子、夫婦というミクロ的視点から
社会、国というマクロ的視点を通して
いったい何がこの国の家族をここまで至らしめたのかということを
えぐりだしていく。
(まだ3巻までしか読んでないけど。。。)
たとえば、恋人ともに教師である二人の喧嘩のシーン
(生徒が夜遊びしていないか夜回りすのを彼氏がサボって)
女「自分の生徒が傷ついたり、事件に巻き込まれたりしても、平気なわけ?」
男「平和なこったな。アフリカのアンゴラで、今この時間、何人の人間が死んでると思う。
チェチェンでも、大勢の若者が死んでる。幼い子供に戦車の大砲が向けられてる地域だって
あるんだぜ。」
女「やめてよ、そんな話」
男「どうして。ザイールでも大勢の子供が飢えてるし、カンボジアじゃ古い地雷が
今でも爆発して、子供が死んだり障害を負ったりしてる」
女「やめてったら、関係ないでしょ」
~中略~
男「生徒たちが安心して夜遊びできるのも、日米安全保障のおかげかもしれないしな」
女「ちゃかさないで」
男「カラオケでビールを飲んでる子供のことは心配で、海の向こうで死んでゆく子供のことは
どうでもいいか」
女「そんなこと言ってないでしょ。~略~」
いるよね~こーゆー男↑
かくゆー私も彼女にこんな風に言い訳した時期がありましたわ。。。
俺「いつかは世界で飢えてる子供や暴力を受けてる子供を助けて幸せに
するような仕事がしたい。戦争や争いのない世界をつくりたいんだ。」
彼女「それより今私を幸せにしてよ。」
俺「(/。\)」
なんともはずかし。。。
今日のおもろ発見。
横から読んでも縦から読んでもいっしょシリーズ。
(おそらくシリーズ完結編)
長井秀和
井上和香
マジ天才じゃねこれ(゚∀゚)