どなたかご記憶じゃありませんか? 春先、今年の夏は冷夏かも、と天気予報が言っていたの。蓋を開けてみれば、しゅうちょの住む東京一円は「どぉこぉがぁじゃぁ~っ」と言いたくなるような猛暑、酷暑でした。
お陰様で、8月早々、こっぴどい夏風邪を引き込みました。気温37度近く。でも、私の体温は39度8分。「やったね! 気温に勝った!」と、熱っぽい瞳で 悔し紛れにTVの気象番組に向かってうそぶく、ちょっとシニカルなしゅうちょ…。都合、3日間ほど、体温並みといわれた最高気温に勝ち続けました。
で、ご褒美に何が来たかというと。魅惑のハスキーボイスです! いまだにのどのザラザラ感とひどい咳が止まらず、夜中から明け方は「ゲホッゲホッゲェ~」 との戦いです(お食事中の方、ごめん遊ばせぇ)。お陰様で余りよく眠れず、その分、夜中、そして明け方の空気、空の色になんだかんだ言っていても秋の気配 を感じる。そんな余録も味わっております。
と、いうことで。今月は魅惑のハスキーボイスでお届けいたしまぁす(お聞かせできないのが残念!)。
お陰様で、8月早々、こっぴどい夏風邪を引き込みました。気温37度近く。でも、私の体温は39度8分。「やったね! 気温に勝った!」と、熱っぽい瞳で 悔し紛れにTVの気象番組に向かってうそぶく、ちょっとシニカルなしゅうちょ…。都合、3日間ほど、体温並みといわれた最高気温に勝ち続けました。
で、ご褒美に何が来たかというと。魅惑のハスキーボイスです! いまだにのどのザラザラ感とひどい咳が止まらず、夜中から明け方は「ゲホッゲホッゲェ~」 との戦いです(お食事中の方、ごめん遊ばせぇ)。お陰様で余りよく眠れず、その分、夜中、そして明け方の空気、空の色になんだかんだ言っていても秋の気配 を感じる。そんな余録も味わっております。
と、いうことで。今月は魅惑のハスキーボイスでお届けいたしまぁす(お聞かせできないのが残念!)。
つれづれもの草子 -その11-
始まった?「日本回帰」
「日本でつくるものへの安心、信頼が戻って、再び“近場で作ること”が評価され始めているんじゃないか」
ここ半年くらい、こんな声をちらほらと、しかし、けっこう様々な分野で耳にするようになってきた。
もっとも、ものづくり、製造業の世界では以前から「言葉にならない微妙な加工はやはり近くじゃないとできない。やはり最後は日本、近くの安心、信頼だ」と いうのは“共通理解”だった。けれど、残念ながらそれは“違いがわかるつくり手同士”の内輪に留まっていたような気がする。
しかし、最近耳にす る声、評価は“内輪”を超えたところで出ている。つくり手以外の“消費者”が日本でつくること、近場でつくることの価値に気づき、認めだしている。そし て、これがもっと大切だと思うのだが、そういう“内輪”以外からの声を聞くことで、つくり手=製造業者が元気と自身を取り戻すきっかけをつかみつつあるよ うだ。
オリジナルTシャツのデザイン会社(有)カラーズニットウェアと、その製造会社(有)コイケ産業を経営する小池昇さんも、消費者が「近場でつくることの価値を評価し始めている」と手応えを感じている1人だ。
小池さんのつくっているTシャツはc.graph(シー・ドット・グラフ。シーはcに○)というオリジナル・ブランドで、原宿でショップ展開をしている。 ターゲットは10代~20代の女性。単価は¥2,900、¥3,900が主だ。この価格帯はプリント・デザインTシャツの中でも最も競争の激しい価格帯 だ。大量に流れ込む中国製などアジア製品も多い。そこでオリジナル・ブランドで勝負ができるのは、突き詰めれば「地元」という近さを徹底的な強みにしてい るからである。
小池さんが経営に当たる2社のうち、コイケ産業は今から25年ほど前に小池さんのお父さんの益治さん(コイケ産業現社長。昇さん は専務)が工業用繊維資材の下請メーカーとして立ち上げた。創業地はまだ繊維の町としての輝きを保っていた東京・八王子市である。だから、コイケ産業、そ して小池さんは地場・八王子の繊維関連業の動向に通じている。シー・ドット・グラフのTシャツはそのデザインのおもしろさと、プリントの美しさが一番の セールス・ポイントだ。そして、八王子には長年、絹地に精緻なプリントを施してきた確かな技術を持つ地場業者がいる。そういう「確かなプリント技術」を ちゃんと地元ネットワークとして確保しているのだ。
また、コイケ産業は工業用繊維資材からやがてメリヤス生地の縫製を手がけるようになっていた ので、日本全国のメリヤス産地の事情にも通じている。だから「どこの産地のメリヤスが質が良くて価格が安いかわかる」し、「縫いにくいメリヤス地にきれい にミシンがけができる職人さんがうちにはまだまだ多い」というTシャツ製造には欠かせない条件もそろっている。そこに、コンピュータ・グラフィック系の優 れたデザイン力を保つデザイナーとの出会いもあった。もともと「会社は細く長く、でも着実に存続してこそ会社。新しい事業展開としてアパレルを目指した い」と思っていた小池さんは思いきって父であり社長である益次さんに「業態転換」を主張、自分にやらせて欲しいと直訴した。それがシー・ドット・グラフの 出発点である。
