2005-8-31
ああ、ついに8月が終ってしまいました。
宿題のできなかった小学生みたいな気分・・・積み残しの仕事が・・・あ、それは8月に限ったことではありませんでした・・・
*メーカーになることが自立した経営なのか
「中小企業経営の課題は、加工屋からメーカーになることだと言われてきたが、それは本当なのか。」先日、ある若手経営者の集まりで出された疑問である。 もちろん、大企業に都合良く使われる下請を良しとしているのではない。「仮に加工業であっても独自の技術やノウハウがあれば、充分に大企業と渡り合える。」
独自製品を持つメー力ーへの胱皮は、多(の経営者にとっての目標だったはずだ。しかし、今、そのことに疑問を持つ若手経者が出はじめている。
「基礎や原理に立ち戻って、勉強すべきだと言う人もいるが、どこまで戻れば良いのか。秋葉原に行けば、簡単に手に入れることができるものを、一から開発するというのはマ二アのすることで、経営者のすることではない。」
研究開発にしても、何もかも全て、自社でやる時代ではなく、使えるものは使うべきだと、この経営者は考える。研究開発のスピードが非常に早い現在、自分たちの専門外の部分に、こだわっていてはそのスピードに追いつけない。
「仮にそれぞれの抜術が完成していても、それらをいかに組み合せ、何に使うかは未完成の場合が多い。」ある大学のエ学系の研究者は言う。「研究の場には無 数のアイデアがあるが、それを実現させるためには、加工や組み立てといったノウハウや技術が必要で、それはむしろ大企業よりも中小企業の方が得意とする領 域のはずだ。」
今まで中小製造業経営者の悲願は、メーカーになることであったと言っても良いだろう。いわゆる中小企業研究者も、行政も、そうした方向性を理想として打ち出してきた。しかし、なぜ今、それに疑問が出てきているのだろうか。
「リスクが高すぎるということに気が付き始めたのではないだろうか。」そうある若手経営者は指摘する。ある会合では、「三ちゃん企業」(家族経営)から、 20名から30名規模、さらには50-60名規模、そして数百名規模というように、中小企業経営が区切れるのではないかと若手経営者たちの意見が一致し た。
従来、規模の拡大が経営者の目的だったが、現在はそうではないと若手経営者たちが指摘するのだ。50名を超えた程度で、経営を家業 からは切り離した発想が必要になる。しかし、例えば加工業ではこの程度の規模で維持する方が、小回りが効き、変化の早い時代に対応できるのではないかとい うのだ。「そもそも商圏の仕事を全部集めたとしても、大した量はない。規模の拡大を目指すには市場の規模が制限されていることに自覚すべきだ。」
一時期、ニッチ経営というのが流行したが、ニッチに徹した結果、転換が効かず、変化が起こったときに厳しい状況に追い込まれた企業が多い。今、若手経営者 が試行錯誤しているのは、こうした意味でのニッチではない。ある特殊な技術を持つことは、確かに強みになるが、しかし、技術革新が起こった時に、全く価値 を持たなくなる可能性がある。
「利益を次の売り物の開発に廻す必要はもちろんあるが、それは幅を広げる程度で、関係のないところにまで手を出す必要はない。」
中小企業のおかれている状況を考える時、「規模を拡大しなくてはならない」、「メーカーとなり、自立した経営を持たねばならない」という考えが変化してき ている。「それは高度経済成長の時に経営をしてきた親父たちの夢であり、同時に呪縛だった。メーカーでなくとも自立した経営はできる」と冷静な意見を述べ る経営者もいる。
自分たちにとって、また従業員にとって、顧客にとって、どうやっていくことが幸せなのか。株主だの、買収だの関係ないところで考えられるからこそ、親父たちの夢ではなく、自分たちの夢を持っていけばいいのではないだろうか。
今月号は、中村主任研究員が担当しました。
ああ、ついに8月が終ってしまいました。
宿題のできなかった小学生みたいな気分・・・積み残しの仕事が・・・あ、それは8月に限ったことではありませんでした・・・
*メーカーになることが自立した経営なのか
「中小企業経営の課題は、加工屋からメーカーになることだと言われてきたが、それは本当なのか。」先日、ある若手経営者の集まりで出された疑問である。 もちろん、大企業に都合良く使われる下請を良しとしているのではない。「仮に加工業であっても独自の技術やノウハウがあれば、充分に大企業と渡り合える。」
独自製品を持つメー力ーへの胱皮は、多(の経営者にとっての目標だったはずだ。しかし、今、そのことに疑問を持つ若手経者が出はじめている。
「基礎や原理に立ち戻って、勉強すべきだと言う人もいるが、どこまで戻れば良いのか。秋葉原に行けば、簡単に手に入れることができるものを、一から開発するというのはマ二アのすることで、経営者のすることではない。」
研究開発にしても、何もかも全て、自社でやる時代ではなく、使えるものは使うべきだと、この経営者は考える。研究開発のスピードが非常に早い現在、自分たちの専門外の部分に、こだわっていてはそのスピードに追いつけない。
「仮にそれぞれの抜術が完成していても、それらをいかに組み合せ、何に使うかは未完成の場合が多い。」ある大学のエ学系の研究者は言う。「研究の場には無 数のアイデアがあるが、それを実現させるためには、加工や組み立てといったノウハウや技術が必要で、それはむしろ大企業よりも中小企業の方が得意とする領 域のはずだ。」
今まで中小製造業経営者の悲願は、メーカーになることであったと言っても良いだろう。いわゆる中小企業研究者も、行政も、そうした方向性を理想として打ち出してきた。しかし、なぜ今、それに疑問が出てきているのだろうか。
「リスクが高すぎるということに気が付き始めたのではないだろうか。」そうある若手経営者は指摘する。ある会合では、「三ちゃん企業」(家族経営)から、 20名から30名規模、さらには50-60名規模、そして数百名規模というように、中小企業経営が区切れるのではないかと若手経営者たちの意見が一致し た。
従来、規模の拡大が経営者の目的だったが、現在はそうではないと若手経営者たちが指摘するのだ。50名を超えた程度で、経営を家業 からは切り離した発想が必要になる。しかし、例えば加工業ではこの程度の規模で維持する方が、小回りが効き、変化の早い時代に対応できるのではないかとい うのだ。「そもそも商圏の仕事を全部集めたとしても、大した量はない。規模の拡大を目指すには市場の規模が制限されていることに自覚すべきだ。」
一時期、ニッチ経営というのが流行したが、ニッチに徹した結果、転換が効かず、変化が起こったときに厳しい状況に追い込まれた企業が多い。今、若手経営者 が試行錯誤しているのは、こうした意味でのニッチではない。ある特殊な技術を持つことは、確かに強みになるが、しかし、技術革新が起こった時に、全く価値 を持たなくなる可能性がある。
「利益を次の売り物の開発に廻す必要はもちろんあるが、それは幅を広げる程度で、関係のないところにまで手を出す必要はない。」
中小企業のおかれている状況を考える時、「規模を拡大しなくてはならない」、「メーカーとなり、自立した経営を持たねばならない」という考えが変化してき ている。「それは高度経済成長の時に経営をしてきた親父たちの夢であり、同時に呪縛だった。メーカーでなくとも自立した経営はできる」と冷静な意見を述べ る経営者もいる。
自分たちにとって、また従業員にとって、顧客にとって、どうやっていくことが幸せなのか。株主だの、買収だの関係ないところで考えられるからこそ、親父たちの夢ではなく、自分たちの夢を持っていけばいいのではないだろうか。
今月号は、中村主任研究員が担当しました。