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衰えた戦闘意欲

格闘技が好きだ。もしも目がよくて、もっと恵まれた体格なら格闘家になりたかった。

幼稚園のころから中学2年くらいまで、俺は俗に言うジャイアンのようなやつだった。気に入らないやつはすぐ殴る。小学校まではなんと、女の子でも殴っていた。

小学3年くらいの時、ビックリマンチョコが流行っていた。俺は友達に「共同で集めようぜ」と持ちかけた。二人の持ってるシールをあわせると、かなりの枚数になった。その分厚い束は二人の物ということになる。
しかし、ジャイアンな俺はまずは自分が持つと言い、それから数年、その友達のうちに行っては、それまでに彼が収集したシールを元の束に加え、また持って帰るということを繰り返した。なんたる自己中。彼に謝りたい。

小6の頃、子分が4、5人いた。一時期なんて嘘みたいな話だが「様」を付けて呼ばせていた。
ある日俺は子分を招集しこう言った
「そういえば俺、あだ名ないよな。これからは、せやな…『大佐』と呼べ」
あほか俺は。自分で自分のあだ名を決めた。
しかも「大佐」って。

ある日俺のうちで友達と遅くまで遊んでいると、心配した友達のお母さんからうちに電話がかかってきた。
「大佐君?うちの子おじゃましてる?」
大佐君である。大佐があだ名とは誰も思わないだろうから、小山大佐という名前だと思ってるのだろう。
大佐君。シャア少佐君。階級に君付け。

今ではたるたるだが、小学校のころは腹筋に異常に自信があった。浜学園という大きな塾に電車で通っていたのだが、その行き帰りに、別の学校の強そうなやつを捕まえては
「俺の腹殴ってみー」
と言って実際殴らせていた。なんだそれは。一緒に通ってる友達ドンびき。
そうまでして力が誇示したかったのだ。

この前駅で、知り合いの芸人に凄くよく似たやつとすれ違ったので、ずっと見ていた。すると彼は通り過ぎようとしたが、くるっと振り返り俺に近づいてきた。
しまった!別人だ。
「なに?なんか文句あんの?」
俺はびびった。これだけ自信満々にガン飛ばしてくるってことは強いのかもしれないなどと考えた。そして俺は
「いや、友達に似てるなーと思って…」
と言った。
確かに友達に似ていたんだ。だがこの発言、完全に喧嘩売ろうとしたが、いざとなって臆病風にふかれたやつの代表的セリフだ。恥ずかしい。

ああ、もう目が良くても格闘家にはなれないなと思った。
実際びびったし。
むなしかった。