小池さんの挑戦は、いわば、自社と自社の周辺で確保できる「部分部分の強み」を総合していくところに特徴がある。そして、それが 「価格と同時に時間勝負」といわれるアパレル業界で伸長する原動力にもなっている。シー・ドット・グラフとしてショップ展開を始めて2年あまり。その間に 送り出したオリジナル・デザインは650型に及ぶという。
「原宿でデザインして、それを八王子でつくって、原宿で売る。距離にして40kmほど。車なら2時間もかからない。だから、極端に言えば、お客さんから オーダーを受けたら、できたてのほかほかのTシャツを届けることだってできる」。この製販直結の近さ、それを支える産地ネットワーク。これが何と言っても 強みになっていると、小池さんは言う。「だから、中国品は確かに多いし、競争は厳しいけれど、だからといって、アパレルは中国に出て単価勝負をするばかり でもないと思う」とも実感している。
こうして「近場」でつくられているTシャツが、デザインにうるさい若い女性たちに確かに受け入れられてい る。彼女たち「うるさい消費者」も、意識するとしないとに関わらず「近場でつくること」を評価していると見ることもできるだろう。そして、シー・ドット・ グラフは、この8月の末からはアパレル・ショップなら1度は出店を夢見ると言われるラ・フォーレ原宿にショップを開いた。「近場でつくる」がさらにうるさ い消費者たちにどう受け入れられ、どう評価を勝ち得ていくのか、挑戦である。
ところで、最初にも書いたように、「近くでつくる」ことの 強み、良さはものづくりの世界では「当たり前」でもあった。そういう指摘、主張を聞くに付け、「やがてはこれが消費者にも受け入れられるようになるだろ う」。そんな思いを持ち続けてきた。そして、この消費者側からの受け入れ、評価のスピードがひょっとしたら少し加速するかも知れない。最近、そんな気がし てきている。
乳製品や食肉を始め、食品の世界では名だたる「ブランド企業」が企業倫理にもとる行為を繰り返してきたことが白日の下にさらされ た。いったい日本の大企業とは何だったのか? というあきれとも諦めとも付かぬ思いも抱く一方、一連の事件が、人々の生活の根本の根本をなす「食」の部分 で「近場でつくること」の意義を消費者に再認識させ、再評価させてきていることも事実だ。そして、これが「近場でつくること」の評価のスピードを加速させ るのではないかと思えるのだ。 「嘘から出た真」とばかり、つくることの日本回帰が本格化するのかも知れない。
くま子問はずがたり
先日、横町のご隠居の前を通りました。そしたら、ご隠居、なんだかあきれ顔でぼんやりしている。
「あれ? ご隠居、どうしたんです?」って聞いたら。
「どうもこうも、これをご覧よ」と、手渡されたのはエア・メールの絵はがき1葉。
「へぇ エア・メールなんて、ご隠居、しゃれちゃって。で、差出人は…」
ハガキにはたった1行
夏季冬眠中 オーストラリアのくま子
(C)N.Tanaka
始まった?「日本回帰」
「日本でつくるものへの安心、信頼が戻って、再び“近場で作ること”が評価され始めているんじゃないか」
ここ半年くらい、こんな声をちらほらと、しかし、けっこう様々な分野で耳にするようになってきた。
もっとも、ものづくり、製造業の世界では以前から「言葉にならない微妙な加工はやはり近くじゃないとできない。やはり最後は日本、近くの安心、信頼だ」と いうのは“共通理解”だった。けれど、残念ながらそれは“違いがわかるつくり手同士”の内輪に留まっていたような気がする。
しかし、最近耳にす る声、評価は“内輪”を超えたところで出ている。つくり手以外の“消費者”が日本でつくること、近場でつくることの価値に気づき、認めだしている。そし て、これがもっと大切だと思うのだが、そういう“内輪”以外からの声を聞くことで、つくり手=製造業者が元気と自身を取り戻すきっかけをつかみつつあるよ うだ。
オリジナルTシャツのデザイン会社(有)カラーズニットウェアと、その製造会社(有)コイケ産業を経営する小池昇さんも、消費者が「近場でつくることの価値を評価し始めている」と手応えを感じている1人だ。
