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やっくんとの最後のメール

やっくんの四十九日が終わった。
脚本作りに苦戦した時、友達に合コンのセッティングを頼まれた時、芸人に「誰と仲良いの?」と聞かれた時。いちいちやっくんを思い出す。
よく電話をした。メールもした。頑張りが足りない俺をいつも彼は叱咤激励してくれた。


実はやっくんは俺の通っている接骨院の院長が、オーナーをしているマンションに住んでいた。
当時院長は東京ディズニーランドの株主とか特別な人間しか入れない、クラブ33というレストランに行きたがっていた。
やっくんならなんとかなるのではということで院長とやっくんを会わせてみた。その時やっくんは新居を求めていた。


出会ってすぐに院長が切り出した。
「クラブ33に行きたいんだけどやっくんなんとかならない?」
「なりますよ。僕一回行ってますし。連絡しときます」
院長の願いは即効で叶うことになった。


そこでやっくんは
「新しい家探してるんですけど、いい物件ありますか?」
と言った。
「あるよ。北参道に一軒マンションが。家賃は20万円かな」
「15万に負けてくれませんか?」
「うーん、いいよ」
交渉成立。出会ってから15分。お互いの願いが15分で叶った。
すごい。会わせてよかったと俺も満足した。


やっくんとの最後のメールはやっくんが亡くなる1週間前。
アプリになる小説を彼が読みたいというのでメールに添付して送った。
すると
「小説読んだよ!面白い!さすがだね!こういうネタも書いてね!」
という返信が。


皮肉にもその小説は電車に人間が轢かれるシーンから始まる。
そして、今書いている脚本もどういう因果か電車に轢かれた人の話。

なにか不思議な力を感じる。



先日やっくんのご両親に
「お線香あげに行かせていただきたいんですが」
という電話をしたら
「俺も俺もってなっちゃうから全部お断りしてるんですよ。すいませんねー」
とのこと。
幸いにもやっくんのお兄さんがツイッターでお墓の場所を細かく書いていたのでそろそろお墓参りに行こう。
うん、そうしよう。