息子が昨年よりお付き合いを

始めた人と

先月婚約し、今月入籍した。

来春には挙式の予定である。


彼女を昨年秋に紹介された。

もちろん命式を出し

プチ鑑定付きの初対面。

彼女と私の共通点は、

財星と、食傷星がないこと。


息子からは、人見知りなんだと言われた。

「あら、お母さんもそうよ」少しほっとした。


主星が正官の彼女は

待ち合わせの喫茶店で、

私が現れるとすぐに

席を立って深く一礼。

次いで手土産を渡してくれた。

「うわあ!やっぱり正官!」

声に出てしまった。

四柱推命オタクの反応である。

息子は半分呆れ顔だったが、

惚れ込んだ彼女ができて

自信満々が勝っていた。


なるほど圧倒的に聞き役で

懐が深そうなお嬢さんという好印象。

改めて命式を見て、

息子にぴったりな気がして来たのだった。

だからといって勝手に先行きを

期待して急かすつもりはなかった。


その後、何度か顔を合わせたが、

具体的なスケジュールが示されないから、

結婚のタイミングはまだ先なのかと思っていた。


財星がない私。

本当に人に興味が薄いのだと実感した。

寂しさと引き換えに、

人のあれこれより、自分のあれこれに

集中しやすいのである。


ただ、家族の大きな節目に

夫がいない。

同じ温度でこの一大事を共有できないことに

こたえている。


生きていれば夫は、

連日連夜2人のことを話題にし、

彼女を褒め称え、

息子の成長に思いを馳せ、

自分の新たな立ち位置に

期待と興奮を露わにしていたことだろう。

私はうんざりしながらも

その長い語りに耳を傾けて、

薄い感情が少しは揺さぶられて、

あれこれ楽しい心持ちを味わえたのかもしれない。


両家顔合わせ。

誠実で温かいご両親に安堵した。

それを一人で反芻する心許なさ。


入籍を聞いた夜、

並々とついだビールを供え、

遺影の夫に報告した。

感情豊かな夫は

「そっかあ、そっかあ。嬉しいな」

「ようこさん、一人だけど頼むね。大丈夫だよね、

 いつだって大丈夫だもんね」

そう声が聞こえた気がした。