僕はパパを殺すことに決めた
僕はパパを殺すことに決めた奈良エリート少年自宅放火事件の真実 | |
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大変興味深く読むことができました。
この犯人である子供がどういう過程を経て放火殺人という結果ににいったたのか
を供述調書を中心によくわかる内容になっています。
よくこんな供述調書が手に入ったなというのが素直な感想です。
こんな情報が漏れていいのかと若干疑問も持ちました。
残念な点は著者がなくなった継母を正当に評価しようとするあまりに、
肩入れしすぎている感じがすることです。
冷静にみてもこの継母にはそれほど責任はなく大半は父親の責任であることは
供述調書部分の記述をみていけばわかります。
ただ著者がそれを主張するあまりに、逆に公平な観点ではないのではないかという
疑問がうまれてしまうことが残念でした。
もう一点は著者なりの分析や観点やこの事件を通しての主張がいまいち伝わって
こなかった点です。
ノンフィクションは事実が大事なのは当然ですが、著者の主張や分析の仕方で
本の良さも変わると思います。
ただし、この供述調書部分を読むだけでもすごく得る物があります。
よくも悪くもこの供述調書部分の羅列に近い感じの本ですが、読む価値は大きいと
感じました。
僕自身も子供を持つ親として考えさせられる部分も多々ありましたし、
この子供と父親の奇妙な関係の中にも血のつながりの深さを感じることもできました。¥
これからの子育てを考えさせられた非常に貴重な読書体験でした。