すずめすずなり
すずめすずなり (アフタヌーンKC) 秋山はる
- すずめすずなり 1 (1) (アフタヌーンKC)/秋山 はる
- ¥580
- Amazon.co.jp
[内容(1巻裏表紙の紹介文引用)]
駅徒歩10分。コンビニ近し。築10年の木造アパート。単身者(男女不問)に最適。
―――ただし、入居条件がひとつ。「朝6時半からの朝食に出席できること」以上。
そんなコーポ白百合に入居した会社員・橋本修二郎と十人十色の住人たちが織り成す1K賃貸グラフティ。性格は皆それぞれ、中年男から女子中学生まで世代もばらばら。
だけど、みんな同じ屋根の下。
[感想]
日本中のひとり暮らしの方々に捧ぐ。
昨日記事を書いたBECKが超メジャー作品だったので、本日は、どマイナー(←失礼!!)だと思われるこの作品を紹介します。
さて、この作品、ひとり暮らしの会社員・橋本修二郎(26)の日常を描く。「必ずみんなで朝食をとる」ことが決められているアパートに入居していること以外は、特に変わったことはない。各話のエピソードも、会社の同僚・福田さんに想いを寄せる橋本が、なかなか告白できないヘタレっぷりを描いたり、大家さんの娘・多恵子(14)が橋本を意識する”初恋未満?”な可愛らしい姿を描いたりと、主にこの2つで進んでいく。
この作品の良さは、コーポ白百合の住人達の距離感だろう。みな性別、年齢もバラバラで共通点のない住人たち。だけど互いが互いを自然な形で受け入れている。多恵子が悩んでいれば、30歳OL・美代が相談にのる。そんな描写が、ちょっとだけ心を暖かくする。この距離感は皆で集まる朝食の風景からも表れる。食卓での何気ない会話がちょっと笑いを誘う。
「多恵ちゃんの席 とろろないけど・・・ 食べないの?」
「ブッ ブツブツが・・・」(中略)「大きくなったから もう平気だよって太鼓判押されて・・・ だからもう一度食べてみたのに・・・ なのにっ なのにっ 」
こんな会話、ここしばらくしてないな、と思う自分がいました。ちょっと羨ましい(笑)。
終盤、失恋した橋本は、それをふっ切るかのように仕事に打ち込み、朝食にも出ない日々が続く。
そんな中で、多恵子から「朝食 いつ出てくるんですか?」「あの席に橋本さんがいないと 私はとてもさみしいです。」と言われ、次の日から朝食に行くことを約束する。
そして次の日、以前と変わらない食卓で、皆から声をかけられた橋本は・・・。
「 なんでもないんですっ。 あれっ おかしいな――― なんで止まんないんだろ・・・・・・」
特別に何かがあるわけではない。だけど日常から欠けてしまった何かが、きっとそこにはあります。