丙申

 太陽の傾きが秋を伝えている。

 虫の音も聞こえる。

 賑やかな夏が

 すでに終わっていることに気づく。

 


 9月まであと何日!?

 夫と共に学校勤めだったから、

 この時期は夫婦して

 焦燥感が最高潮になる。

 2人の子供たちも一斉に2学期が始まる、

 待ったなしのような落ち着かなさ。

 懐かしい。


 8月31日の22時に

 娘のソプラノ笛が鳴り響く時もあった。

 音楽の宿題を忘れていたのだ。

 暗澹たる気持ちでそれを聴いていたなあ。


 子どもらの宿題の掌握役は

 私と決まっていて、

 夫は実働部隊。

 事細かな指令をすれば、

 自由研究のための買い物や

 採集などをしてくれたが、

 彼自身が子供のように

 夏を味わっていたいのだった。


 家族で過ごす時間が濃かった。

 たった一時間でいいから

 夏の終わりの夕暮れを

 夫と過ごしたい。


 珍しく感傷的にさせた夕焼けのせい。