本能寺の変431年目の真実
▲本能寺の変431年目の真実 明智憲三郎著

本能寺の変431年目の真実を読んだ感想

こんにちは。
最近1冊の本を読みまして、内容は題名の通り「本能寺の変431年目の真実」です。
著者の明智憲三郎さんは、その苗字が示す通り明智光秀の子孫だそうで。大手電機メーカーでシステムエンジニアとして勤めながら、ご先祖様である明智光秀が引き起こした本能寺の変の原因をご自身で調べてきた成果を本にされました。

この本は文庫本の帯にも書いてあるように35万部の大ヒットを記録。
初版が2013年12月15日とのことなので、私は2年半も経過した最近になってこの本の存在を知った次第です。。。汗

そして今更ながらこの本を読み終えまして。
今更ながら感想を述べさせて頂きますと。
「めっちゃ面白かった。」です。笑

とても読みやすく、わかりやすい。
そして本当に「本能寺の変431年目の真実」であって欲しいと思わせて頂きました。

しかし。
明智憲三郎さんが導き出した、明智光秀が本能寺の変を引き起こした新たな原因を、真実と断言するには証拠が少ないのかなと思います。
歴史読み物としてはとても面白かったので、今後新たな歴史的資料が発見されて、明智憲三郎さんが仰る通りの真実になることを是非とも期待したいです!

本能寺跡
▲本能寺の変の跡 今は老人ホームが建っています。

本能寺の変431年目の真実のネタバレ

明智光秀は織田信長を殺害した本能寺の変を何故引き起こしたのか?
一般的には、明智光秀が織田信長を恨んでいたことが理由とされています。
明智光秀は信長を殺害する機会をずっと待っていた。そして信長が京都にある本能寺に油断して宿泊しているチャンスを逃さず、「敵は本能寺にあり」と突発的に信長を殺害した。

しかし本能寺の変431年目の真実で明智憲三郎さんが導き出した答えは常識を覆すものでした。
ざっくり言いますと。
「明智光秀と徳川家康が手を組み、本能寺の変を引き起こしたのです!」

本の中では著者である明智憲三郎さんが、当時の色々な歴史資料を読み直した結果、なぜその結論に辿り着いたのかを追うことができます。このブログで全てを記載することはできないので、私なりにこの本の紹介文をネタバレ含めて下記にて書いてみます。笑

延暦寺
▲比叡山延暦寺

当時、戦国時代の武将達は何のために戦争をしなければならなかったのか?
戦国時代は弱肉強食の社会、自分の国の平和を保つには隣の敵国を倒すことが一つの方法でした。各国を治める武将達は自分が生きている時代だけでなく、親として子供や孫の時代まで平和であり続けることを願うならば、自分が生きている間に危険な敵は倒して子供達が平和に暮らすことができる体制を築いておきたいと考えるものだった。

信長は天下統一という形で全ての敵を武力によって倒すことを目指しました。
そして本能寺の変が起きた頃には、京都を中心として京都の近くの国には自分の息子たちを配置して、明智光秀や豊臣秀吉などの優秀な部下達を敵国と接する国に配置するようになります。
信長は天下統一が近づくにつれて、自分の子孫である織田一族を中心とした体制を築き始めていたのです。さらに信長は海を渡り朝鮮や中国までも侵略する構想を持っていたとされています。

耳塚
▲耳塚 豊臣秀吉の時代に朝鮮半島を侵略した際の朝鮮人達の耳や鼻が埋葬されている。

そのため光秀や秀吉等その他の部下達は、この先ずっと京都から離れた戦争の最前線の地に配置され続けるどころか、海を渡り異国の地まで侵略し続ける運命にあることを悟ります。
自分だけでなく、自分の家族や部下達も一緒に危険な場所に身を置き続けなければならない。
明智一族の平和を願うならば、信長の野望を止めるしかない。
光秀はそう決意した。

しかし決意をしたところでいつ、どうやって信長を殺害するのか?
失敗すれば光秀だけでなく一族全員が謀反の罪で死刑になるリスクが伴う。
そんな中、悩む光秀にチャンスが訪れる。信長が徳川家康を暗殺する計画を光秀に打ち明けます。当時信長と家康はお互いに戦争をしない同盟を結んでいたが、信長は家康が未来に危険分子になることを予測して今のうちに倒すことを考えます。
そして家康の暗殺を実行する日にちこそ本能寺の変が起きた日であり、場所は本能寺であり、家康を殺すのは光秀の仕事だった。

本能寺の跡

一方の家康も、信長と同盟を結んでいるとはいえ近い将来、信長から侵略を受けることをある出来事により察知していた。(ある出来事は本書に譲ります。笑)
そこに光秀から信長を殺害するという謀反の協力を家康は受けます。光秀と家康、両者の利益が一致する信長暗殺計画がひそかに進められていく。

信長と光秀によって家康を暗殺する計画が、
逆に光秀と家康によって信長を暗殺する計画に秘密裏に変わっていったのです。
全ては上手くいくはずだった。。。

しかし光秀と家康の2人しか知らない秘密の計画が、
本能寺の変の後、最も利益を得た人物に漏れていたことをその時2人は知らなかった。。。

豊国神社
▲豊国神社 豊臣秀吉を祀る神社

これが「本能寺の変431年目の真実」大枠のあらすじです。
なぜこの結論を導き出せるのかは、ご興味があれば明智憲三郎さんの本を読んでみて下さい。笑

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