人生100年時代とか、生涯現役とか、勿論そう言う方が居る事は宜しいけれど、現実を知らないのか、知らない振りして精神の安定を図ろうとしているのか?

 

人間は、知らずに、止むを得ず、その他色んな事情で、間違いを犯すことがある…

それでなくとも、若い頃は思ひもしなかった事が、ある年齢になると沢山起きる、誰もが初体験(笑い)

 

そんな事は昔から有ったが、自分がその場に立たなければ、理解は出来ない事が多い。

それで、先人は、「隠居」と言う知恵を何時しか知るようになった。

 

それで、適当な時に、隠居して(時によっては隠居させられて~笑い)、場合によっては剃髪して、入道になるとか、一線から退いて、後進に道を譲る、不行跡を不問に付す、と言う事も有る様だ。

現役は続行するが、或る種の贖罪・供養・発心などの為に剃髪と言う事も有る様だ。

 

江戸末期の勝小吉は、三十七歳にて隠居し、『一生不勤にて朽ちける事、子孫に面目なき事いわん方なし。ああ、恥づかしきかな。天保十四年初夏つれづれのあまり書置きぬ  不量軒 夢酔老人』

と書き残し、十七歳の倅、麟太郎(後の海舟)に家督を譲った。

その麟太郎が最初の出世と言うべき、異国応接掛附蘭書翻訳御用となったのは、32歳の時で、家督相続後15年が経過していた。