宍戸大樹引退試合 | 快児オフィシャルブログ「快児ワードファクトリー」Powered by Ameba

宍戸大樹引退試合

宍戸大樹さんという友達がいる。
15年前池袋東口のTSUTAYAでバイトしてる時にお客さんとしてご来店し、仲良くなった。
えらく発達した筋肉をしていると思ったらシュートボクシングの選手だという。
とても気さくでシャイな人。

当時彼は試合が近づくと必ず映画「ロッキー」を借りにきた。ロッキーのテーマを聞くとテンションが上がって戦闘モードになるそうだ。

ある日の夜中3時に宍戸さんが「ロッキー」を借りにきた。
「試合ですか?」
「そうなんですよ」
「いつですか?」
「今日です」
!!
はよ寝ろや!

宍戸さんは
「緊張してどうせ寝れないんでこれ見るんです」
と言った。
そして
「来てくれませんか?」
と誘ってくれた。
「もちろんです」

それから何度も彼の試合を観に行った。
彼は想像以上に強かった。
勝ち続けた。
そしてウェルター級東洋大平洋王者にまでなった。

負けはしたがブアカーオ・ポー・プラムックやアンディ・サワーとも対戦した。

月日は流れ、今日2016年4月3日。宍戸さんの引退試合。後楽園ホール。
実に6513日の選手生活最後の日。

相手はムエタイのチャンピオン。
宍戸さん自らが望んだ肘ありルール。
第1ラウンドは宍戸さんが押してるように見えた。
が、第2ラウンド。相手の肘を浴びて額をカット。流血。さらに浴びまくる。何ヵ所もカットして血まみれ。そしてぐらりと倒れた。

結果はKO負け。でもかっこよかった。生き様を見た。
宍戸さん、お疲れ様でした。
引退セレモニーが終わり、入場曲が再びかかる中泣きながら会場をあとにした。