大首のこと | 日本物怪観光のブログ

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ここ1、2年、大変気になっている妖怪がいます。
鳥山石燕が今昔画図続百鬼に描いている巨大な首の妖怪『大首』です。
巨体な首だけという、妖怪の作りとしてはいたってシンプルなお化けです。

ここにもう一つ気になっていることがあります。
昨年、お仕事することになって浅草に行ったのですが、浅草に行くと必ず寄るお店というのがあります。
スターのプロマイドを扱うマルベル堂さんです。

マルベル堂さんはアイドルや俳優のプロマイドを扱う専門店。自社で撮影したスターの写真を焼き増しして販売する、タレントグッズショップの先駆けのようなお店です。
かつてはここでのプロマイドの売り上げが、人気のバロメーターとされ、毎月ランキングが報道されたりしていました。
ちなみにプロマイドというのはマルベル堂さんがスターの肖像を臭化銀(シルバー・ブロマイド)と呼ばれる感光剤を用いた写真に焼いて販売したものの名前。
一般的にはブロマイドですが、マルベル堂さんの商品はプロマイドと呼びます。

マルベル堂さんの店内には、モノクロからカラーまで、たくさんのスターたちの肖像が所狭しと並んでいます。
こちらがそのプロマイド↓
オフショット的に撮影した特撮ヒーローやヒロインの写真もあります。
背景無しもありますが、撮影の為に用意した超ゴージャスな椅子とかに座らせたり、高そうな花束を持たせたりした、まるで写真館で撮影したようなものもあります。
ちなみにすべて大場久美子さんというのは気にしないで下さいw

さて、このプロマイド、写真が普及した近代はこのような形ですが、それまではどうだったかというと、浮世絵版画として販売されていました。
歌舞伎などで人気の役者さんの似顔絵を版画にして売り出し、ファン達は大好きな役者さんが大写しになった版画を購入して持ち帰りました。
この、通常のものに比べると顔が大きく描かれた浮世絵版画のことを「大首絵」と呼びました。

つまりプロマイドは現代の大首絵ということなのです。

そう考えると、俄然妖怪の大首絵を描いてみたくなりました。
当然最初に描くのは『大首』。
大首は同じ頃、立体にもしています。(サーフェイサーを吹いた状態)

顔を中心に描いた妖怪画に情報を盛り込んだ『大首絵』。
まだ描き始めですが、完成したら是非浅草界隈で展示してみたいですね。