今日はとっても長いお話になります。
以前、ティッシュさんがてんかん発作を起こすということを、ちょこっと書いたことがありますが
タイトルにある『猫科動物聴覚原性反射発作(FARS)』という発作です。
猫科動物聴覚原性反射発作は、音に反応して痙攣をおこすのですが、痙攣といっても
猫ちゃんによりその症状は様々で、ティッシュさんの場合は特に後ろ足に強い力が入り
床を蹴り部屋中を横たわったまま飛び跳ねるような症状で、飼い主が居合わせれば
保定できるのですが、5回に1回くらいは誰もいないときに発作を起こしてしまい
足の爪が全部折れたり、犬歯が折れてしまったりと、ケガと隣り合わせの発作なのです。
てんかん発作を初めて起こしたのは15歳になってから、それまでは大きな病気もなく。
はじめのうちは、本当に何が何だかわからないまま、数か月が過ぎ、音に反応しているかもと
気がついてからは、発作をセーブできるようになりましたが、いくら飼い主が気をつけても
屋外からが入ってくる音までは遮ることができず、もどかしい思いを抱えながら日々
過ごしていています。それでも、初期のころよりは、発作の引き金となる音を立てないように
していますので、発作の回数はとても少なくなりました。
そんな発作が昨年末に起きました。インスタでは記事にしたのですが、昨年8月に我が家の
前のお宅2軒が全焼するという火災が発生しました。その改築工事が行われていて
機械音があたりに響いている中、その音に反応して数日にわたり数回の発作が。
そのうち何回かは飼い主の目の前で起こったので、大きなけがもなかったのですが
目が届かないときに起こった発作はかなり大きかったらしく、全身をどこかに強打したと
思われる状態でした。
発作を起こしたティッシュさんに気が付いた時は、もう抜け殻のように部屋の角に頭を預けて
力なく座っているそんな姿でした。力が入らないようで動くことが出来なかったため、その場に
横たわらせ、呼吸回数と脈を計っていつものベッドに運んで休ませました。
目はうつろで、口からは涎も。幸いなことに嘔吐もなく呼吸も脈も平常時とあまり
変わらなかったので、そのまま休ませました。
日頃から、呼吸と脈は計っておくといざというときの判断材料になります。
呼吸は腹部の上下回数で、脈は後ろ足の内側で計れます。
このような発作で頭を打っている可能性もある場合、一番良い対処法は、病院に連れていく
ことなのですが、間もなく19歳になる高齢猫であることから、万が一手術になった場合
体力的に耐えるのが難しいこと、通院や検査で弱った体を動かすことが負担になり命を
すり減らしてしまう可能性もあったので、今回は自宅で様子を見るという方法をとりました。
その日はまったく動けずベッドの中で横たわったまま、トイレにも行けないのでその場で
おしっこが出てしまうくらい弱っていました。体を丸めることもできないようで目もしっかり
閉じられないまま。翌日も容態はあまり変わらず、目に表情がないティッシュさんを
見ていると、もしかしたら・・・という思いも頭をよぎるのですが、とにかく見守りました。
発作から3日目の朝、ようやく自力でベッドから出てきました。他の兄弟の朝ごはんに
反応してベッドから出てきたので、口元にご飯を運ぶと2口ほど食べて、おぼつかない
足取りながら、水飲み場へ歩いて行き水を飲みトイレに向かい用を足しました。
それから1週間くらいは少し食べ、ふらふらとした足取りながらも水を飲みに行ったり
トイレに行ったり。普段とてもおしゃべりなティッシュさんが一言も発せず鳴き声を
聞けないことで少し不安もありましたが、目に力が戻ってきたので
こちらから何かせずティッシュさんのペースに任せて見守り続けました。
10日が経った頃、私の目を見てにゃっ！と一声鳴くと、そこからはあっという間に
回復していきました。ご飯も以前の半分くらいは食べられるようになり、足取りもしっかりし
ここ1週間くらいは安定してほぼ元通りといえる状態です。
この記事の写真はすべてここ数日で撮影したものです。元気になりました！
ティッシュさんが元気になったので、何もなかったように何も書かずに終わらせて
しまおうかとも思ったのですが、もしかしたらこの高齢になってから発症する音が
引き金になって発作を起こすということをご存じない方もいるかもしれませんので
こうして記事にすることにしました。
高齢になってから原因がわからないけれどてんかん発作が起きるようになったという
猫ちゃんの飼い主さん、もしかしたらティッシュさんと同じ症状かもしれません。
少しでも、この記事がその気付きになりますように。
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