小池さんのつくっているTシャツはc.graph(シー・ドット・グラフ。シーはcに○)というオリジナル・ブランドで、原宿でショップ展開をしている。 ターゲットは10代~20代の女性。単価は¥2,900、¥3,900が主だ。この価格帯はプリント・デザインTシャツの中でも最も競争の激しい価格帯 だ。大量に流れ込む中国製などアジア製品も多い。そこでオリジナル・ブランドで勝負ができるのは、突き詰めれば「地元」という近さを徹底的な強みにしてい るからである。
小池さんが経営に当たる2社のうち、コイケ産業は今から25年ほど前に小池さんのお父さんの益治さん(コイケ産業現社長。昇さん は専務)が工業用繊維資材の下請メーカーとして立ち上げた。創業地はまだ繊維の町としての輝きを保っていた東京・八王子市である。だから、コイケ産業、そ して小池さんは地場・八王子の繊維関連業の動向に通じている。シー・ドット・グラフのTシャツはそのデザインのおもしろさと、プリントの美しさが一番の セールス・ポイントだ。そして、八王子には長年、絹地に精緻なプリントを施してきた確かな技術を持つ地場業者がいる。そういう「確かなプリント技術」を ちゃんと地元ネットワークとして確保しているのだ。
また、コイケ産業は工業用繊維資材からやがてメリヤス生地の縫製を手がけるようになっていた ので、日本全国のメリヤス産地の事情にも通じている。だから「どこの産地のメリヤスが質が良くて価格が安いかわかる」し、「縫いにくいメリヤス地にきれい にミシンがけができる職人さんがうちにはまだまだ多い」というTシャツ製造には欠かせない条件もそろっている。そこに、コンピュータ・グラフィック系の優 れたデザイン力を保つデザイナーとの出会いもあった。もともと「会社は細く長く、でも着実に存続してこそ会社。新しい事業展開としてアパレルを目指した い」と思っていた小池さんは思いきって父であり社長である益次さんに「業態転換」を主張、自分にやらせて欲しいと直訴した。それがシー・ドット・グラフの 出発点である。
小池さんの挑戦は、いわば、自社と自社の周辺で確保できる「部分部分の強み」を総合していくところに特徴がある。そして、それが 「価格と同時に時間勝負」といわれるアパレル業界で伸長する原動力にもなっている。シー・ドット・グラフとしてショップ展開を始めて2年あまり。その間に 送り出したオリジナル・デザインは650型に及ぶという。
「原宿でデザインして、それを八王子でつくって、原宿で売る。距離にして40kmほど。車なら2時間もかからない。だから、極端に言えば、お客さんから オーダーを受けたら、できたてのほかほかのTシャツを届けることだってできる」。この製販直結の近さ、それを支える産地ネットワーク。これが何と言っても 強みになっていると、小池さんは言う。「だから、中国品は確かに多いし、競争は厳しいけれど、だからといって、アパレルは中国に出て単価勝負をするばかり でもないと思う」とも実感している。
こうして「近場」でつくられているTシャツが、デザインにうるさい若い女性たちに確かに受け入れられてい る。彼女たち「うるさい消費者」も、意識するとしないとに関わらず「近場でつくること」を評価していると見ることもできるだろう。そして、シー・ドット・ グラフは、この8月の末からはアパレル・ショップなら1度は出店を夢見ると言われるラ・フォーレ原宿にショップを開いた。「近場でつくる」がさらにうるさ い消費者たちにどう受け入れられ、どう評価を勝ち得ていくのか、挑戦である。
ところで、最初にも書いたように、「近くでつくる」ことの 強み、良さはものづくりの世界では「当たり前」でもあった。そういう指摘、主張を聞くに付け、「やがてはこれが消費者にも受け入れられるようになるだろ う」。そんな思いを持ち続けてきた。そして、この消費者側からの受け入れ、評価のスピードがひょっとしたら少し加速するかも知れない。最近、そんな気がし てきている。
乳製品や食肉を始め、食品の世界では名だたる「ブランド企業」が企業倫理にもとる行為を繰り返してきたことが白日の下にさらされ た。いったい日本の大企業とは何だったのか? というあきれとも諦めとも付かぬ思いも抱く一方、一連の事件が、人々の生活の根本の根本をなす「食」の部分 で「近場でつくること」の意義を消費者に再認識させ、再評価させてきていることも事実だ。そして、これが「近場でつくること」の評価のスピードを加速させ るのではないかと思えるのだ。 「嘘から出た真」とばかり、つくることの日本回帰が本格化するのかも知れない。
くま子問はずがたり
先日、横町のご隠居の前を通りました。そしたら、ご隠居、なんだかあきれ顔でぼんやりしている。
「あれ? ご隠居、どうしたんです?」って聞いたら。
「どうもこうも、これをご覧よ」と、手渡されたのはエア・メールの絵はがき1葉。
「へぇ エア・メールなんて、ご隠居、しゃれちゃって。で、差出人は…」
ハガキにはたった1行
夏季冬眠中 オーストラリアのくま子
(C)N.Tanaka